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2019年7月5日
【適温相場復活で株式と債券が同時上昇、ボラティリティの低下が行き過ぎると急落のリスクも】(7月5日配信)

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おはようございます。

 

【適温相場復活で株式と債券が同時上昇、ボラティリティの低下が行き過ぎると急落のリスクも】

 

 

【4日の米国市場】 

 

(独立記念日の祝日のため休場)

 

【今日のポイント】

 

適温相場復活で株式と債券が同時上昇、ボラティリティの低下が行き過ぎると急落のリスクも

 

  • 3日の世界の金融市場では株式買いと債券買いが同時に強まる展開となりました。株式市場と為替市場ではボラティリティ(価格変動率)が低下しており、まさに適温相場(ゴルディロックス)の再現といえます。
  • 3日のNY株式市場でダウ30種平均は18年10月に付けた過去最高値を9ヵ月ぶりに更新しました。S&P500種、ナスダック総合指数も過去最高値を更新し主要3指数が同時に最高値更新となりました。投資家の不安心理を示す米株式のボラティリティ指数である米VIX指数は12台半ばとここ数年の安値圏で推移しています。ユーロ圏ではフランスの株価指数CAC40指数が3日に過去52週間の高値を更新、ドイツDAX指数は3日まで6日連続で上昇しています。商品相場ではニューヨーク金先物も52週高値を更新しました。
  • 3日の債券市場では米国の10年、30年債利回りが大幅に低下(価格は上昇)し52週間の最低を更新、ユーロ圏ではフランス、イタリア、スペイン、英国の10年債利回りが最低を更新しました。ドイツはついに20年債の利回りまでマイナス金利となりました。世界的に債券市場の運用環境がますます厳しくなっています。
  • 欧州のマイナス金利の深さは債券運用のマネージャーから見ると深刻で、財政問題や政治リスクを抱えるギリシャ(長期金利は2.03%)やイタリア(同1.6%台)など注目されています。海を渡って米国の債券(米長期金利は同1.94%)に買いが入り、足元の米長期金利低下の大きな原因となっています。金利低下を受けて通貨では英ポンドが対円で1ポンド=135.58円と52週安値となりました。
  • 3日に発表された米国の民間版ADP雇用統計や6月のISM非製造業景況指数が市場予想を下回り、7月の米FOMCにおいて利下げ期待が一段と強まりました。欧州連合(EU)は2日の臨時会合で、ECBの次期総裁にフランス出身のラガルドIMF専務理事を選任しました。金融引き締めに積極的なタカ派の総裁起用が見送られ、欧州債券市場は緩和路線の継続を織り込み始めました。今週は英中銀総裁も追加緩和を示唆しました。さらにトランプ大統領は空席のFRB理事に金融緩和に前向きとされる自らの選挙陣営元幹部を指名しました。欧州に対抗し米国も利下げ圧力を高める狙いとされます。
  • グローバルな実体経済が減速傾向にある中で、中央銀行による緩和の強化が景気を支えるという投資家の期待が強まっており、債券と比べて割安感が強まった株式を買うリスクオンのマーケットになっています。残念ながら日本株は不安材料が多く上値追いには慎重な投資家が多いようです。参院選を控え、安倍首相の支持率は高いものの、10月の消費税増税を主張する与党(自民党と公明党)が本当に勝利できるかが不透明です。また、消費税増税後の消費の失速による景気リスクを海外投資家が警戒しており、日本株への注目度を引き下げています。FRBとECBの緩和期待に比べて日銀の緩和カードが限られており、先行き円高を連想する向きも多いようです。
  • 適温相場は2017年を通じて観測されたほか、2018年の3月から9月頃まで似たような局面がありました。余剰マネーが株式市場に流入し世界的に株式相場はジリ高になりました。リスクはボラティリティの低下が行き過ぎると2018年の2~3月や18年の10~12月のように、何らかの材料でボラティリティが急上昇し、株式相場が急落する恐れがあることです。欧州の政治リスク、米経済指標を受けた米長期金利の動きを注視しましょう。
  • 二つ目のリスクは過熱する社債発行市場です。米国で低格付け社債(格付けがトリプルB格未満、ジャンク債またはハイイールド債と呼ばれる)の発行が急増しています。6月の発行額は250億ドル(約2兆7,000億円)と1年9ヵ月ぶりの高水準になりました。米利下げ期待で社債金利が低下し信用力の低い企業も低利で資金調達がしやすくなっているためです。IMFの試算ではこうした低格付け企業の社債の発行残高は1兆3,000億ドル(約140兆円)としています。
  • パウエル米FRB議長が6月4日の会見で「米経済拡大維持のために適切に行動する」と述べたのがNY株式市場の上昇の起点でしたが、まさにそこから低格付け社債の発行市場では活況を呈したわけです。社債バブルの様相を呈しつつあるように見えます。将来、何がきっかけになるかわかりませんが、景気の風向きが変わり、業績が悪化してくるとこうしたジャンク債市場から値崩れする場合が多く、リスク材料として注意が必要です。

 

 

東京株式市場

 

  • 日経平均株価:21,702.45円(前日比+64.29円)
  • TOPIX:1,589.78ポイント(前日比+10.24ポイント)

 

データを参照したサイト(ダウ30種銘柄の上昇・下落寄与度はこちら↓)

https://nikkei225jp.com/nasdaq/

 

 

(お願い)

海外市場のデータは取得時のものであり、速報値の可能性があります。

閲覧・購読者自身でご確認いただきますようお願いします。

 

以上

 

 

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