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マーケットコメント
2018年10月11日 【ニューヨークダウは800ドル超の急落、FANG銘柄が軒並み大幅安】
(本日のメルマガでは後半部分に話題の銘柄を2つ取り上げています)
10月10日(水)のニューヨーク金融市場
相場のポイント
- 10日の米国市場で主要3指数は揃って大幅下落、ダウの下げ幅は800ドルを超えた
- 米長期金利の高止まりが意識されるなか、相対的にPERが割高なネット関連に売りが膨らみ、特にFANG銘柄は大幅下落。下落率はアマゾン・ドット・コム、アップル、アルファベット(グーグル)は軒並み▲5~▲6%と大きくなった
- ムニューシン米財務長官の発言を受け米中貿易摩擦の激化が意識され、中国関連銘柄にも売りが膨らんだ。ボーイングは1銘柄でダウを120ドル以上押し下げた
- 大型ハイテク株や半導体関連などが大きく売られたナスダック総合は前日比315ドル安、下落率は4%を超え、NYダウ(3.2%)やS&P500種指数(3.3%)を上回った
- 投資家のリスク回避姿勢を示す米VIX指数は22.96と急上昇、半年ぶりに高い水準に上昇
- リスク回避姿勢が強まり為替市場では1ドル=112円台前半までドル安・円高が進んだ
米長期金利
- 10年国債利回り3.16%(前日3.20%)
ニューヨーク為替相場
- ドル/円相場1ドル=112.23円(前日112.90~113.00円)
米主要株価指数
- ニューヨークダウ30種:25,598ドル(前日比‐831ドル)
- S&P500種株価指数:2,785ポイント(前日比‐94)
- ナスダック総合指数:7,422ポイント(前日比‐315)
- 米フィラデルフィア半導体指数(SOX指数):1,242ポイント(前日1,300ポイント)
- 米VIX指数(恐怖指数):22.96(前日15.95)
S&P500種株価指数の主な上昇・下落業種
- 上昇:なし
- 下落:情報技術、コミュニケーション、一般消費財、エネルギーなどの下落が大きく、公益の下落は小さかった
ニューヨークダウ30種平均への主な上昇寄与度・下落寄与度銘柄
(ダウ平均変動幅への影響)
- 上昇寄与:なし
- 下落寄与:ボーイング-121ドル、アップル‐71ドル、スリーエム‐56ドル、ゴールドマン・サックスー54ドル
国際商品市況
- ニューヨークWTI原油先物
1バレル=73.17ドル(前日比‐1.79ドル)
- ニューヨーク金先物
1トロイオンス=1,193ドル(前日比+1.9ドル)
データを参照したサイト
https://nikkei225jp.com/nasdaq/
金融市場に影響したと思われる材料
- 米司法省は10日、米国の航空宇宙企業数社から企業秘密を盗んだ疑いで、中国の国家安全省のスパイが逮捕されたことを明らかにした→米中貿易摩擦を悪化させる材料と意識
- ムニューシン米財務長官は中国が為替操作をしないよう徹底して求めると表明→米財務省は10月中旬までに為替報告書を発表する予定で、市場には警戒感が出ている
- 米10年国債入札が10日に実施された。落札利回りは2011年5月以来、7年ぶりの高い水準に。応札倍率は2.39倍(前回9月の入札は2.584倍)で2月以来の低い水準となった→最近の金利上昇で警戒が強まる
- 大型ハリケーン「マイケル」が米フロリダ州に上陸、勢力が5段階中2番目に高い「カテゴリー4」を維持したままで、湾岸の石油設備などへの被害が懸念
- イタリアの財政懸念が継続。イタリアは15日までに2019年の予算案を欧州委員会に提出するが、EUとの間で交渉が難航する可能性も
- 米シカゴ連銀のエバンス総裁は10日、インフレ率が2%にとどまり、好調な米景気が続く限り、FRBは金利が3%に達した時点で利上げを中止する公算が高い発言。同氏は中立金利を2.75%近辺と推計しており、政策金利がこれを上回ると景気に抑制的となるため→米利上げ打ち止めは、本来、株価の好材料となるが、10日の市場では反応できず
当面の東京株式市場のポイント
- 米国株の大幅下落を受けて本日の東京市場も急落が避けられない
- シカゴの日経平均先物は一気に23,000円台を割り込み22,700~22,800円のゾーンまで下落しており、東京市場の寄り付きは22,700円台か
- 本日は日銀のETF買い入れが予想され、実施されれば3日連続
