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2019年6月17日
【今週の日経平均は米FOMCを受けた為替相場の反応がカギを握る】(6月17日配信)

メルマガ 2019年6月17日(月)

 

おはようございます。

 

 

【今週の日経平均は米FOMCを受けた為替相場の反応がカギを握る】

 

【14日の海外市場】  

 

主要株価指数は小幅に反落、半導体関連は大幅安

 

  • 14日の米金融市場は、長期金利が低下(債券価格は上昇)し、NY市場の主要株価指数は小幅に反落しました。長期金利は前日比0.01%低い2.08%で引けました。14日発表の中国の経済指標が低調で世界経済の先行き不透明感が意識され、債券市場に買いが入りました。NY株式市場ではダウ採用銘柄は小幅下落となりましたが、大手半導体のブロードコムの決算を受け半導体関連が大きく下落しフィラデルフィア半導体指数は大幅反落となりました。
  • NYダウ平均は前日比17ドル(0.1%)安の26,089ドルで引けました。中国国家統計局が14日発表した5月の工業生産高や1~5月の固定資産投資が軒並み市場予想を下回ったことで投資家心理が悪化しました。NYダウ平均は下げ幅を一時118ドルまで広げる場面がありました。ただ、米鉱工業生産は市場予想を上回ったほか、4月の小売売上高が上方改定され、5月も回復を示したことで、米景気減速に対する過度な懸念が和らぎ、株式相場は下げ幅を縮小しました。
  • ダウ採用銘柄では、大手化学のダウが前日比3.2%安、工業製品・事務用品のスリーエム(3M)が同1.2%と下落率が大きかった他、アップル、ボーイングが下落するなど中国への収益依存度が高い銘柄を中心に売りが出ました。一方、大手ホームセンターのホームデポや医療保険のユナイテッドヘルス・グループ、マクドナルドなどが上昇しダウ平均を支えました。
  • 米大手半導体のブロードコムの決算を受けた株価下落が半導体関連銘柄に波及しました。同社の2-4月期は売上高が市場予想を下回ったほか、需要の減少や米国の中国ファーウェイへの経済制裁を理由に通期見通しが引き下げられました。同社の株価は前日比最大8.6%下げました(大引けは5.5%安)。
  • ブロードコムは業績下方修正の理由の一つに中国ファーウェイの取引の減少に言及したため、米中貿易戦争の悪化が半導体産業に影響が及び始めたとの見方が広がり、大手半導体関連株が大きく下落しました。前日比の下落率はオン・セミコンダクターが-5.4%、AMDが-3.2%、ザイリンクスが-2.7%、エヌビディアが-2.4%、クアルコムが-1.7%と軒並み大幅下落となり、フィラデルフィア半導体指数(SOX指数)は一時3.2%安と5月20日以来の大幅安となりました。SOX指数構成30銘柄のほとんどが下落し投資家心理に影を落としました。

 

 

米国金融市場の主な指標

 

金利・為替

  1.  米10年国債利回り:2.08%(前日2.09%)
  2.  ドル円相場:1ドル=108.52-108.53円(前日108.35-108.36円)

 

株式相場

  1. ニューヨークダウ30種平均:26,089.61ドル(前日比-17.16ドル)
  2. ダウの主な上昇寄与:ホームデポ、ユナイテッドヘルス・グループ、マクドナルドなど
  3. ダウの主な下落寄与:スリーエム、ダウ、ボーイング、アップル、シスコシステムズなど
  4. S&P500種株価指数:2,886.98ポイント(前日比-4.66ポイント)
  5. S&P業種別上昇セクター:公益事業、コミュニケーション、不動産、金融など
  6. S&P業種別下落セクター:情報技術、エネルギー、素材など
  7. ナスダック総合株価指数:7,796.66ポイント(前日比-40.47ポイント)
  8. フィラデルフィア半導体指数(SOX指数):1,356.55ポイント(前日1,392.94ポイント)
  9. 米VIX指数(恐怖指数):15.28(前日15.82)

