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2018年12月4日
【3日の米国市場、ダウ平均は287ドル高と大幅続伸】(12月4日配信)
マーケットコメント 2018年12月4日
【3日の米国市場、ダウ平均は287ドル高と大幅続伸】
12月3日(月)のニューヨーク金融市場
相場のポイント
- 3日の米株式市場で主要3指数はそろって続伸、ニューヨークダウは前日比287ドル高い25,826ドルで引けた。ダウ平均は一時前週末比440ドル超の上昇で2万6000ドルまで20ドル弱に迫る場面があった。投資家の不安心理を示す米VIX指数は16.4と前週末の18.0から低下した。
- 1日の米中首脳会談で米国が年明けに予定していた中国への追加関税を90日間猶予することで合意したことを受け、米中が決裂して一段の制裁措置に乗り出す最悪の事態は避けられたことで投資家心理が改善した。
- ボーイング、キャタピラーなど、中国での売上高が多い銘柄に買いが集まった。ダウ上昇幅のうち110ドル超をボーイングとキャタピラーで占めた。11月下旬にかけての調整で割安感があるとみられているアップルなど主力IT(情報技術)・ハイテク株への買いも目立った。フィラデルフィア半導体指数(SOX指数)は同2.6%の大幅上昇となった。
- 原油先物価格も反発しS&P500種総合の11業種ではエネルギーが最大の上昇となった。
- 米上下両院の合同経済委員会は3日、パウエル米議長が5日に行う予定だった証言を延期すると明らかにした。ジョージ・H・W・ブッシュ元大統領の死去を受けたもの。日程については後日、改めて設定する。
米長期金利
- 10年国債利回り:2.97%(前日2.99%)
ニューヨーク為替相場
- ドル円相場:1ドル=113.63-113.64円(前日113.55-113.56円)
米主要株価指数
- ニューヨークダウ30種平均:25,826ドル(前日比+287ドル)
- S&P500種株価指数:2,790ポイント(前日比+30)
- ナスダック総合株価指数:7,441ポイント(前日比+110)
- 米フィラデルフィア半導体指数(SOX指数):1,272ポイント(前日1,239ポイント)
- 米VIX指数(恐怖指数):16.44(前日18.07)
S&P500種株価指数の主な上昇・下落業種
- 上昇:エネルギー、一般消費財、情報技術、素材など
- 下落:生活必需品
ニューヨークダウ30種平均への主な上昇寄与度・下落寄与度銘柄
(ダウ平均変動幅への影響)
- 上昇寄与:ボーイング、アップル、ユナイテッドヘルス・グループ、キャタピラーなど
- 下落寄与:ベライゾン、マクドナルド、プロクター・アンド・ギャンブルなど
国際商品市況
- ニューヨークWTI原油先物1バレル=52.95ドル(前日比2.02ドル)
- ニューヨーク金先物1トロイオンス=1,239ドル(前日比ドル+13)
データを参照したサイト
ダウ平均変動に影響した銘柄はこちら↓
https://nikkei225jp.com/nasdaq/
金融市場に影響したと思われる材料
米11月の製造業の景況感は回復
- 米11月のISM製造業景況感指数は59.3で、前月から1.6ポイント上昇した。3カ月ぶりの上昇で、市場予測(57.9程度)を上回った。同指数は50が製造業景気の拡大・縮小の境目と言われる。指数を構成する5つの個別項目のうち「入荷遅延」以外の4項目が上昇した。特に「新規受注」は4.7ポイント上昇し、62.1となった→依然として米製造業のセンチメントが強いことを示唆している
当面のマーケットのポイント
【東京株式市場は堅調スタートか】
- 本日の東京株式市場は米国市場の上昇を受け、寄り付きは買い先行で始まると見られる。ただし7日続伸となっており、利益確定売りも予想される。
- 12月4日の豪州金融政策決定会合ではキャッシュレートが現状の1.5%の据え置きが予想されている。
【堅調に推移するオーストラリアドル】
- 豪ドルの対ドルレートは10月5日の0.7052から11月30日には0.737まで4.6%上昇し堅調に推移している。対円でも79円から84円近くに上昇した。背景は
- 米国の利上げピッチが鈍化するとの観測で米長期金利が低下したこと
- 豪州中銀が四半期報告で景気見通しを上方修正したこと
- 米中貿易摩擦の悪影響を過度に織り込んでいたポジションの巻き戻し、などが影響した
