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2019年4月5日
【回復基調を強める新興国株式と米半導体指数】(4月5日配信)

おはようございます。

 

【回復基調を強める新興国株式と米半導体指数】

 

 

【4日の海外市場】  

 

4日の米国株は、NYダウは大幅続伸、ボーイングがけん引

 

  • 4日の米金融市場は、為替相場は1ドル=111.59円台とややドル高が進み、NYダウ平均は前日比160ドルを超える上昇となりました。米中の貿易協議への期待が継続しているほか、値ごろ感から航空機のボーイングが大幅に上昇しダウを押し上げました。大型IT株は総じて堅調に推移したものの、半導体関連は上昇が一服しました。明日の雇用統計を前に様子見姿勢も高まっています。 
  • NYダウは前日比166ドル(0.64%)高の26,384ドルと続伸しました。ボーイングが同2.8%上昇し、1銘柄でダウ平均を75ドル押し上げました。ほかでは化学大手のダウ(NYダウ上昇寄与度はプラス19ドル)、ウォルト・ディズニー(同15ドル)、スリーエム(同12ドル)、マクドナルド(同10ドル)、ユナイテッドヘルス・グループ(同10ドル)が押し上げました。半面、ジョンソンエンドジョンソンやメルクと言った医薬品株が下落しました。S&P500種は0.21%高とほぼ横ばいでした。
  • 米中の閣僚級の貿易協議が3日から再開しており、4日はトランプ米大統領が中国の劉鶴副首相との会談で首脳会談の日程を議論する可能性があると伝わりました。貿易摩擦の回避への期待が広がり、キャタピラーや航空機・機械のユナイテッド・テクノロジーズなど中国事業の比率が高い銘柄が買われました。
  • 債券市場は長期金利が2.51%と前日の2.52%からやや低下(債券価格は上昇)しました。ドル円相場は111.59円と前日の111.44円からドル高・円安で推移しました。国際商品市場ではWTI原油先物は小幅に下落し1バレル=62.10ドルで引けました。
  • アルファベットは同0.75%上昇、フェイスブックは同1.4%上昇と堅調でしたがアマゾン・ドット・コムは小幅に下落し大型IT関連は高安まちまちでした。ナスダック総合は小幅ながら6営業日ぶりに反落し、前日比3.7ポイント安の7,891で引けました。前日に大きく上昇した半導体株などを中心に利益確定を目的とした売りがでました。フィラデルフィア半導体指数(SOX指数)は同0.12%高い1,465で引けました。投資家の不安心理を示す米VIX指数は13.58と前日の13.74から改善しました。
  • 米クリーブランド地区連銀のメスター総裁は4日、米経済が想定通り推移すれば、「多少」の利上げが必要になる可能性があると述べました。同総裁は、米連邦準備理事会(FRB)の政策金利据え置き姿勢を支持した上で、現時点では金利を変更する必要性は「差し迫っていない」と述べました。一方、米フィラデルフィア地区連銀のハーカー総裁は4日、堅調な米労働市場とFRB目標近辺のインフレ率で推移すれば「最大で」今年1回、来年に1回の利上げを正当化するとの考えを示しました。2人の地区連銀総裁は金融市場の過度なハト派姿勢への期待をけん制した格好です。
  • 米格付け会社ムーディーズは4日、米国経済について、今年、来年とも景気後退(リセッション)入りは予想していないと表明しました。2007-09年当時のような景気後退が起きる可能性は現時点で高まっていないと指摘。2019年については年平均で2.5%成長を見込んでいます(昨年の成長率は2.9%)。金融政策については、足元の景気拡大をできるだけ長期間維持しようとする傾向が強まり、急激な引き締めが景気後退をもたらす可能性は低くなったとコメントしました。ただし、金融状況が大幅に悪化し米経済に悪影響が及ぶようなら利下げになる見通しと指摘しました。
  • 米新規失業保険申請件数(3月30日終了週)は前週比1万件減の20.2万件と、1969年12月以来、49年超ぶりの低水準まで低下しました。市場予想の21.6万件を下回りました。経済成長が鈍化する中でも依然として労働市場が底堅いことを示唆しています。5日の米雇用統計が注目されます。
  • インド中銀は4日、主要政策金利のレポレートを0.25%引き下げ年6.0%としました。景気回復を支援することが狙いです。利下げは市場予想通りでした。インフレが鈍化傾向にあるほか、米金融当局のハト派スタンスも強まっており、今年に入りインド中銀の緩和姿勢は主要新興国の中でも際立っています。利下げを受けインドルピーは小動きで推移し、今週、史上最高値を付けたインド・センセックス指数は材料出尽くしで小幅に下落しました。

 

 

【今日のポイント】 

 

回復基調を強める新興国株式と米半導体指数

 