 

商品

  1. ニューヨークWTI原油先物1バレル=52.51ドル(前日比0.23ドル)
  2. ニューヨーク金先物1トロイオンス=1,344.5ドル(前日比0.8ドル)

 

 

マーケットが注目したと思われる主な材料

 

  • 5月の米小売売上高は前月比0.5%増。4月の数字は当初発表の0.2%減から逆に0.3%増へと上方改定された。個人消費がペースを取り戻していることを示唆した。
  • 5月の米鉱工業生産指数は製造業部門が0.2%上昇し、今年初めてプラスとなった。市場予想は0.1%上昇だった。金属や航空宇宙機器が減る一方、自動車・同部品が増加し、全体を押し上げた。電力・ガスと鉱業部門を含む全体の鉱工業生産指数は0.4%上昇した。市場予想の同0.2%上昇を上回った。設備稼働率は78.1%と、前月の77.9%から上昇した。
  • 6月のミシガン大消費者信頼感指数は97.9に低下。市場予想の98をやや下回った(前月は100)。現況指数は112.5に上昇、期待指数は88.6に低下。1年先のインフレ期待は2.6%で、前月の2.9%から低下した。長期のインフレ期待は2.2%と、前月の2.6%から低下し、調査開始以来の最低水準となった

 

 

【今週のポイント】 (6月17日-6月21日)

 

今週の日経平均は米FOMCを受けた為替相場の反応がカギを握る

 

  • 今週の東京株式市場は、日経平均(14日の終値21,116円)が21,000円の大台を固めることができるかが試されます。先週はドル円相場が108円台から上値が重く、日経平均は6月12日の21,259円で押し戻されました。今週は米FOMC(18・19日)の声明文やパウエルFRB議長の発言で為替相場がどう反応するかが株式市場の大きなカギを握ると思います。市場では今回のFOMCで政策金利は据え置かれるものの、次回7月のFOMCでの利下げが強く示唆されれば株価の追い風になるとの見方が強いようです。週前半は様子見ムードが強まり、後半に動きが出る可能性があります。
  • 全ての中国製品に制裁関税を課す「第4弾」に関する米USTRの公聴会は17日から 25日まで平日計7日間開き、企業や業界団体から約320人が出席します。家電や衣料品、おもちゃなど幅広い業種の代表者が政府に反対意見を述べる見通しです。一方、翌週28日のG20首脳会議(大阪)で米中首脳会談が開かれるかどうか、今週明らかになる可能性があります。中国側の反応が注目されるところです。
  • 19日からの日銀金融政策決定会合は現状維持が予想されるものの、米利下げの市場の織り込みに行き過ぎ感があり、材料出尽くしで長期金利が反発(債券相場は下落)する可能性があります。債券市場に利益確定売りが出た場合、株式市場では逆に買いの反応が考えられます。
  • 国内の経済指標では訪日外国人観光客数、消費者物価指数などが注目されます。21日は政府が経済財政運営の基本方針(骨太の方針)と成長戦略を閣議決定する予定です。骨太の方針では10月の消費税率10%への引き上げを明記する見通しです。足元の経済は下振れを示す指標が増えており、景気の底割れを防ぐために、7月の参院選前に追加の景気対策を打ち出す可能性がありますが、骨太の方針ではその布石を打つと見られます。今週はソニーやソフトバンクグループ、日立などの株主総会が開催されます。来週がピークとなりますが株価意識が高まる時期であり自社株買いの話題などが株価材料となる可能性があります。
  • 海外の経済指標としては6月米NAHB住宅市場指数、5月住宅着工、5月住宅許可件数、5月中古住宅販売など米住宅市場の指標が相次ぎます。住宅ローン金利の低下で需要に変化がでているか注目されます。週後半は米国やドイツ、ユーロ圏のPMIが発表されます。
  • 日経平均(14日の引け値21,116円)の価格ポイントは以下の通りです。上値はまず13週移動平均線(21,441円)、75日移動平均線(21,445円)、200日移動平均線21,696円です。下値は25日移動平均線(21,029円)、日足基準線(20,936円)、転換線(20,774円)などです。
  • NYダウ平均(14日の引け値26,089ドル)は26,000ドルを超えてから上値が重くなりました。日足一目均衡表の先行スパン(雲)のゾーンに入り、下落中のスパン1に上値を抑えられているように見えます。しかし、このまま横ばいで推移すれば週前半にも先行スパンを抜け出す形になります。抜け出した場合は4月の高値26,656ドルが意識されます。その上は昨年10月の史上最高値26,828ドルです。
  • 一方、下値サポートラインは13週移動平均線(26,004ドル)、75日移動平均線(25,928ドル)、25日移動平均線(25,626ドル)などです。25日線や転換線(25,605ドル)が上向いたため、下値はある程度サポートされると見られます。

