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2018年11月1日
【米国株続伸、ダウは241ドル高、決算を好感した買いや米経済指標も追い風】(11月1日配信)
マーケットコメント
2018年11月1日 【米国株続伸、ダウは241ドル高、決算を好感した買いや米経済指標も追い風】
10月31日(水)のニューヨーク金融市場
相場のポイント
- 31日の米株式市場で主要3指数は大幅に続伸、ニューヨークダウは前日比241ドル高の25,115ドルで終えた。ダウは一時上げ幅を460ドル近くに広げる場面があった
- 10月を通じた大幅な株価下落で値ごろ感のある銘柄や割安感に着目した買いが入った。なかでも下げがきつかったハイテク株や銀行株を中心に主力銘柄が上げた。ダウの上昇寄与はゴールドマン・サックスが+41ドル、アップルが+37ドル、ビザが+34ドルなど
- フェイスブックが市場予想を上回る決算を発表したことをきっかけに主力銘柄に買いが入り、アマゾン・ドット・コムやネットフリックス、アルファベットが上昇、投資家に買い安心感が広がった。ナスダック総合の上昇率は前日比2%を超え、S&P500種の同1%上昇を上回った
- 強い米経済指標を受け米長期金利が上昇、銀行など金融株の買い材料となった
米長期金利
- 10年国債利回り:3.149%(前日3.12%)
ニューヨーク為替相場
- ドル円相場:1ドル=112.92‐112.93円(前日113.11‐113.12円)
米主要株価指数
- ニューヨークダウ30種平均:25,115ドル(前日比+241ドル)
- S&P500種株価指数:2,711ポイント(前日比+29)
- ナスダック総合株価指数:7,305ポイント(前日比+144)
- 米フィラデルフィア半導体指数(SOX指数):1,202ポイント(前日1,187ポイント)
- 米VIX指数(恐怖指数):21.23(前日23.35)
S&P500種株価指数の主な上昇・下落業種
- 上昇:情報技術、コミュニケーション、一般消費財など
- 下落:不動産、公益、生活必需品
ニューヨークダウ30種平均への主な上昇寄与度・下落寄与度銘柄
(ダウ平均変動幅への影響)
- 上昇寄与:ゴールドマン・サックス、アップル、ビザなど
- 下落寄与:ウォルマート、マクドナルド、ベライゾンなど
国際商品市況
- ニューヨークWTI原油先物
1バレル=65.31ドル(前日比-0.8ドル)
- ニューヨーク金先物
1トロイオンス=1,215ドル(前日比-10ドル)
データを参照したサイト
https://nikkei225jp.com/nasdaq/
金融市場に影響したと思われる材料
- 米民間雇用サービス会社ADPが31日発表した10月の全米雇用リポートによると、非農業部門雇用者数(政府部門は除く)は前月比22.7万人増と2月以来8か月ぶりの高い増加。2カ月連続の20万人増。市場予想の同18万人増を上回った →31日の米長期金利上昇の材料となった模様。2日に発表される米雇用統計の非農業部門の雇用者増加数に注目が集まる
- 米労働省が31日公表した雇用コスト指数(第3四半期)は前期比0.8%の上昇。伸び率は9月の同0.6%上昇から高まった。雇用コストの7割を占める賃金・給与が大幅に上昇し、全体を押し上げた。前年同期比では2.8%上昇と伸び率は前月と変わらず→31日の米長期金利上昇の理由の一つとなった模様。2日に発表される米雇用統計の平均時給の前年同月比伸び率に注目が集まる
- ユーロ圏の10月消費者物価指数(速報値)は前年同月比2.2%上昇した。伸び率は9月から0.1ポイント高まり、2012年12月以来、5年10カ月ぶりに高い伸び率。ECBが重視する「エネルギーと食品、酒、たばこを除く指数(コア)」の上昇率は同1.1%上昇と9月から伸び率を高めたものの、ECBの目標(2%未満で、その近辺)にはまだ遠い→ECBの出口戦略を後押しする材料だが、コアCPIの伸び率が低くユーロ買いも限定的
- 豪州の7-9月期消費者物価指数は前年同期比1.9%上昇した。市場予想通りだが伸び率は4-6月期より0.2ポイント縮小した。ガソリン価格上昇を受けて運輸サービスの価格が上昇したが、通信料金や衣料品が下落した。豪州中銀が重視するコアインフレ率は同1.8%上昇と11四半期連続で中銀の目標(2-3%)を下回った。豪州の金利先物市場では2020年3月まで1.75%(現在政策金利は1.50%)の利上げを完全に織り込んでいない→利上げが遅れる見通しが強まり豪ドルの対ドルレートは0.7085台まで下落
