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2019年7月23日
【変化が出てきたヘッジファンドのポジション動向】(7月23日配信)
メルマガ 2019年7月23日(火)
おはようございます。
【変化が出てきたヘッジファンドのポジション動向】
【22日の海外市場】
NYダウは小幅に続伸、アナリストの投資判断引き上げを受けアップルや半導体関連が高い
- 22日の米金融市場は、長期金利は2.04%と前週末比ほぼ横ばい、為替は1ドル=107.80円台と小動きで推移しました。アナリストの投資判断の引き上げを受け、アップルやマイクロンテクノロジーズが買われ、他のハイテク関連が総じて堅調に推移しました。
- NYダウ平均は前週末比17ドル高の27,171ドルで引けました。主要企業の決算発表が佳境を迎え、業績に対する期待が株価を支えました。米中貿易協議をめぐり、米国の交渉担当者らが来週にも中国を訪問するとの一部報道を受けてファーウェイへの禁輸規制のさらなる緩和期待も高まり、半導体関連の後押しになりました。
- ハイテク株の比率が高いナスダック総合指数は前週末比57ポイント(0.71%)高と反発しました。アップルやマイクロソフト、アルファベット、アマゾン・ドット・コムなど大型IT関連が総じて堅調に推移しました。投資家の不安心理を示す米VIX指数は13.53と前週末の14.45から低下しました。
- モルガン・スタンレーのアナリストがアップルの目標株価と投資判断を引き上げたことで同社株は前週末比2.2%上昇し、1銘柄でダウ平均を31ドル押し上げました。ゴールドマン・サックスのアナリストが21日付リポートで半導体大手のマイクロン・テクノロジーの投資判断を引き上げ、同社株は前週末比3.6%上昇、また半導体投資の拡大が業績を拡大させるとして半導体製造装置のアプライドマテリアルズ(AMAT)も「中立」から「買い」に引き上げ同社株は同6.1%上昇しました。フィラデルフィア半導体指数(SOX指数)は前週末比1.98%上昇しました。
米国金融市場の主な指標
金利・為替
- 米10年国債利回り:2.04%(前日2.05%)
- ドル円相場:1ドル=107.80-107.90円(前日107.70-107.80円)
株式相場
- ニューヨークダウ30種平均:27,171.90ドル(前日比+17.70ドル)
- ダウの主な上昇寄与:アップル、スリーエム、マイクロソフト、ビザなど
- ダウの主な下落寄与:ボーイング、ジョンソンエンドジョンソン、ホームデポなど
- S&P500種株価指数:2,985.03ポイント(前日比+8.42ポイント)
- S&P業種別上昇セクター:情報技術、エネルギー、金融など
- S&P業種別下落セクター:生活必需品、素材、公益事業など
- ナスダック総合株価指数:8,204.14ポイント(前日比;57.65ポイント)
- フィラデルフィア半導体指数(SOX指数):1,554.09ポイント(前日1,523.91ポイント)
- 米VIX指数(恐怖指数):13.53(前日14.45)
商品
- ニューヨークWTI原油先物1バレル=56.22ドル(前日比+0.59ドル)
- ニューヨーク金先物1トロイオンス=1,426.90ドル(前日比+0.2ドル)
【今日のポイント】
変化が出てきたヘッジファンドのポジション動向
- 米CFTC(商品先物取引委員会)のデータによると、ヘッジファンドの通貨、債券、商品先物のポジションに変化が出ており、最近の為替相場や商品相場の主な変動要因となっています。
(注)ポジションはすべて7月16日時点、買いから売りを差し引いたネットのポジションで▲は売り越しを示す。
- 円ポジション:ヘッジファンドの円先物の売り越しポジションは▲11,380枚(金額ベースでは▲1,422億円)と先週の▲3,651枚(同▲456億円)から増加しました。円のポジションは4月30日に今年最大の▲10万枚(▲1.2兆円)の売り越しを記録したあと、減少に転じ7月2日には▲1,227枚(▲153億円)までわずか、2ヵ月で売り越しが急減しました。円売りの買い戻しが円高要因となり為替市場では4月の1ドル=112円台から一時106円台の円高となった大きな要因です。しかし、足元では再び円売りに傾きつつあります.
- 英ポンドポジション:ヘッジファンドの英ポンド先物の売り越しポジションは▲76,357枚と前週の▲72,982枚からさらに増加しました。増加は5週連続です。先週、英ポンドは1ポンド=134.19円と2016年11月以来、2年8ヵ月ぶりの安値を更新しましたが、今週の英保守党党首選出を前に、ヘッジファンドが売り越しポジションを増やしている格好です。
- 豪ドル:ヘッジファンドの豪ドル先物の売り越しポジションは▲52,576枚と4週連続で縮小しました。最近の売り越しのピーク(5月28日、▲66,393枚)から約2割の減少(豪ドルの買い戻し=豪ドル高要因)で、豪ドル相場の底堅い値動きの背景となっています。年内の利下げをほぼ織り込んだうえに、7月4日に、豪州議会で所得税減税法案が承認されたことや、住宅購入者に対する支援策、国際鉄鉱石価格の上昇などを受け、豪ドル相場の先行きに対する弱気シナリオの修正が起きている模様です。
- 金先物:ヘッジファンドの金先物の買い越しポジションは245,501枚と前週の244,763枚から増加しました。7月2日のピーク(258,946枚の買い越し)に近づいています。金先物は7月18日に1オンス=1,428ドルと過去52週間の高値を更新、2013年4月以来、6年3ヵ月ぶりの高値水準にあり、投機筋の積極的な買い越しが影響している模様です。
- 米債券先物(10年国債相場):ヘッジファンドの米国債先物の売り越しポジションは▲347,222枚と先週の▲288,836枚から拡大しました。6月25日の▲281,099枚からジリジリ増えており、債券先物売りが米長期金利を押し上げています。米長期金利は7月3日の1.94%から7月16日には2.1%に乗せました。7月の米FOMCにおける利下げ幅が一時の0.5%から0.25%になるとの観測が高まっており、ヘッジファンドの売り越しポジションの増加に影響しています。
東京株式市場
- 日経平均株価:21,416.79円(前日比-50.20円)
- TOPIX:1,556.37ポイント(前日比-7.59ポイント)
データを参照したサイト(ダウ30種銘柄の上昇・下落寄与度はこちら↓)
https://nikkei225jp.com/nasdaq/
(お願い)
海外市場のデータは取得時のものであり、速報値の可能性があります。
閲覧・購読者自身でご確認いただきますようお願いします。
以上
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