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2019年3月25日
【22日の米国株急落の原因となったグローバルな景気動向を確認する週】(3月25日配信)

おはようございます。

 

【22日の米国株急落の原因となったグローバルな景気動向を確認する週】

 

 

【22日の海外市場】  

 

22日の米金融市場はリスクオフの展開で、ダウは460ドル安と大幅反落

 

  • 22日の米金融市場は、NYダウが前日比460ドル安と急反落、米債券相場は急騰(長期金利が大幅に低下)、極端なリスクオフの流れとなりました。ダウの下落幅は1月3日以来の大きさとなりました。マークイットが発表した米国とドイツの製造業の景況感を表す指標が市場予想を下回り世界経済の先行きに警戒感が強まりました。米主要株価指数は年初来、順調に回復していたため利益確定売りのきっかけとなりました。
  • 米債券市場では長期金利が一段と低下し、米10年物国債利回りが米3ヵ月物国債利回りを下回る「長短逆転(逆イールド)」が発生しました。逆イールドは2007年以来、約12年ぶりです。景気の先行きを警戒して、将来の利下げ期待が強まり発生する逆イールドは、経験則では景気後退の前兆とされる現象だけに運用リスクを避ける空気が強まり、株式を売る動きが強まりました。ただし、米2年国債利回りと10年債利回りは順イールドを維持しています。米長期金利低下を受けてドルは下落し、ニューヨーク外国為替市場では円買い・ドル売りが膨らみました。ドル円相場は一時1ドル=109.75円と前日終値から1円ほど上昇し、約1カ月ぶりの円高・ドル安水準をつけました。
  • マークイットが発表した3月の米製造業PMI(速報値)は52.5と、2017年6月以来約2年ぶりの水準に落ち込んだほか、サービス業PMIも54.8に低下し、ともに市場予想を下回りました。しかし、好不況の境目の「50」は上回っています。PMIの統計を受け米10年債利回りは一時2.418%と2018年1月以来の水準に低下。米2年債との利回り格差は95ベーシスポイント(bp)と3カ月ぶりの水準に縮小しました。
  • 欧州で発表された指標も弱さが目立ちました。3月のドイツの製造業PMI(速報値)は44.7と、判断の分かれ目となる50を3ヵ月連続で割り込み、2012年8月以来の低水準にとどまりました。これを受け独10年債券利回りは2016年10月以来のマイナスとなりました。フランスの製造業PMIは49.8、サービス業PMIも48.7とともに50を割り込みました。
  • NYダウは前日比460ドル(1.77%)安の25,502ドルと急落しました。下げ幅は1月3日(660ドル)に次ぐ今年2番目の大きさとなりました。S&P500種は同-1.9%安で引けました。長期金利の低下でJPモルガン・チェース、ゴールドマン・サックス、アメリカン・エキスプレスといった金融株が同2~3%と大幅下落、ボーイング、キャタピラー、ダウ・デュポンなど景気敏感が幅広く売られました。アップルやマイクロソフトなどハイテク関連も売られました。逆にマクドナルド、ベライゾンコミュニケーション、コカ・コーラなどディフェンシブが買われました。
  • ナスダック総合は同196ポイント(2.5%)安の7,642で引けました。前日比の下落率はNYダウを上回りました。ハイテク関連ではAMDは同5%安、ザイリンクス同2.3%安、マイクロン・テクノロジー同5.3%安、ブロードコム同1.4%安など最近上昇していた半導体関連が大幅反落となり、フィラデルフィア半導体指数(SOX指数)は同2.8%安で引けました。投資家の不安心理を示す米VIX指数は16.48と前日の13.63から上昇しました。半導体関連は最近の決算発表で年後半から需要が回復する見通しが示され、先行きに楽観姿勢が高まっていたため、投資家が利益確定売りを急いだ格好です。
  • 国際商品市場ではWTI原油先物は同0.94ドル安の1バレル=59.04ドルで引けました。NY金先物価格は同5ポイント高い1トロイオンス=1,312ドルで引けました。
  • 米国の設備リース・金融協会(ELFA)は、2月の米企業設備投資向け新規与信(ローン、リース、借入枠)が59億ドルと、前年同月の77億ドルから24%減少したと発表しました。前月比では18%減少となりました。世界経済の先行き不透明感の高まりを受けて米企業は設備投資を先送りしている可能性があります。

 

 

【今週のポイント】 

 

22日の米国株急落の原因となったグローバルな景気動向を確認する週

 

