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2019年3月15日
【3月の米FOMCの注目点とマーケット】(3月15日配信)

おはようございます。

 

【3月の米FOMCの注目点とマーケット】

 

 

【14日の海外市場】  14日の米国株は小動き、ダウは前日比7ドル高

 

  • 14日のニューヨークの金融市場は長期金利がやや上昇し、NYダウは前日比7ドル高と小幅に続伸しました。英議会は14日、EU離脱延期を模索する動議を賛成多数で可決、欧州株式市場が堅調に推移したことは投資家心理を後押ししました。半面、米中首脳会談が4月以降に延期されたと伝わり、協議が長引くとの見方はやや相場の重石となりました。ハイテク関連は個人情報の流出問題でフェイスブックが2%近い下落となり、他の大型IT関連にも売りが波及しました。半導体関連も軟調に推移しました。  
  • 債券市場は長期金利が2.63%と前日の2.62%から上昇しました。ドル円相場は111.65円台と前日の111.28円からややドル高・円安となりました。
  • NYダウは前日比7ドル(0.03%)高の25,709ドルと続伸しました。ボーイングが反落したほか、ジョンソンエンドジョンソン、ファイザー、ダウ・デュポン、シェブロンなど医薬品と素材、石油関連が下落しました。半面、アップルやマイクロソフト、シスコシテムズ、JPモルガン・チェースなどがダウを支えました。米モルガン・スタンレーは、低迷していた「iPhone」の中国販売が安定する兆しがあると指摘、アップルは1%超上昇しました。S&P500種は同0.1%安で引けました。S&P500種は前日までの3日間に2.5%上昇していたため、利益確定売りに押されました。
  • 個人情報の流出問題で米検察が捜査しているとの報道が嫌気され、フェイスブックは同1.8%下げました。アルファベットとアマゾン・ドット・コムも小幅に反落しました。ナスダック総合は同12ポイント(0.16%)安で引けました。ナスダック総合は最近、上昇ピッチが早く13日には約5カ月ぶりの高値まで上昇しており、利益確定売りに押されました。インテル、AMD、ザイリンクス、エヌビディアなど半導体関連も安く、フィラデルフィア半導体指数(SOX指数)は同0.57%下落しました。投資家の不安心理を示す米VIX指数は13.5と前日の13.41からやや上昇しました。
  • 1月の米新築住宅販売は(季節調整済み、年率換算)は60万7,000戸と昨年10月以来の水準に減少しました。市場予想(62万5,000戸)を下回りました。住宅価格が高いことに加え、ここ数年は賃金上昇が住宅コストの上昇ペースに追い付いていないことが影響している模様です。
  • 新規失業保険申請件数(9日終了週の季節調整済み)は前週比6,000件増の22万9,000件と、市場予想の22万5,000件をやや上回りました。
  • ドイツのIFO経済研究所は14日、2019年のドイツ経済の成長率見通しを1.1%から0.6%に引き下げました。先週のECB理事会での域内成長率の下方修正に続くもので、中国の景気減速など外需の鈍化を理由に挙げました。
  • 英議会は14日、EU離脱延期を模索する動議を賛成は412、反対は202で可決しました。メイ首相はEUに対して離脱期限を現在設定されている今月29日から6月30日への延期を要請することになります。

 

 

【今日のポイント】 

 

3月の米FOMCの注目点とマーケット

 