 

 

今週の重要イベント

(6月17日-6月21日)

 

17日(月)

  • 米6月ニューヨーク連銀製造業景気指数
  • 米6月NAHB住宅市場指数
  • 【対中追加関税〈第4弾〉→USTR公聴会(~25日)
  • 中国人民銀行、預金準備率引き下げ〈第2弾〉
  • 〈ECB年次フォーラム〉(~19日、ポルトガル)、ドラギECB総裁挨開会挨拶

 

18日(火)

  • 米5月住宅着工件数
  • 米5月建設許可件数
  • 中国新築住宅価格
  • 独ZEW景況指数
  • 【USMCA(新NAFTA)】メキシコ〈上院〉批准承認(または19日、予定)
  • ブラジル金融政策決定会合(~19日)
  • 〈ECB年次フォーラム〉ECB/英中銀総裁、FRB前議長のパネル討論
  • 米大統領選トランプ大統領再選出馬正式表明

 

19日(水)

  • 米FOMC開催(18-19日、政策決定/経済・金利見通し公表/議長記者会見19日)
  • ユーロ圏経常収支
  • 英CPI
  • 日本貿易収支
  • 訪日外客数
  • バーゼル銀行監督委員会(~20日)
  • 〈ECB年次フォーラム〉FRB前副議長パネル討論、ドラギ総裁ECB総裁閉会挨拶

 

20日(木)

  • 米新規失業保険申請件数(6/14)
  • 米1-3月期経常収支
  • 米6月フィラデルフィア連銀景気指数
  • 米5月景気先行指標総合指数
  • EU首脳会議(~21日)

    →英「EU離脱」進捗確認

    →次期EU要職人事内定

  • 英中銀金融政策決定会合
  • 日銀金融政策決定会合、黒田総裁会見
  • 英保守党党首選最終日(二人に絞り込み)

 

21日(金)

  • 米6月製造業PMI(速報値)
  • 米5月中古住宅販売件数
  • 日本の消費者物価指数
  • 米FRB「ストレステスト(健全性審査)」結果公表
  • 米FRB<外銀>新規制案→意見公募期限
  • 英中銀季報(2019Q2)
  • 政府が経済財政運営の基本方針、成長戦略を閣議決定

 

(注)太字は注目されるイベント

(予定であり変更の可能性があります)

 

 

東京株式市場

  • 日経平均株価:21,116.89円(前日比+84.89円)
  • TOPIX:ポイント1,546.71(前日比+5.21ポイント)

 

データを参照したサイト(ダウ30種銘柄の上昇・下落寄与度はこちら↓)

https://nikkei225jp.com/nasdaq/

 

 

(お願い)

海外市場のデータは取得時のものであり、速報値の可能性があります。

閲覧・購読者自身でご確認いただきますようお願いします。

 

以上

 

 

 

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