  • 先週の日経平均は、上値が重い状況が続きましたが、25日移動平均線にサポートされて、比較的底堅い相場展開となりました。ただし、米FOMCを前に売買が手控えられ様子見姿勢の強い展開でした。年度末を控え市場の売買高も低水準で推移しました。
  • 今週の日経平均は、週初は前週末の米国株の急落を織り込むため、大幅下落でスタートすると思われます。22日のシカゴの日経平均先物は21,000円台を割り込んでいるため、25日の東京市場では22日の東証の大引けの値(21,627円)から一時的に600円以上、下落する可能性があります。
  • ただし、3月配当取りの買いと日銀のETF買いが予想されるため、先回りの押し目買いが入ると予想され、売り一巡後は切り返すと予想されます。米国株式市場の状況にもよりますが、27日の3月期決算の配当落ち(約175円程度)とそれを前後とした機関投資家の配当再投資買いが想定され、週後半にかけて相場は持ち直す可能性があります。
  • 米国株の急落を受けた週初の株価急落が予想されるため、これまで強い下値支持線だった25日移動平均線(21,439円、以下22日現在)、基準線(21,356円)、転換線(21,325円)が一気にブレイクされると思われます。下値サポートは先行スパン(いわゆる雲)の20,823円~20,722円の水準と思われます。なお、この水準には週足の13週移動平均線(20,810円)も走っています。
  • 一方、日経平均は今回の回復過程でも200日移動平均線(21,966円≒22,000円)を上抜けず再び反落となりそうです。200日線は中長期トレンドを示す非常に重要な線ですが、強い上値抵抗ラインとして意識されます。この水準を超えられないと株式相場の先高期待が高まらないので、徐々に上値の重さが意識され投資家心理に影響します。
  • NYダウのテクニカルポイントを確認します。22日の急落(NYダウの引け値25,502ドル)で25日移動平均線(25,815ドル)、転換線(25,805ドル)、基準線(25,724ドル)もブレイクされました。次のポイントは3月11日に付けた安値25,208ドルが最も重要なサポートポイント、その次が200日移動平均線の25,180ドルです。特に3月11日の安値を大きく下回ると2月25日(26,241ドル)と3月19日(26,109ドル)の日足ダブルトップが確定してしまい、先行きに警戒しなければなりません。
  • 先週末、米国株が急落したのはマークイットが集計する3月製造業PMIの発表がきっかけでした。ドイツは境目の50を引き続き割り込んでいるものの、米国は50を超えています。この指標だけで景気の先行きを判定できるわけではなく、ややマーケットが過剰に反応した可能性もあります。引き続きグローバル経済の動向を確認する必要があります。
  • その意味で、今週は米国で住宅関連指標や個人消費支出、消費者信頼感指数の発表、FRB理事や副議長の講演などが予定されており注目されます。米国以外では、ドラギECB総裁の講演や中国のPMI(31日)に発表される予定です。米中閣僚級貿易協議が28-29日と開催されます。

 

 

今週の重要イベント

(3月25日-3月29日)

 

25日 (月)

・欧州議会本会議

・独ifo景況感指数

・シカゴ連銀活動指数

・アップルが記者会見

 

26日(火)

・米2月の住宅着工件数、建設許可件数

・米1月のFHFA住宅価格指数

・米1月S&PコアロジックCS住宅価格指数(主要20都市)

・米3月の消費者信頼感指数

・米下院、非常事態宣言無効化「拒否権」対抗で採決

・仏・独・EU・中国首脳4者会談(パリ)

・日銀金融政策決定会合の主な意見(3月14-15日分)

・2月の企業向けサービス価格指数(日銀)

 

27日(水)

・米1月貿易収支

・米10-12月期経常収支

・ドラギECB総裁の講演(フランクフルト) 

・3月期末配当落ち日

 

28日(木)

・米10-12月期実質GDP(確報値) 

・米中閣僚級貿易協議(~29日、北京)

・ウイリアムズNY連銀総裁が討論会参加(~29日)

・ボウマンFRB理事が講演

・クオールズFRB理事が講演

・クラリダFRB副議長が講演

・2月の建設機械出荷額

・メキシコ中銀が金融政策発表

・米10-12月の企業利益

 

29日(金)

・米1月個人支出、個人所得

・米1月のPCEコア

・米3月のシカゴ購買部協会景気指数

・米3月のミシガン大学消費者信頼感指数(確報値)

・米2月の新築住宅販売件数

・米クオールズFRB副議長講演(NY)

・英国「EU離脱」当初予定日→4月12日まで延期

・日本の2月景気統計:鉱工業生産指数、完全失業率、有効求人倍率

 

30日(土)

・中国製造業PMI

・トルコ統一地方選

 

(注)太字は注目されるイベント

(予定であり変更の可能性があります)

 

 

3月22日(金)

 

米国金融市場の主な指標

  • 米10年国債利回り:2.44%(前日2.53%)
  • ニューヨーク市場ドル円相場:1ドル=109.91-109.92円(前日110.79-110.80円)
  • ニューヨークダウ30種平均:25,502.32ドル(前日比-460.19ドル)
  • ナスダック総合株価指数:7,642.67ポイント(前日比-196.29ポイント)
  • S&P500種株価指数:2,800.71ポイント(前日比-54.17ポイント)
  • 米フィラデルフィア半導体指数(SOX指数):1,400.37ポイント(前日1441.83ポイント)
  • 米VIX指数(恐怖指数):16.48(前日13.63)
  • ニューヨークWTI原油先物1バレル=59.04ドル(前日比-0.94ドル)
  • ニューヨーク金先物1トロイオンス=1,312.30ドル(前日比+5.0ドル)

 

 

東京株式市場

 

  • 日経平均株価:21,627.34円(前日比+18.42円)
  • TOPIX:1,617.11ポイント(前日比+2.72ポイント)

 

データを参照したサイト(ダウ30種銘柄の上昇・下落寄与度はこちら↓)

https://nikkei225jp.com/nasdaq/

 

 

 

(お願い)

海外市場のデータは取得時のものであり、速報値の可能性があります。

閲覧・購読者自身でご確認いただきますようお願いします。

 

以上

 

 

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