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2018年12月12日
【米金融市場の悲観論は行き過ぎ】(12月12日配信)

メルマガ 2018年12月12日 

 

おはようございます。

 

【米金融市場の悲観論は行き過ぎ】

 

  • 米国株式市場ではニューヨークダウ平均が大きく乱高下しながら10月に付けた過去最高値から上値を切り下げています。債券市場では先行きの景気後退を示唆すると言われる米2年国債利回りと米5年国債利回りが逆転する逆イールドカーブが先週示現しました。市場で話題になっている米2年国債利回り(2月10日時点、2.729%)と米10年国利回り(同2.858%)の逆転も近いかもしれません。
  • ただし直近のニューヨーク株式市場の下落は、ヘッジファンドなどがクリスマス休暇中にリスクイベントが起きても良いように、株式を売り、安全資産としての米国債を買う(長期金利は低下)など、資金をシフトしている可能性があり、株式、債券市場ともやや過剰な反応となっている部分もあります。
  • 今月の米FOMC(18-19日)で市場の予想通り0.25%の利上げが実施されると思われますが、米FRBの政策金利見通しやFRB議長の記者会見の内容によっては、米長短金利(2年債と10年債利回り)の逆転となる可能性は否定できません。
  • 米長期金利の水準が米景気の実体を反映しているかは疑問があります。米FRBは過去のQE(量的緩和)政策で大量の米国債を抱えていることや、日本やユーロ圏がマイナス金利政策を導入しているため、3%近い利回りがある米国債に日欧から投資資金が向かい(金利低下要因)、米長期金利が本来あるべき水準よりも低く抑えられているという指摘もあります。
  • 米長短金利が逆転してもすぐに景気後退になるわけではありません。米国の2年と10年国債利回りが逆転した過去5回のケースでは景気後退に陥るまでに平均19.8ヵ月のタイムラグがありました。
  • また米コンファレンスボード景気先行指数は現在も堅調に上昇基調にあるが、この指標がピークを付けてから景気後退まで平均12.9ヵ月のタイムラグがあります。同指標は多くのエコノミストが重要視しています。
  • さらにニューヨーク連銀が試算する1年後までの景気後退確率は10月で14.12%と過去の景気後退期入りする前の30-40%と比べて低く、景気後退を示唆しているとは考えにくいと思われます。
  • 2018年の米GDP成長率はトランプ大統領が実現した減税の効果などを背景に第1四半期~第3四半期にかけて前期比年率2.2%→4.2%→3.5%と高い伸び率を続けてきました。アトランタ連銀が算出するGDP成長のモデル「GDPナウ」(公表された指標を反映し日々変化する)によると、2018年の第4四半期の米GDP成長率は同2.4%(12月7日)と前日の同2.7%から下方修正されましたが堅調です。ニューヨーク連銀のGDP成長モデルでは同じく2.4%(同)となっています。米系大手証券は2.5~2.7%と予想しているところが多いようです。過去3四半期よりも鈍化するがむしろ巡航速度に回帰するわけで、インフレリスクを考慮すればむしろ歓迎されると思われます。
  • 今月の米FOMCでFRBが金融市場の安定を払拭するメッセージを発信するかが注目されます。株式投資家の不安心理を示す米VIX指数が20を超えており引き続き不安定な状況ですが、シートベルトをしっかり締めて振り落とされないように注意したいところです。

 

12月11日(火)のニューヨーク金融市場

 

相場のポイント「11日の米国株、ダウ平均は前日比53ドル安、上下に荒い展開」

  • 11日の米株式市場で主要3指数はまちまちの展開。
  • ニューヨークダウは前日比53ドル安の24,370ドル引けた。
  • 米中の貿易交渉が進んでいるとの期待感から市場心理が改善し、朝方は一時368ドル上昇した。ダウ平均は徐々に伸び悩み、午後には200ドルあまりの下げに転じた。
  • ナスダック総合株価指数は続伸し、前日比11ポイント高の7,031で引けた。

 

米長期金利

  • 10年国債利回り:2.88%(前日2.86%)

ニューヨーク為替相場

  • ドル円相場:1ドル=113.38-113.39円(前日113.30-113.31円)

 

