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2019年5月31日
【来週は米FRBのイベントと米雇用統計に注目】(5月31日配信)

メルマガ 2019年5月31日(金)

 

おはようございます。

 

【来週は米FRBのイベントと米雇用統計に注目】

 

 

【30日の海外市場】  

 

米10年債利回りは一段と低下、NY株式相場は値ごろ感から押し目買い

 

  • 30日の米金融市場は、債券相場が一段と買われ(金利は低下)ましたが、株式相場には値ごろ感からの押し目買いが入りました。1-3月期の米コアPCEは+1.0%と市場予想の+1.3%よりも弱い結果となったことや、原油先物価格の下落でインフレ懸念がさらに後退し、米長期金利は2.21%(前日は2.26%)まで低下しました。
  • NYダウ平均は3日ぶりに反発し、前日比43ドル(0.17%)高の25,169ドルで終えました。前日までの2日間に450ドルあまり下げたため、押し目買いが優勢でした。マクドナルドやP&Gが1%以上上昇したほか、アップル、マイクロソフト、シスコシテムズなどダウ採用のハイテク関連もしっかりでした。
  • 反面、長期金利低下による利ざや縮小懸念から金融のJPモルガン・チェースが1%の下落、ゴールドマン・サックスも売られました。原油先物相場が2ドル以上下落したことで、シェブロンやエクソンモービルなど石油株も下落しました。
  • アルファベット、フェイスブック、ネットフリックスなど大型IT関連は総じて堅調で、ハイテク株の比率が高いナスダック総合指数は同20ポイント(0.27%)高と反発しました。インテル、クアルコムやブロードコム、ザイリンクスなど半導体関連にも買戻しが入り、上昇する銘柄が目立ちました。フィラデルフィア半導体指数(SOX指数)は前日比0.7%上昇しました。5G関連計測器を手掛けるキーサイトは好決算を受け同11%上昇しました。

 

 

米国金融市場の主な指標

 

金利・為替

  1. 米10年国債利回り:2.21%(前日2.26%)
  2.  ドル円相場:1ドル=109.60-109.61円(前日109.57-109.58円)

 

株式相場

  1. ニューヨークダウ30種平均:25,169.88ドル(前日比+43.47ドル)
  2. ダウの主な上昇寄与:マクドナルド、P&G、オームデポ、ボーイングなど
  3. ダウの主な下落寄与:ベライゾン、シェブロン、ユナイテッド・テクノロジーズなど
  4. S&P500種株価指数:2,788.86ポイント(前日比+5.84ポイント)
  5. S&P業種別上昇セクター:不動産、情報技術、ヘルスケア、資本財など
  6. S&P業種別下落セクター:エネルギー、金融、公益事業など
  7. ナスダック総合株価指数:7,567.72ポイント(前日比+20.41ポイント)
  8. フィラデルフィア半導体指数(SOX指数):1,315.29ポイント(前日1,305.57ポイント)
  9. 米VIX指数(恐怖指数):17.30(前日17.90)

 

商品

  1. ニューヨークWTI原油先物1バレル=56.59ドル(前日比-2.2ドル)
  2. ニューヨーク金先物1トロイオンス=1,292.4ドル(前日比+6.1ドル)

 

 

米国市場に影響したと思われる主な材料

 

米経済の堅調な成長を確認、ただしインフレ率は市場予想を下回る

 

  • 米1-3月の米実質国内総生産(GDP)改定値は、前期比年率3.1%増と速報値の3.2%増から下方修正されたものの、市場予想中央値の3.0%増を上回った。個人消費と輸出が上方修正され、景気拡大が比較的安定した基盤にあることが示唆された。GDPの約7割を占める個人消費は1.3%増と速報値の1.2%増や市場予想の1.2%増を上回った。米経済に対する過度な悲観は後退する可能性がある。
  • 米1-3月期の米コアPCE・改定値は+1.0%で、前回値や市場予想の+1.3%よりも弱い結果となった。

 

 

【今日のポイント】 

 

来週は米FRBのイベントと米雇用統計に注目

 

(1)FRBの「枠組み」会合

 

  • 米FRBは6月4日、金融政策に関する「枠組み」の会合を初めて開催します。2%の物価目標をより柔軟に運用することなどを含む、金融政策の「枠組み」の見直しを検討するものです。
  • 議論が出てきた背景は、第1にFF金利が2.25~2.50%の水準で頭打ち傾向が見られるなか、次の景気後退時に政策金利の十分な引き下げ余地がない、との懸念が高まっていること、第2は、過去最長の10年間に迫る景気回復期間を通じて、コアインフレ率の実績値の平均値が1.6%と、FRBの目標とする2%に届いていないこと、などがあります。
  • 市場では物価水準が低すぎる時期を補うためにインフレ率が2%を上回ることを容認する「平均インフレ目標」の導入(例えば平均インフレ目標2%達成のため1.5%~2.5%のレンジとする等)が検討されるという見方があります。景気循環の中で平均的に2%の物価上昇率を目指す、というものです。
  • この枠組みの下では、景気後退局面には物価上昇率は2%を下回りやすいことから、景気回復局面では2%を超える物価上昇率を目指す、あるいは容認することになります。実現すればFRBが物価上昇のためにより強い金融緩和政策を目指す可能性があり、株式などリスク資産価格に影響を与えます。株式市場関係者が注目しています。

 

 

(2)過度な悲観論を払拭できるか米雇用統計

 

  • 現在、世界的に投資マネーが株式から債券市場に流入する動きが加速しています。特に米長期金利は5月30日に2.21%と約1年8ヵ月ぶりの水準となりました。背景は米国の利下げ期待の高まり、リスク回避の国債買い、より高い利回りを求めるイールドハンティングの動きが加速している、などです。
  • 債券市場への資金流入加速が一巡するには米中貿易協議が進展することや、欧州の政治リスクがマーケットに織り込まれることなどが重要ですが、投資家の不安心理の改善には時間がかかります。ドイツや日本の債券市場で長期国債利回りのマイナス幅が拡大する状況も、両国の経済指標の改善が必要です。
  • もっとも重要な材料は米経済に対する過剰な悲観論の払拭です。確かに最近の米製造業PMIの減速など製造業の活動の鈍化を示す指標が出てきています。中国のファーウェイ問題が改めて大きくクローズアップされたことで、短期的には半導体などハイテク業界への業績への打撃、中長期的にはグローバルなサプライチェーンの見直しといった投資負担が予想されます。
  • しかし、米国は消費などサービス業の比率が経済の7割を占め、製造業は15%程度しかありません。米国の失業率が3.6%と約50年ぶりに低い水準にあるなかで、債券市場が織り込む「利下げ」シナリオの実現は現時点で考えにくいと思われます。投資家の債券買いは悲観心理が先行しやや行き過ぎていると思われます
  • こうした観点から、来週はISM製造業景況指数と米雇用統計の発表が注目されます。ISM製造業景況指数は引き続き減速している可能性はありますが、雇用統計で非農業部門雇用者数や平均時給などが引き続き安定していれば、利下げ期待は幾分後退すると思われます。

 

 

東京株式市場

 

  • 日経平均株価:20,942.53円(前日比-60.84円)
  • TOPIX:1,531.98ポイント(前日比-4.43ポイント)

 

 

データを参照したサイト(ダウ30種銘柄の上昇・下落寄与度はこちら↓)

https://nikkei225jp.com/nasdaq/

 

 

(お願い)

海外市場のデータは取得時のものであり、速報値の可能性があります。

閲覧・購読者自身でご確認いただきますようお願いします。

 

以上

 

 

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