  • マーケットが米FRBの金融政策を探るツールの一つであるシカゴCMEのFedWatch(3月13日時点)によると、2019年中に米FF金利(現状2.25~2.50%)が維持される確率は77%と1ヵ月前の89%から大きく低下し、逆に利下げ(2.00~2.25%)の確率が20.5%と1ヵ月前の10.5%から倍増しました。世界的な景況感の悪化を受けた欧米の長期金利の低下や、米2月のインフレ率が市場予想を下回り、米国の金利据え置き確率が低下、逆に利下げ確率が上昇しています。
  • ニューヨーク株式市場ではハイテク関連が多く取り引きされるナスダック総合指数が13日、7,643ポイントまで上昇、2018年10月以来、約5ヵ月ぶりの高値となりました。昨年8月の史上最高値から同12月の安値までの下落幅に対して76%を回復しました。世界的な長期金利の低下により、成長力があれば多少PERが割高でも容認されるという考え方がハイテク株を押し上げています。また、米長期金利が今年1月の過去52週間の最低に接近したことで、利回りを求める投資資金がREIT市場に流入、米国のREIT指数は2月に過去最高値を更新し人気化しています。
  • こうした環境下で3月20~21日に開催される米FOMCに関心が集まっています。注目点はメンバーの政策金利見通しとバランスシート縮小プログラムの詳細な発表があるかどうかです。前回1月のFOMCではドットチャートの中央値が示す、メンバーの平均的な利上げ回数は2回となっており、最近の市場の見方(利上げなし)とは大きく開いています。3月のFOMCではメンバーの政策金利見通し(ドットチャート)が修正されますが、市場ではドットの分布が引き下げられて、従来よりもハト派寄りのメッセージになることを織り込んでいます。
  • また、バランスシート縮小プログラムに関しては、2月の議会証言でパウエル議長が「年内に縮小を停止する」と述べたことから、3月のFOMCで発表される可能性は高いと予想されています。
  • FRBにとって判断が難しいのは、市場の期待との距離感です。仮に今年の利上げ回数の中央値が2回から1回に引き下げられた場合、米国株式市場は好感する可能性が高いものの、市場はFRBのハト派を確信し、さらに緩和の長期化を期待します。そうするともはや次の利上げを織り込ませるのは困難となり、将来の利上げのハードルは極めて高くなります。一方、将来の利上げの可能性を残すためにドットチャートを引き下げなければ、米国株式が反落するリスクもあります。
  • FRBとしては市場参加者の「緩和的な政策への期待」を失望させないように配慮しつつ、「今後の指標によっては利上げの可能性」を残すことができるようにバランスを取る必要があります。最近パウエル議長はドットチャートの公表を継続することに懐疑的な発言をしており、場合によっては今回公表を止める可能性も浮上しています。
  • その場合、バランスシートの縮小を年内に終了すると宣言し、最終的な資産規模の目安を公表すること、またはインフレ率が2%を超えても緩和的な政策を維持できるよう、インフレ目標自体を再考するなどの、新しいメッセージが打ち出される可能性があります。
  • FOMCが近づくまで緩和期待の高まりで米国株が堅調に推移する可能性があります。為替市場では緩和長期化によるドル安・円高の可能性はあるものの、リスクオンとなれが逆に円安が進む可能性も否定できません。FOMC前には一旦ポジションを中立に戻すのも一つの案です。

 

 

3月14日(木)

 

米国金融市場の主な指標

 

  • 米10年国債利回り:2.63%(前日2.62%)
  • ニューヨーク市場ドル円相場:1ドル=111.65-111.66円(前日111.28-111.29円)
  • ニューヨークダウ30種平均:25,709.94ドル(前日比+7.05ドル)
  • ナスダック総合株価指数:7,630.91ポイント(前日比-12.5ポイント)
  • S&P500種株価指数:2,808.48ポイント(前日比-2.4ポイント)
  • 米フィラデルフィア半導体指数(SOX指数):1,353.06イント(前日1,360.77ポイント)
  • 米VIX指数(恐怖指数):13.50(前日13.41)
  • ニューヨークWTI原油先物1バレル=58.61ドル(前日比+0.35ドル)
  • ニューヨーク金先物1トロイオンス=1,295.1ドル(前日比-14.2ドル)

 

 

東京株式市場

 

  • 日経平均株価:21,287.02円(前日-3.22比円)
  • TOPIX:1,588.29ポイント(前日比-3.78ポイント)

 

データを参照したサイト(ダウ30種銘柄の上昇・下落寄与度はこちら↓)

https://nikkei225jp.com/nasdaq/

 

 

 

(お願い)

海外市場のデータは取得時のものであり、速報値の可能性があります。

閲覧・購読者自身でご確認いただきますようお願いします。

 

以上

 

 

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