メルマガ
2018年9月28日
【ニューヨーク株式市場はそろって反発】(9月28日配信)
マーケットコメント
2018年9月28日 【ニューヨーク株式市場はそろって反発】
9月27日のニューヨーク金融市場のポイント
- ニューヨーク市場の主要3指数はそろって反発
- 前日の米FOMCで強気の米経済見通しが示され、緩やかな利上げ見通しが維持されたことで投資家心理が改善
- アナリストの投資判断引き上げを受けたアップルやアマゾン・ドット・コムが上昇し、相場をけん引。アップルは1銘柄でダウを30ドル押し上げた。ダウは一時上げ幅170ドルを超える場面があった。半面、金融や素材が下落した
- 為替市場ではドル高・円安が進んだ
- 投資家心理を示す米VIX指数(恐怖指数)は12.41に低下
米長期金利
- 10年国債利回り3.05%(前日3.05%)と変わらず
為替相場
- ドル/円相場1ドル=113.39円(前日112.73円)とドル高・円安で推移
米主要株価指数
- ニューヨークダウ30種平均26,439ドル(前日比+54ドル)
- S&P500種株価指数2,914ポイント(前日比+8)
- ナスダック総合8,041ポイント(前日比+51)
- 米フィラデルフィア半導体指数(SOX指数)1,357ポイント(前日1,351ポイント)
- 米VIX指数(恐怖指数)12.41(前日12.89)
S&P500種株価指数の主な上昇・下落業種
- 上昇:公益、コミュニケーション、情報技術など
- 下落:素材、金融、生活必需品など
ニューヨークダウ30種平均への主な上昇寄与度・下落寄与度銘柄
(ダウ平均変動幅への影響)
- 上昇寄与:アップル、ボーイング、ユナイテッドヘルス・グループなど
- 下落寄与:ダウデュポン、ゴールドマン・サックス、スリーエムなど
国際商品市況
- ニューヨークWTI原油先物
1バレル=71.12ドル(前日比+0.55ドル)
- ニューヨーク金先物
1トロイオンス=1,187ドル(前日比=11ドル)
データを参照したサイト
https://nikkei225jp.com/nasdaq/
27日の金融市場に影響したと思われる材料
- 米4~6月期の実質GDP成長率(確定値)は前期比年率4.2%増。8月末に発表された改定値からは変わらなかった。内訳では堅調な企業投資と住宅投資は改定値から上方修正された。物価上昇率(2%程度)を加味した名目成長率は6%超と米経済はかなり強いことを示す→米株高材料
- 米下院は26日、2019会計年度の連邦予算案を賛成多数で可決、政府機関の閉鎖は当面回避される模様→当面の安心材料
- アジアで相次ぐ利上げ。フィリピン中銀は0.5%利上げ、インドネシア中銀は0.25%利上げ。米国の利上げを受けた自国通貨の下落を防止することとインフレ抑制に対応するもの。米国とペッグ制を取る香港中銀は0.25%引き上げ
- 米8月の耐久財受注は前月比4.5%増と6カ月ぶりの大幅増加で市場予想(+2.1%)を大きく上回る。変動の大きい航空機を除くコア資本財受注は同0.5%と5カ月ぶりの減少。市場では企業の投資意欲は強く、上向きの基調は変化がないとの見方が多い
- 米8月の中古住宅販売仮契約指数は104.2と前月比1.8%低下、市場予想の0.4%低下を上回る。前年同期比では2.3%減と8カ月連続の前年割れ。住宅ローン金利上昇や住宅価格上昇でやや慎重な姿勢が継続。同指標は中古住宅販売の先行指標とされる→米金利上昇が米住宅市場にジワリとが出始めているのだろうか
当面の東京株式市場のポイント
- 10月1日発表の9月日銀短観では大企業・製造業の業況判断DIはほぼ横ばいか若干の回復が見込まれる。今回は特に大企業の設備投資計画が注目点。低金利に支えられたきわめて良好な投資環境に加え、人手不足に対応した省力化・効率化投資が活発化している模様
- JPX日本取引所グループが27日に発表した裁定取引に伴う現物株の買い残(21日申し込み現在)は前週比3,664億円の2兆1,286億円と2週連続増で水準は3カ月ぶり高水準。2週間合計は6,854億円増と急増した。株式市場が先物主導で買い進まれ現物をリードした格好が読み取れる
参照したサイト(裁定残)
https://www.jpx.co.jp/markets/statistics-equities/program/nlsgeu000003ks07-att/20180921.pdf
- 日経平均が仮に本日も下落し2日続落となれば短期的な調整局面入りか。騰落レシオの水準が高く、一定の日柄調整は必要
- マーケットが予想する日経平均のポイントは①9月19日に空けた窓埋め(23,481円~23,672円)水準、②9月7日の上昇の起点からの上げ幅のフィボナッチの調整や一目均衡表の転換線水準の23,400円、③5月~8月以降の上値抵抗ラインだった23,000円の大台が今度は下値抵抗ラインとして考える
- 為替相場の水準。来週以降の注目ポイントとして7月高値1ドル=113.70円、年初来高値113.40円を上抜けるか
27日の東京株式市場の主要株価指数
- 日経平均株価23,796円(前日比-237円)
- TOPIX1,800ポイント(前日比‐21)
相場のポイント
- 日経平均は9日ぶりに反落し前日比237円安で取引を終了
- 米FOMCで予想通り利上げが実施されたが、米国市場はニューヨーク株安、米長期金利の低下、円安の一服と「材料出尽くし」の反応となり、東京市場でも利益確定売りが優勢だった
- 過去8日間で日経平均は1,700円以上も上昇しており、利益確定売りの材料となった
- 26日の日米首脳会談で当面、自動車の輸入関税の発動が見送られることになり、自動車の一角がしっかり。米国での銀行株の下落が悪材料視された保険や銀行株など金融が安い
主要な市場内指標
- NT倍率(日経平均÷TOPIX)13.22倍(前日13.19倍)
- 東証1部売買代金2兆8,110億円
- 東証1部年初来高値銘柄数/年初来安値銘柄数131/47
- 東証1部値上がり銘柄数/値下がり銘柄数342/1,730
- 東証1部騰落レシオ133.3%(前日136.05%)、依然として過熱感が高い水準
- TOPIX33業種
上昇上位:空運のみ1
下落上位:石油石炭、非鉄金属、電気機器など32
- 日経平均寄与度(日経平均の変動幅に影響した値幅)
上昇寄与度: ファーストリテイ+16円、エーザイ+3円、デンソー+3円など
下落寄与度:ファナック-30円、東エレク-20円、リクルートHD-14円など
(お願い)
- 海外市場のデータは取得時のものであり、速報値の可能性があります。
- 閲覧・購読者自身でご確認いただきますようお願いします。
以上
—– アナリスト・トレーニング —–