参照したサイト(日銀HP)
http://www3.boj.or.jp/market/jp/menu_etf.htm
- 日経平均の200日移動平均線は22,505円水準にある。22,800円以下は投資タイミングを待っていた投資家の価格と時間の分散投資する際の押し目買い水準の目安に
- 10日の日経平均の予想EPS(13.55倍)から試算した予想EPSは1,735円。22,800円水準では13.1倍まで低下することになり、日本株の割安感が一段と際立つ
- 今回のニューヨーク株安は10月以降の米金利上昇のなかでの一種の「ガス抜き」のようなもの。米景気は堅調で利上げを急ぐスタンスもないため、数日で落ち着く可能性がある
- 有望なリスク資産をじっくり買い入れる局面と思われる
10月10日の東京株式市場
主要株価指数
- 日経平均株価:23,506円 (前日比+36円)
- TOPIX:1,763ポイント(前日比+2)
相場のポイント
- 10日の東京株式市場で日経平均は5日ぶりに反発
- 相場の短期的な過熱感がほぼ解消したとの見方や、4日続落の期間に計800円ほど下落しており、自律反発を狙った買いが入った模様
- 資源価格の上昇を受け石油開発関連など鉱業が値上り業種の1位。ノンバンク、保険、銀行など金融もしっかり。ファーストリテイ、丸井G、ユニー・ファミマなど小売りの一角も買われた
- トランプ米大統領による中国の報復関税に向けた追加関税発動への言及が嫌気され、ファナックやコマツ、キーエンスなどFA・設備投資関連が下落
- トヨタ、マツダ、SUBARUなど自動車やソニーも小幅に下落した
主要な市場内指標
- NT倍率(日経平均÷TOPIX):13.33倍(前日13.33倍)
- 東証1部売買代金:2兆6,330億円
- 東証1部年初来高値銘柄数/年初来安値銘柄数:28/100
- 東証1部値上がり銘柄数/値下がり銘柄数:1,137/894
- 東証1部騰落レシオ:99.33(前日96.39)
- TOPIX33業種
上昇上位:鉱業、水産農林、その他金融など
下落上位:化学、パルプ紙、通信など
- 日経平均寄与度(日経平均の変動幅に影響した値幅)
上昇寄与度:ファーストリテイ+50円、ユニー・ファミマ+24円、テルモ+8円など
下落寄与度:ソフトバンクG-63円、ファナック-15円、京セラ-5円など
話題の銘柄
-
安川電(6506)が決算発表
- 2019年2月期の連結純利益が470億円になる見通しと発表。従来予想の500億円から下方修正した。半導体需要の減速や中国市場の拡大一服など直近の受注動向を踏まえたもの。
- 中国のFA設備投資、半導体設備投資関連の代表銘柄で、投資家の注目度も高い。
- 3月期決算銘柄の9月中間決算発表を前に同業の銘柄にはややネガティブな材料になりそう
参照したサイト(安川電のリリース、P1~P4あたりが重要)
https://www.nikkei.com/nkd/disclosure/tdnr/bc99t6/
同(安川電の株価チャート)
- ソフトバンクG(9984)
- 10日の日経平均株価の寄与度-63円と最大の指数押し下げ銘柄
- 同社は日経平均株価指数への寄与度が大きい上位の銘柄。他の指数採用銘柄が上昇しても同社株が下落すると日経平均の上値を抑制する
- 同社株は3日続落し25日移動平均線を下回ったことで下落が加速
- 同社が筆頭株主(29%を所有)となっている中国の電子商取引・ITサービス大手のアリババ集団の株価(米預託証券・ADR)が9日に年初来安値を更新し、2017年7月以来の安値水準となった。年初来高値(211ドル)からの下落率は30%を超え1,550億ドルの時価総額が失われた計算。ソフトバンクGが保有する株式価値も減少したことが嫌気されている
- アリババ集団の株価下落の理由は、米長期金利上昇による高PER銘柄の株価下落の流れに同社株も巻き込まれたことと、創業者ジャック・マー会長の退任決定を投資家が懸念しているというもの
同(ソフトバンクGの株価チャート)
同(アリババ集団の株価=米預託証券(ADR)の価格推移)
https://stocks.finance.yahoo.co.jp/us/chart/BABA?ct=z&t=6m&q=c&l=off&z=m&p=m65,m130,s&a=v
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