米主要株価指数

  • ニューヨークダウ30種平均:24,370ドル(前日比-53ドル)
  • S&P500種株価指数:2,636ポイント(前日比-0.9)
  • ナスダック総合株価指数:7,031ポイント(前日比+11)
  • 米フィラデルフィア半導体指数(SOX指数):1,181ポイント(前日1,174ポイント)
  • 米VIX指数(恐怖指数):21.76(前日22.64)

 

S&P500種株価指数の主な上昇・下落業種

  • 上昇:生活必需品、公益、ヘルスケアなど
  • 下落:金融、資本財サービス、素材

 

ニューヨークダウ30種平均への主な上昇寄与度・下落寄与度銘柄

(ダウ平均変動幅への影響)

上昇寄与:NKE、マイクロソフト、ジョンソンエンドジョンソンなど

下落寄与:ボーイング、トラベラーズ、ゴールドマン・サックスなど

 

国際商品市況

  • ニューヨークWTI原油先物1バレル=51.65ドル(前日比+0.65ドル)
  • ニューヨーク金先物1トロイオンス=1,247ドル(前日比-2ドル)

 

データを参照したサイト(ダウ30種銘柄の上昇・下落寄与度はこちら↓)

https://nikkei225jp.com/nasdaq/

 

マーケットが注目したと思われる材料(出所はメディア報道より)

 

【11月の米中小企業景況感NFIB、3カ月連続低下】

  • 全米自営業者連盟(NFIB)が11日発表した11月の中小企業楽観度指数(1986年=100、季節調整済み)は、前月比2.6ポイント低下の104.8だった。低下は3カ月連続。4月以来、7カ月ぶりの低水準となり、市場予測(107.0程度)も下回った。
  • 指数を構成する10項目のうち8項目が低下し、2項目が横ばいだった。特に「将来の事業環境見通し」「販売予測」「求人状況」の低下が目立った。一方「販売価格を今後引き上げる」との回答は、2008年8月以来10年3カ月ぶりの多さとなる29%に達し、物価上昇圧力の高まりを示唆した。

 

【日銀のETF購入、年6兆円突破 市場の依存強まる】

  • 日銀は11日、インデックス型ETFを703億円買い入れた。今年1月から今月11日までに購入したETFの累計(「インデックス型」と「人材と設備投資に積極的な企業支援」と「J-REIT」の合計)は6兆678億円となり、初めて6兆円を上回った。これまでの年間の最高額は17年の5兆9,033億円だった。

 

【中国:米国製自動車の関税引き下げへ動き、40%から15%に】

  • Bloombergの報道によると、米国製自動車に対する関税を現行の40%から15%に引き下げる案が中国国務院に提出されており、数日以内に検討される。関税の引き下げはまだ確定しておらず、依然として変更の可能性もある。中国の華為技術(ファーウェイ・テクノロジーズ)の孟晩舟最高財務責任者(CFO)逮捕に伴う米中外交上の対立にもかかわらず、両国の通商担当トップは中国時間11日朝に電話協議を行い、少なくとも交渉が継続していることを示唆した。

 


12月11日の東京株式市場

相場のポイント

  • 日経平均は2日続落し、3月28日以来の安値水準
  • TOPIXは10月29日の1,589ポイントを下回り年初来安値を更新
  • 値下がり銘柄数は1,745銘柄の及び全体の約8割を占め、新安値銘柄数は611銘柄

主要な株価指標

  • 日経平均株価:21,148円 (前日比–71円)
  • TOPIX:1,575ポイント(前日比-14)
  • NT倍率(日経平均÷TOPIX):13.42倍(前日13.35倍)
  • 東証1部売買代金:25,012億円
  • 東証1部年初来高値銘柄数6 /年初来安値銘柄数611 
  • 東証1部値上がり銘柄数324 /値下がり銘柄数1,745
  • 東証1部騰落レシオ84.5:(前日86.87)
  • TOPIX33業種

上昇上位:通信、空運、小売、不動産、食料品など

下落上位:石油石炭、鉱業、機械、金属、パルプ紙など

  • 日経平均寄与度(日経平均の変動幅に影響した値幅)

上昇寄与度:ユニー・ファミマ(+28円)、ソフトバンクG(+23円)、ファーストリテイ(+22円)など

下落寄与度:ファナック(‐13円)、ダイキン(‐13円)、東エレク(‐6円)、TDK(-6円)など

 

(お願い)

海外市場のデータは取得時のものであり、速報値の可能性があります。

閲覧・購読者自身でご確認いただきますようお願いします。

 

以上

 

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