  • 世界の株式市場で新興国と半導体関連の回復力が強まっています。今週、中国上海総合指数は過去52週(約1年)高値を更新、インド・センセックス指数とフィラデルフィア半導体指数(SOX指数)は史上最高値を更新しました。ブラジル・ボベスパ指数も3月に高値を更新した後、高値圏でもみ合っています。日経平均株価が22,000円台を手前に上値が重い印象がありますが、海外、特に新興国市場では昨年の高値を超える指数が出てきています。
  • 米FRBがハト派姿勢に転換したことで投資家のリスク許容度が高まっていることが最大の要因です。ドル高が抑えられていることで新興国からの資金流出が限定されています。またIMFなど国際機関は2019年、20年の経済見通しで、新興国の経済成長率見通しが先進国を上回る見通しとなる点も支援材料です。
  • これに加えて政策効果による中国の景気底入れ期待、インフレ率の安定による利下げ等景気刺激策の発動、経済改革期待などが投資家の注目を集めています。半導体関連は先行き強気材料を示唆するニュースフローが散見されますが、実際に先行きに回復が予想されるのか、今月の米企業決算で確認する必要があります。
  • 4月3日の上海総合指数は前日比39ポイント(1.2%)上昇し3,216となり、過去52週高値を更新しました。年初来騰落率ではプラス28.9%と主要な株価指数のなかではナスダック総合(プラス18.9%)やイタリアのFTSEMIB指数(プラス18.7%)を引き離して圧倒的な上昇率第1位となっています。2016年以降の高値である2018年1月の高値3,558から同12月の安値2,493まで1,064ポイント(30%)下落した幅の68%を取り戻しました。上昇の背景は中国政府の景気重視の政策転換を受けて最近の経済指標が改善を見せ始めたこと、米中貿易摩擦が解決に向かう期待、MSCIが公表する株価指数のなかで中国A株の比率の引き上げなどが考えられます。
  • 4月2日のインド・センセックス指数は39,056と昨年8月に付けた高値を超えて史上最高値となりました。インドでは債券市場も2月から堅調に推移(利回りは低下)しています。インフレ率の落ち着きやインド準備銀行の金融緩和に向けた動きが市場で好感されています。4~5月に行われる5年に一度の総選挙(開票結果は5月23日)は先行きが不透明ですが、最近になって与党BJBの支持率が上昇してきており、モディ政権続投との見方も株式市場を支えています。
  • 今年、新興国で最も早く新高値を付けたのはブラジルです。ボベスパ指数は3月19日に99,588ポイントと史上最高値を更新しました。取引時間中には一時100,438と大台を超えました。インフレ率が安定しており、実質賃金が消費を支えるほか、利上げ期待の後退が株価を支えています。ブラジルは財政健全化が急務であり、ボルソナロ新政権が年金改革法案成立を最優先政策に掲げ、成立を目指している点も評価されています。
  • 投資家が注目するSOX指数は4月3日、史上最高値を更新しました。米中政策交渉への合意期待に加え半導体受託生産で世界最大手のTSMC(台湾セミコンダクター)がスマホの新機種に使われる半導体生産を加速していると伝わりました。SOX指数は半導体の設計・製造・流通・販売を手掛ける30の企業の株式で構成され、半導体関連株の推移を示す代表的な指数として知られています。次世代通信規格5Gのサービスも始まることから、半導体関連を取り巻く悲観論も後退しています。この動きが単なる期待先行なのか、それとも昨年来の在庫調整が終了し、新しい成長ステージに入っていくのかの見極めが重要です。今月から始まる米半導体関連企業の決算発表が注目されます。

 

 

4月4日(木)

 

米国金融市場の主な指標

 

  • 米10年国債利回り:2.51%(前日2.52%)
  • ニューヨーク市場ドル円相場:1ドル=111.59-111.60円(前日111.44-111.45円)
  • ニューヨークダウ30種平均:26,384.63ドル(前日比+166.50ドル)
  • ナスダック総合株価指数:7,891.79ポイント(前日比-3.77ポイント)
  • S&P500種株価指数:2,879.39ポイント(前日比+5.99ポイント)
  • フィラデルフィア半導体指数(SOX指数):1,465.89ポイント(前日1,464.19ポイント)
  • 米VIX指数(恐怖指数):13.58(前日13.74)
  • ニューヨークWTI原油先物1バレル=62.10ドル(前日比-0.36ドル)
  • ニューヨーク金先物1トロイオンス=1,294.3ドル(前日比-1.0ドル)

 

 

東京株式市場

 

  • 日経平均株価:21,724.95円(前日比+11.74円)
  • TOPIX:1,620.05ポイント(前日比-1.72ポイント)

 

データを参照したサイト(ダウ30種銘柄の上昇・下落寄与度はこちら↓)

https://nikkei225jp.com/nasdaq/

 

 

(お願い)

海外市場のデータは取得時のものであり、速報値の可能性があります。

閲覧・購読者自身でご確認いただきますようお願いします。

 

以上

 

 

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