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2019年3月13日
【2月の工作機械受注の大幅減は陰の極となるか】(3月13日配信)
おはようございます。
【2月の工作機械受注の大幅減は陰の極となるか】
【日経平均は海外市場の追い風を受け短期的な節目を突破】
【12日の海外市場】
12日の米国株は、主要指数はまちまち、ボーイングが大幅続落しNYダウは前日比反落
- 12日の米金融市場は長期金利が低下し、主要株価指数はまちまちの展開となりました。NYダウは航空機のボーイングの大幅続落で反落したものの、ナスダック総合とS&P500種は続伸となりました。2月の米消費者物価指数(CPI)の伸び悩みなどを受けて、米FRBの利上げ停止観測が米国株の買い安心感につながり、相場の下値は限られました。為替相場は1ドル=111円台で小動き。半導体関連や大型IT株も比較的堅調に推移しています。
- NYダウは前日比96ドル(0.38%)安の25,554ドルで引けました。S&P500種は0.3%高で引けました。ボーイングは12日も前日比6.1%の大幅続落となり、1銘柄でNYダウを166ドル押し下げました。エチオピアでボーイング機「737MAX」が墜落した事故に関して、欧州航空安全機関(EASA)は12日、同型機の運航を欧州全域で停止すると発表したことなどが嫌気されました。一方、アップルやユナイテッドヘルス・グループ、ホームデポ、ビザ、アメリカン・エキスプレスなどが上昇し、ダウを支えました。
- 2月の米消費者物価指数(CPI)は前年同月比1.5%上昇と伸び率は前月(同1.6%上昇)から縮小し、2年5カ月ぶりの低さとなりました。変動の大きい食品とエネルギーを除いたコアCPIは前月比0.1%上昇し、18年8月以来の小幅な伸びとなりました。前年同月比は2.1%上昇しました。物価が安定していることから米FRBが利上げには慎重になるとの見方から株式買いにつながりました。
- 債券市場は米長期金利が2.60%と前日の2.64%から低下(債券価格は上昇)しました。一時2.59%と1月4日以来の低水準となりました。日米金利差縮小の思惑からドル円相場は111.34円台で取引を終えました。
- ハイテク株比率が高いナスダック総合指数は続伸し、前日比32ポイント(0.44%)高の7,591で引けました。アルファベット(グーグル)やアップル、マイクロソフトなど主力株が上昇した。AMDやマイクロン・テクノロジー、エヌビディアなど大手半導体もしっかりでフィラデルフィア半導体指数(SOX指数)は0.39%高く引けました。投資家の不安心理を示す米VIX指数は13.77と前日の14.33から低下、投資家心理は引き続き安定しています。
- 米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表は12日、議会上院の公聴会で米中貿易協議について「合意に向けた最後の数週間(の段階)にあることを望む」と述べ、近いうちの交渉決着に意欲を表しました。11日に中国の劉鶴副首相と電話で協議し、13日も再び話し合う予定です。引き続きマーケットは交渉の行方を注視しています。
- 英議会下院は12日、欧州連合(EU)からの離脱協定案を再び大差で否決し、ニューヨーク外国為替市場では英通貨ポンドが乱高下しました。メイ首相は否決を受けて13日に「合意なき離脱」の是非、14日に離脱延期の是非をそれぞれ議会で採決することを確認しました。今週は一つのヤマ場を迎えています。
【今日のポイント】
2月の工作機械受注の大幅減は陰の極となるか
- 2019年2月の工作機械受注は1,097億円と前年同月比29.3%減とリーマンショック後の2009年以来の低水準に落ち込みました。内需は417億円(同28.4%減)、外需は681億円(同29.8%減)となりました。2017年1月以来初めて工作機械受注が1,100億円を割り込みました。春節休暇の影響もありますが、ポイントは陰の極となったかどうかにあります。
- 内需は1月に続き受注額が500億円を割り込みました。中国の景気悪化懸念で設備投資に様子見ムードが広がっています。一方、外需は中国需要の減少で、理由はスマホの生産調整と思われます。中国とアジア向けの電機・精密向けの受注は、2018年2月は129億円でしたが、2018年9月以降は約50億円前後で推移しています。一方、電機・精密向けを除いた中国の受注は2018年11月に底打ちしています。
- このトレンドが継続しているか、次回地域別データが発表される3月20日以降発表の確報値が注目されます。工作機械受注のこれまでのパターンは前年同月比伸び率で20%台後半のマイナス幅が一つの底入れ水準となっていました。そして工作機械関連銘柄の底入れが2~3ヵ月先行する傾向がみられました。2月の中国製造業PMIでは新規受注が改善しており、今後は中国で景気刺激策の効果がでてくる可能性もあり、受注の底打ちを探る展開となります。アナリストは工作機械受注全体では2019年上半期(1-6月)にかけて前年同月比伸び率のボトムを形成すると予想する向きが多いようです。
- 12日の東京株式市場ではファナック、アマダHD、オークマ、住友重機など機械関連株は軒並み値上がりしました。こうした銘柄群の株価は2018年12月(ファナックは1月)に昨年来安値を付けており、2~3月の工作機械受注が相当悪いことをすでに織り込んでいました。
日経平均は海外市場の追い風を受け短期的な節目を突破
- 12日の日経平均は前日比378円高い21,503円で引けました。11日(月)の取引で全体の売り圧力に対して粘り腰をみせたあと、本日の大幅上昇で上値抵抗線と意識された25日移動平均線を寄り付きから上回り、終値で21,500円台を回復しました。また日足の一目均衡表の転換線(21,399円)、7日と8日に空けた窓埋めの水準(21,402円)など節目を超えてきました。短期的な節目を超えてきたので、次の節目は3月4日の高値21,860円となりそうです。
- 12日のシカゴの日経平均先物6月物は21,230円と前日比90円高で引けました。12日の大証の終値を100円ほど下回っています。本日の東京市場は昨日の大幅高の利益確定売りが先行しそうです。売り一巡後はもみ合いとなりそうです。
3月12日(火)
米国金融市場の主な指標
- 米10年国債利回り2.60%(前日2.64%)
- ニューヨーク市場ドル円相場:1ドル=111.34-111.35円(前日111.32-111.33円)
- ニューヨークダウ30種平均:25,554.66ドル(前日比-96.22ドル)
- ナスダック総合株価指数:7,591.03ポイント(前日比+32.97ポイント)
- S&P500種株価指数:2,791.52ポイント(前日比+8.22ポイント)
- 米フィラデルフィア半導体指数(SOX指数):1,355.12ポイント(前日1,349.88ポイント)
- 米VIX指数(恐怖指数):13.77(前日14.33)
- ニューヨークWTI原油先物1バレル=56.87ドル(前日比+0.08ドル)
- ニューヨーク金先物1トロイオンス=1,298.1ドル(前日比+7.0ドル)
東京株式市場
- 日経平均株価:21,503.69円(前日比+378.60円)
- TOPIX:1,605.48ポイント(前日比+24.04ポイント)
データを参照したサイト(ダウ30種銘柄の上昇・下落寄与度はこちら↓)
https://nikkei225jp.com/nasdaq/
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- 海外市場のデータは取得時のものであり、速報値の可能性があります。
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