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おはようございます。
「米10-12月期GDP、米雇用統計、米FOMC、米IT系の決算発表など重要イベント目白押し」
【ニューヨーク市場】 NYダウは5週連続上昇
- 25日の米株式市場は続伸、NYダウ工業株30種平均は前日比183ドル高で引けました。ダウ平均は一時300ドル高まで上昇しました。週間では5週連続上昇となりました。ダウ採用銘柄ではボーイング(上昇寄与+40ドル)、アップル(同+34ドル)、キャタピラー(同+28ドル)など中国関連の上昇が目立ちます。
- 米議会で与野党が2月15日までの暫定予算案で合意し、政府機関の一部閉鎖が一旦解除されることが好感されました。米ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)は25日、米FRBが保有資産縮小の終了を議論していると報じられたことも市場の楽観姿勢を強めました。ドルが他通貨に対して下落したことから、ドルの代替通貨とされる金先物は上昇しました。中国政府の代表が週明けにワシントンを訪れ、米中通商協議に向けた準備作業を行うとの観測を受けて、アジアなど新興国市場も堅調だったことも追い風となりました。
- 投資家の不安心理を示す米VIX指数は17.42と前日の18.89から一段と改善しました。アルファベットやフェイスブック、アマゾン・ドット・コムなど大型IT株は1~2%の上昇となりました。ハイテク株が多く取引されるナスダック総合は同1.2%高とNYダウの同0.8%高を上回る上昇です。フィラデルフィア半導体指数(SOX指数)は同2.2%高い1,281で引けました。ハイテク全般に戻り歩調を強めています。
- 投資家のリスク回避姿勢が後退したことで米長期金利は2.76%と前日比上昇(相場は下落)しました。米株高で資金が債券から株式にシフトしました。
- 経済指標ではドイツのIfo経済研究所が集計した1月の独企業景況感指数は99.1と前月の101.0から低下、2016年2月以来の水準に低下しました。前月比低下は5カ月連続となりました。ただし、ドイツの株価指数DAX指数は前日比1.3%も上昇しており、先行きの底入れ・回復を読み始めています。ユーロ圏経済の機関車役であるドイツは昨年下半期の減速から立ち直れるのか、注目されます。
【今週の注目ポイント】
- 今週の日米株式市場は先週の地合いを引き継ぎ、戻りを試す展開が予想されます。しかし、大変注目されるイベントが集中する週でもあり材料によっては株価のボラティリティが上昇する可能性があります。日米では主力級企業の決算発表が本格化し、内容次第で個別銘柄の値動きが大きくなる可能性があります。米中間の制裁関税の影響や中国経済減速の影響、世界のスマホの生産が電子部品需要に与える影響などがある程度読めるはずです。すでに株価はかなり悲観的なシナリオを織り込んでおり、「やはり悪かった」程度では材料織り込み済みとなり、反発が予想されます。
- 29日はいよいよ英国のEU離脱修正案の採決があるうえ、30日からは米中閣僚級協議が始まります。結果次第で市場は大きく振れる可能性があります。また米10-12月期実質GDPや米FOMC(29-30日)、週末には米雇用統計も控え、米利上げ停止や景気動向を再確認する局面となります。
- 米FOMCは今年からパウエルFRB議長の記者会見が毎回開催されることに変更されました。1月4日のハト派姿勢の講演に続き、今回、バランスシートの縮小に言及するようであれば、株式市場は米景気の先行きに自信を持ち始め、先高期待が高まる可能性もあります。その際、為替市場でドル安(円高)の反応となる場合、日本の株式市場の上値を抑える可能性があります。もっとも、ハイテク株中心に米国株式が上昇するようであれば、リスクオンの反応から円高が限定的となる可能性もあります。
- 企業決算では中国での需要動向をみるうえでキャタピラーやアップル、ボーイングの動向が注目されます。ハイテク系ではフェイスブック、アマゾン・ドット・コム、マイクロソフトが決算発表を受けた株価の反応が注目されます。
今週の重要イベント
(1月28~2月1日)
28日:米シカゴ連銀活動指数
29日:米トランプ大統領「一般教書演説」(予定)
同 :英国議会EU離脱修正案採決
30日:米10-12月期実質GDP速報値
同 :米FOMC(29-30日、パウエル議長記者会見は30日)
同 :米中閣僚級貿易協議(~31日)
31日:米個人消費支出
2月1日
:米1月雇用統計
:米1月ISM製造業景況指数
:1月ミシガン大学消費者信頼感指数
(予定は変更される可能性があります)
企業決算(主要企業のみ)
28日:キャタピラー、JSR、航空電子、オリックス
29日:アップル、スリーエム、イーベイ、ファイザー、信越化、アルプスアル、大和證、
30日:マイクロソフト、フェイスブック、クアルコム、ボーイング、テスラ、ビザ、アリババ、日立建機、オムロン、NEC、TDK、アンリツ、アドバンテ、キャノン、ディスコ
31日:アマゾン・ドット・コム、ゼネラル・エレクトリック、コマツ、ファナック、村田製、東京エレク、日東電、任天堂、
2月1日:メルク、シェブロン、エクソンモービル、デンソー、HOYA、ソニー、ローム、京セラ、キーエンス、アイシン精
(予定は変更される可能性があります)
1月22日(金)
ニューヨーク市場の主な指標
- 米10年国債利回り:2.76%(前日2.71%)
- ニューヨーク市場ドル円相場:1ドル=109.54-109.55円(前日109.62-109.63円)
- ニューヨークダウ30種平均:24,737ドル(前日比+183ドル)
- ナスダック総合株価指数:7,164ポイント(前日比+91ポイント)
- S&P500種株価指数:2,664ポイント(前日比+22ポイント)
- 米フィラデルフィア半導体指数(SOX指数):1,281ポイント(前日1,253ポイント)
- 米VIX指数(恐怖指数):17.42(前日18.89)
- ニューヨークWTI原油先物1バレル=53.69ドル(前日比+0.56ドル)
- ニューヨーク金先物1トロイオンス=1,298.1ドル(前日比+18.3ドル)
東京株式市場
- 日経平均株価:20,773円(前日比+198円)
- TOPIX:1,566ポイント(前日比+13ポイント)
データを参照したサイト(ダウ30種銘柄の上昇・下落寄与度はこちら↓)
https://nikkei225jp.com/nasdaq/
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