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2018年10月25日
【米ニューヨークダウは600ドルを超す下落、ナスダック総合は4%超の下落】(10月25日配信)

マーケットコメント

2018年10月25日 【米ニューヨークダウは600ドルを超す下落、ナスダック総合は4%超の下落】

 

10月24日(水)のニューヨーク金融市場

 

相場のポイント

  • 24日の米株式市場で主要3指数は大幅下落、ニューヨークダウは前日比608ドル安の24,583ドルで終えた。ダウは25,000ドルの大台を下回り7月上旬以来の安値水準
  • ダウの寄り付きは市場予想を上回ったボーイングなど好決算銘柄が買われ、前日比プラスで取引されたが徐々に値を崩した。米地区連銀報告(ベージュブック)では、制裁関税の影響で国内の製造業を中心に物価上昇圧力が高まっていると指摘され先行き警戒感が広がった
  • ユーロ圏10月PMIが市場予想以上に悪化、中国経済の減速とともに世界経済への先行きに不透明感が広がった
  • カナダ中銀が利上げを実施、スウェーデン中銀も次回の会合で利上げを示唆するなど、世界の中央銀行が着々と利上げを進める中で、株式市場における流動性が先行き細る懸念も一部で浮上した模様
  • ハイテク株中心に値下がりする銘柄が目立ち、ナスダック総合は前日比4.4%下落とダウの2.2%下落を上回る。米半導体指数(SOX指数)は同6.6%の大幅下落。景気敏感株も全般的に安くS&P500種は6日続落
  • 米投資家の不安心理を示す米VIX指数は25.23に急騰し、依然として米株式市場は乱高下が続くことを示唆している

 

米長期金利

  • 10年国債利回り:3.11%(前日3.16%)、リスクを回避する動きから投資資金が株式から債券にシフトし長期金利は低下(価格は上昇)

 

ニューヨーク為替相場

  • ドル円相場:1ドル=112.23‐24円(前日112.40‐50円)、株価下落の割に円高が進まない印象
 

米主要株価指数

  • ニューヨークダウ30種平均:24,583ドル(前日比‐608ドル)
  • S&P500種株価指数:2,656ポイント(前日比‐84)
  • ナスダック総合株価指数:7,108ポイント(前日比‐329)
  • 米フィラデルフィア半導体指数(SOX指数):1,146ポイント(前日1,227ポイント)
  • 米VIX指数(恐怖指数):25.23(前日20.71)

 

S&P500種株価指数の主な上昇・下落業種

  • 上昇:公益、不動産、生活必需品など
  • 下落:コミュニケーション、情報技術、エネルギーなど

 

ニューヨークダウ30種平均への主な上昇寄与度・下落寄与度銘柄

(ダウ平均変動幅への影響)

  • 上昇寄与:ボーイング、P&G、コカ・コーラなど
  • 下落寄与:ユナイテッドヘルス・グループ、ダウ・デュポン、アップルなど

 

国際商品市況

  • ニューヨークWTI原油先物

1バレル=66.82ドル(前日比+0.3ドル)

 

  • ニューヨーク金先物

1トロイオンス=1,231ドル(前日比‐5.7ドル)

 

データを参照したサイト

https://nikkei225jp.com/nasdaq/

 

金融市場に影響したと思われる材料

  • カナダ中銀が利上げ、政策金利を1.50%から1.75%へ引き上げた。利上げは昨年7月以降5回目。中銀は「景気動向はフルスピードで、もはや刺激策の必要性はない」とコメント。中立金利(カナダ中銀は2.5‐3.5%と予想)に向けて利上げの継続を示唆→米景気の拡大がカナダ経済に波及した格好だが、世界的な金利上昇をイメージさせるため、株式には逆風
  • スウェーデン中銀は市場予想通り政策金利をマイナス0.5%に据え置きを発表。次回12月か2月の会合で0.25%の利上げを想定しているとの従来のガイダンスを維持→同中銀が来年初頭にかけてマイナス金利政策を脱すれば、金融市場はマイナス金利政策を続ける日銀の政策に関心が高まる
  • 米地区連銀経済報告(ベージュブック)は追加関税の影響で米国の製造業を中心に物価上昇圧力が高まりつつあることを指摘→インフレ率上昇が示唆され将来の長期金利上昇を予想させる。株価の警戒材料となった
  • 米9月の新築一戸建て住宅販売件数は55.3万戸、前月比5.5%減と大きく低下。4カ月連続の減少で16年12月以来、1年9カ月ぶり低水準。市場予想(62.5万戸)を大きく下回った→住宅ローン金利の上昇で住宅市場が影響を受けることは予想されるが、9月の金利上昇が影響した格好。米国が3%の経済成長率を維持するには逆風となるとの見方も
  • 米10月の製造業PMIは55.9と市場予想の55.5、前回の55.6を上回る→米経済活動は依然堅調でインフレ上昇圧力を示唆
  • ユーロ圏の10月総合PMIは52.7、市場予想53.9を下回る。製造業PMIは52.1と予想(53.0)比下振れで域内の景況感が予想以上に失速していることを示唆→中国の経済減速の影響も波及しているとみられるが、中国と欧州の経済減速が世界経済の懸念になるとして24日の米株式市場で悪材料視されていた

