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2019年2月13日
【日本株は景気敏感株主導で買い戻し、今期業績への過度な不安感は後退、TOPIXの一目均衡表が先行き上昇を示唆】(2月13日配信)
おはようございます。
【日本株は景気敏感株主導で買い戻し、今期業績への過度な不安感は後退、TOPIXの一目均衡表が先行き上昇を示唆】
【ニューヨーク市場】 12日の米国株は大幅上昇、中国関連やハイテク株がけん引
- 12日のニューヨークの金融市場は長期金利が上昇(国債相場は下落)し、株価は大幅上昇となるなど、リスクオンの流れが続きました。投資家のリスク選考姿勢が高まり債券から株式への資金シフトが続きました。ドイツDAXが1%高となるなど欧州株高も追い風となりました。ハイテク関連も高く、半導体関連や大型IT株も堅調でリスクを取る動きが続いています。
- NYダウは前日比372ドル高い25,425ドルで引けました。与野党が米連邦政府の新たな予算案で11日夜に基本合意し、政府機関の閉鎖が回避できるとの観測が強まりました。米中貿易協議が前進しているとの見方も広がり、投資家心理が改善しています。債券市場では米長期金利が2.69%と前日の2.65%から上昇、為替相場は110.46円台と前日比やや円安・ドル高で取引されました。
- ダウ採用銘柄ではボーイング、スリーエム、キャタピラーなど中国関連や、ユナイテッド・ヘルス・グループ、ゴールドマン・サックスなどの上昇が目立ちます。
- 投資家の不安心理を示す米VIX指数は15.43と前日の15.97からさらに改善しました。アルファベットは同2.4%上昇、アマゾン・ドット・コムは3%近い上昇、インテルも2.5%上昇しました。ナスダック総合は同1.4%上昇し、フィラデルフィア半導体指数(SOX指数)は同2.2%高と続伸しました。
- 米労働省が12日発表した2018年12月の雇用動態調査(JOLTS)によると、非農業部門の求人数(季節調整済み、速報値)は前月から16万9,000件増の733万5,000件となり、4カ月ぶりに過去最高を更新した。求人率は4.7%で前月から0.1ポイント上昇しました。米労働市場は改善傾向が続いています。
- 一方、中小企業の業界団体、全米独立事業者協会(NFIB)が発表した1月の中小企業楽観度指数は3.2ポイント低下の101.2と、2016年11月以来の低水準となりました。政府機関の一部閉鎖が今回の統計の期間と重なったことが影響した模様で、景気見通しに対する先行き不透明感の高まりを反映しているとみられます。米経済指標は強弱入り混じっています。
【今日のポイント】
1.12日の東京株式市場は景気敏感株主導で買戻し
- 12日の東京株式市場は大幅高となりました。日経平均は前週末比531円高と金曜日の下げ幅(418円安)を一気に埋め戻しました。米議会が新たな予算案で合意したと米国のメディアが報道したことや、為替のドル高・円安を受け投資家心理が改善しました。
- 東証33業種では機械や電気機器といった代表的な景気敏感株が上位を占めました。日経平均採用銘柄ではファナックや東京エレク、TDKなどハイテク株や、ファーストリテイ、ソフトバンクGなど株価指数先物と現物指数との裁定取引で利用される値がさ株が大きく上昇し、日経平均寄与度上位5銘柄で日経平均を153円押し上げています。
- 注目されるのは最近の売買代金が増加基調にあることです。12日も2兆7,657億円と過去25日間の平均値である約2兆2,000億円を上回っています。売り物をしっかりこなしながら上昇しているわけで上昇への信頼感が感じられます。
- 12日の株価上昇の材料は、米国の議会で与野党が新たな予算案で基本合意したという報道です。米メディアによると、与野党が11日に基本合意した新予算案では13億7,500万ドル(約1,500億円)を投じて55マイル(約90キロメートル)のフェンスを国境沿いに新設するというもの。12日の米国での報道ではトランプ大統領は満足していないと述べつつ、12日中に会合を開き妥結の内容について検討する考えを示した模様です。予算期限を迎える15日までに政府機関の一部閉鎖を避けられるか注目されます。NY市場は政府機関閉鎖の回避を先取りしている反応です。
2.今期業績への過度な不安感は後退
- 先週までに決算が公表された日経平均採用銘柄の2018年10-12月期の利上高は前年同期比5.4%増、1株当たり利益(EPS)は同23.4%減となりました。前年同期に稼いだ中国のスマホ関連や半導体設備投資関連が今四半期は大幅減となっており、関連銘柄は売り上げ低迷と採算悪化で厳しい決算となりました。
- またEPSは従来予想と比べて下方修正となった企業の構成比が上方修正となった企業の構成比を3%ポイント上回っています。ただし、EPS予想は2018年度が前年度比+0.9%、2019年度が同+9.7%となり、市場が織り込んでいた見通しよりも軽微で済んでいる印象です。18年10-12月期決算を受けて今期業績への過度な警戒感は後退したと考えられます。
3.TOPIXの一目均衡表が先行き上昇を示唆
- 12日の東京株式市場では日経平均が前週末比531円高の20,861円と大きく上昇しました。25日移動平均線(20,581円)や転換線(20,648円)を上回っています。
- 先週末の株価急落で一目均衡表(日足)の先行スパン(雲)の上抜けに失敗しましたが、本日の値動き次第では先行スパンを抜け出す可能性が出てきました。先行スパンは12日時点で20,953円、13日は20,910円に低下します。これを超えるかにかかります。株価はチャートの形が変わると一夜にして投資家が先行きの見方を変えます。従って日々の値動きでチャートの形がどう変わるかに注目する必要があります。
- 一方、12日のTOPIXは前週末比33ポイント高い1,572で引けました。25日移動平均線(1,552)、転換線(1,564)も超え、先行スパン(1,563)を超えて引けました。雲を抜け出したわけで、TOPIXは日経平均よりも良い形を示しています。先行き上昇基調を維持することを示唆しています。
2月12日(火)
米国金融市場の主な指標
- 米10年国債利回り:2.69%(前日2.65%)
- ニューヨーク市場ドル円相場:1ドル=110.46-110.47円(前日110.35-110.36円)
- ニューヨークダウ30種平均:25,425ドル(前日比+372ドル)
- ナスダック総合株価指数:7,414ポイント(前日比+106ポイント)
- S&P500種株価指数:2,744ポイント(前日比+34ポイント)
- 米フィラデルフィア半導体指数(SOX指数):1,336ポイント(前日1,308ポイント)
- 米VIX指数(恐怖指数):15.43(前日15.97)
- ニューヨークWTI原油先物1バレル=53.10ドル(前日比+0.69ドル)
- ニューヨーク金先物1トロイオンス=1,314.0ドル(前日比+2.1ドル)
東京株式市場
- 日経平均株価:20,864円(前日比+531円)
- TOPIX:1,572ポイント(前日比+33ポイント)
データを参照したサイト(ダウ30種銘柄の上昇・下落寄与度はこちら↓)
https://nikkei225jp.com/nasdaq/
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