- 米商品先物取引委員会(CFTC)のデータによると、投機筋の豪ドルのポジションは9月25日時点の72,061枚の売り越しから11月27日時点では53,903枚の売り越しまで25.2%も減少した。金額ベースの売り越しは72億豪ドルから54億豪ドルまで減少した。豪ドルの買い材料が増えてきたことで、投機筋が売り越しポジションの買戻しを進めたことが豪ドルを堅調にさせた背景と思われる。
- 交易条件(輸出物価指数を輸入物価指数で割った値)に比べて対米豪ドルの下落が目立っていることから、今しばらく買い戻しが続く可能性がある。しかし、米中貿易問題の緩和や豪州利上げ観測の台頭が本格的な反転上昇の条件と思われる
【新興国通貨の注目点】
- 来年の米利上げ打ち止め観測の期待が高まる中で資源国通貨とともにインドやトルコなど新興国通貨も回復している。ただし、米FRBは金融政策に関して経済データを重視することを強調している。昨日の11月米ISM製造業景況指数は市場予想を上回っており、週末の米雇用統計の平均時給の結果によっては米長期金利が反転、新興国通貨にも影響を与えるので注目したい。
- インドルピー(対ドル)相場は米長期金利の上昇により資金流出懸念を強めた。インドは原油の純輸入国であるため原油価格の上昇はインドルピーの売り材料となる。しかし10月以降米長期金利は低下し、原油先物価格も急落するなど、二つの材料は通貨高に作用している。なお、インド統計局が11月30日に公表した7-9月期実質GDP成長率は前年同期比で+7.1%と中国の7-9月の実質経済成長率(同+6.5%)を上回った。
- トルコリラ相場(対ドル)も持ち直している。米国人牧師の開放などにより米国との外交関係が改善していることに加え、9月の貿易赤字が急減したことが評価されている。こうしたことを材料にFXのポジションも買い越しポジションが増えている。
- 11月21日に公表されたOECDの世界経済見通しで2019年のトルコの経済成長率はマイナス成長に落ち込むとの予想が示されたが、経常収支は輸出の増加と輸入の減少で改善が見込まれている。
- さらなるトルコリラの上昇にはOECDが指摘した信頼に足る金融政策とインフレ率の低下が必要と考えられる。この点で、3日に発表されたトルコの11月CPIは前年同月比21.62%上昇となったが、上昇率は10月の25.24%から縮小し市場予想の23.02%を下回ったことは好材料である。
12月3日の東京株式市場
主要株価指数
- 日経平均株価:22,574円 (前日比+223円)
- TOPIX:1,689ポイント(前日比+21)
相場のポイント
- 3日の東京株式市場は7日続伸し、日経平均は前日比223円高い22,574円で引けた。7日続伸は9月26日までの8日続伸以来の長さで、この間の上昇幅は1,067円(5.0%)に達した。日経平均は一時上げ幅を300円超に広げ22,698円まで買われる場面があった。
- 前週末の米中首脳会談で、中国への追加関税猶予・交渉継続で合意。貿易を巡る米中の一時休戦を好感し、景気敏感株中心に買い戻された。
- 業種別ではトヨタ、SUBARU、マツダなど輸送用機器の上昇が目立ち、海運、石油石炭、鉄鋼などグローバル銘柄が多い景気敏感セクターが買われた。半面、小売りや医薬品といったディフェンシブが安い。
- 日経平均採用銘柄ではソフトバンクG、TDK、リクルートなどが上昇に寄与した。ファーストリテイ、中外薬、キッコーマン、塩野義が日経平均の下落に寄与した。
主要な市場内指標
- NT倍率(日経平均÷TOPIX):13.37倍(前日13.40)
- 東証1部売買代金:24,306億円
- 東証1部年初来高値銘柄数44 /年初来安値銘柄数4
- 東証1部値上がり銘柄数1,579 /値下がり銘柄数472
- 東証1部騰落レシオ123.4(前日113.78)
- TOPIX33業種
上昇上位:海運、石油石炭、鉱業、輸送機器、鉄鋼など
下落上位:空運、繊維製品、パルプ紙、小売、医薬品など
- 日経平均寄与度(日経平均の変動幅に影響した値幅)
上昇寄与度:ソフトバンクG(+14円)、TDK(+14円)、リクルートHD(+13円)など
下落寄与度:ファーストリテイ(‐17円)、中外薬(‐5円)、キッコーマン(‐5円)など
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