 

 

当面の東京株式市場のポイント

  • 米国株式市場の大幅下落を受け、今日の東京市場も波乱の展開が予想される。シカゴの日経平均先物は21,400円台と大幅下落となっており、ニューヨーク株式市場の落ち着きどころを探る展開になる。当面シートベルトをしっかり締めて振り落とされないよう注意を
  • 日経平均は23日に前日比600円超の大幅下落となった割に、24日の同80円高となった相場は株価の回復力が鈍い印象を持たざるを得ない。当面の最大の注目材料である主要企業の決算発表に対して根強い警戒感を持っている可能性が高い
  • 25日は建機大手の日立建機、キヤノン、半導体関連の日立ハイテク、26日は世界的なシリコンウエハーメーカーである信越化、日立などハイテクの主力級の発表を控え、ますます動きにくい。しかも27日は米7‐9月期のGDP成長率の発表もあり、今週は様子見ムードが強い週となりそう
  • JPX日本取引所グループの統計によると、19日時点の裁定買い残高は1兆3,749億円と前週比4,593億円の大幅減少となった。直近ピークとなった9月28日時点の2兆5,628億円から1兆2,000億円近い減少で、裁定解消売りが10月以降の株価下落の主因だったことがわかる。当面、米株安で日経平均の先物が先行して売られると裁定解消売りで現物株も売られるため、需給面での売り材料となる

 

参照したサイト(JPXのホームページ)

https://www.jpx.co.jp/markets/statistics-equities/program/nlsgeu000003mh52-att/20181019.pdf

 


10月24日の東京株式市場

 

主要株価指数

  • 日経平均株価:22,091円 (前日比+80円)
  • TOPIX:1,652ポイント(前日比+1)

 

相場のポイント

  • 24日の東京株式市場は小幅に反発。日経平均は前日比80円高の22,091円で終えた
  • 朝方の日経平均は前日の大幅安の反動から前日比156円高で取引を開始、一時上げ幅を200円超に広げたが、その後は徐々に伸び悩んだ。企業決算の懸念も悪材料となり一時はマイナスに転じた。午後に入り上海総合指数がプラスに転じたことや、日銀のETF買い入れ観測などからプラスに転じた
  • ファーストリテイやユニー・ファミマなど小売りの一角が大幅高。水産や食料品といったディフェンシブも高い。19年3月期利益予想の上方修正を好感した東京製鉄が大幅高
  • 米長期金利低下で金融株が下落した流れを受け、保険と銀行が下落の上位。米建機大手のキャタピラーの下落に連れ安してコマツが連日の大幅安。市場予想を下回る決算を受け時間外で急落した米テキサスインスツルメントに影響され、SUMCOや信越化など半導体の下落が目立った。業績下方修正を発表したSUBARUは日経平均下落寄与度2位
  • 日銀はインデックス型ETFを703億円買い入れ、4日連続の買いで10月は10回目

 

主要な市場内指標

  • NT倍率(日経平均÷TOPIX):13.37(前日13.33倍)
  • 東証1部売買代金:2兆7,273億円
  • 東証1部年初来高値銘柄数11/年初来安値銘柄数384 
  • 東証1部値上がり銘柄数1,283/値下がり銘柄数729
  • 東証1部騰落レシオ93.54(前日95.50 )
  • TOPIX33業種

上昇上位:倉庫運輸、水産農林、建設業など

下落上位:鉱業、ガラス土石、海運など

  • 日経平均寄与度(日経平均の変動幅に影響した値幅)

上昇寄与度:ファーストリテイ(+45円)、ユニー・ファミマ(+25円)、KDDI(+10円)など

下落寄与度:信越化(‐12円)、SUBARU(‐8円)、花王(‐8円)など

 

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以上

 

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