- 英国のラーブ欧州連合(EU)離脱担当相は31日、EU離脱交渉について合意が視野に入り、11月21日までにまとまる可能性があるとの見通しを議会への書簡で示した→31日のポンド相場の材料となった
当面の東京株式市場のポイント
- 日経平均は2日で770円も上昇し底入れムードも漂うが、25日移動平均(22,845円)からの下方かい離はマイナス4.0%と依然としてマイナス圏にある。株式市場は底打ちのサインが出ているものの、投資家心理の改善には25日移動平均線を超えることが条件。11月6日の米中間選挙という、金融市場で今年後半の最大の政治イベントが控えており、これを通過するまで予断は許さない。しかし、株式のボラティリティ指標は日米ともに徐々に低下している点は注目したい
- JPX日本取引所グループが31日発表した裁定取引の買い残高(26日時点)は前週比3,134億円減の1兆614億円となった。4週連続の大幅減少で、日経平均株価がピークを付ける直前である9月28日の2兆5,628億円から1兆5,014億円(約58%)も減少した。株価指数先物が先行して下落したため現物指数との裁定解消売りが原因だが、1兆円前後の買い残の水準は経験則的にボトム圏に接近しつつある。一方、株式の信用取引の買い方の損益を示す信用評価損益率(26日時点)はマイナス16%となった。経験則ではマイナス20%前後に悪化すると相場が底入れするサインといわれる
参照したサイト(JPXのサイト:裁定買い残)
https://www.jpx.co.jp/markets/statistics-equities/program/nlsgeu000003n4t9-att/20181026.pdf
- 11月1日は米アップルの決算発表を控える。決算内容次第では週末の半導体関連や電子部品銘柄に影響するだけに注目度が高い。昨日のアップルの株価は大幅に上昇している
- さらに11月2日の米雇用統計は平均時給の動向次第で、米長期金利に影響するだけに週末は様子見ムードが広がりそうだ
10月31日の東京株式市場
主要株価指数
- 日経平均株価:21,920円 (前日比+463円)
- TOPIX:ポイント1,646(前日比+34)
相場のポイント
- 31日の東京株式市場は4日ぶりの大幅反発。日経平均は前日比463円高の21,920円で取引を終えた。前日の米株式市場の大幅反発を受け、日経平均は前日比112円高で寄り付いた。ほぼ3週間ぶりの1ドル=113円台の円安水準で投資家心理の悪化にも歯止めがかかり、本格化した決算発表のなかで好決算を発表した銘柄が買われた。
- 10月相場の下げの悪役だった半導体関連の回復は全体を明るくしたと同時に、113円台の円安を伴った株価上昇だったために、株価指数を売り持ちしていたファンド筋が買戻しを余儀なくされ、株価指数を押し上げた面はある
- 東証1部市場では値上がり銘柄数が1654、値下がりが419と上昇が優勢。ソニー、ホンダなど注目度の高い銘柄が好決算を材料に強い値動きを見せた。ソフトバンクG、ファナックの2銘柄で日経平均を100円押し上げた
- 前日の米株式市場でフィラデルフィア半導体指数(SOX指数)が大幅高となったことを好感し、東エレク、アドテストなど半導体関連が大幅上昇、村田製、太陽電、TDKなど電子部品もしっかりだった
主要な市場内指標
- NT倍率(日経平均÷TOPIX):13.32倍(前日13.32倍)
- 東証1部売買代金:3兆4,851億円
- 東証1部年初来高値銘柄数10/年初来安値銘柄数54
- 東証1部値上がり銘柄数1,654/値下がり銘柄数419
- 東証1部騰落レシオ:71.80(前日72.50)
- TOPIX33業種
上昇上位:電気機器、精密、サービス、通信など30業種
下落上位:鉄鋼、倉庫、電気ガスの3業種
- 日経平均寄与度(日経平均の変動幅に影響した値幅)
上昇寄与度:ソフトバンク(+56円)、ファナック(+45円)、京セラ(+24円)など
下落寄与度:ユニー・ファミマ(‐9円)、千代健(‐5円)、エプソン(‐4円)など
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