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マーケットコメント
2018年9月27日 【米FOMCで3ヵ月ぶりの利上げ決定、大きなサプライズはなく、材料出尽くし感】
9月26日のニューヨーク金融市場のポイント
- ニューヨーク株式市場の主要3指数は下落、ニューヨークダウは3日続落
- 米FOMC後に一時米長期金利が低下したことで金融株が下落し相場の重荷となった
- 利上げの打ち止め感が意識されダウは一時110ドル以上上昇する場面があった
- 米長期金利はやや低下し、為替相場はドル安・円高の反応
米長期金利
- 10年国債利回り3.05%(前日3.09%)と前日比やや低下
為替相場
- ドル/円相場1ドル=112.73円(前日112.94円)と前日比ややドル安・円高
米主要株価指数
- ニューヨークダウ30種平均26,385ドル(前日比-106ドル)と3日続落
- S&P500種株価指数2,905ポイント(前日比-9)
- ナスダック総合7,990ポイント(前日比-17)
- 米フィラデルフィア半導体指数(SOX指数)1,351ポイント(前日1,364ポイント)
- 米VIX指数(恐怖指数)12.89(前日12.42)
S&P500種株価指数の主な上昇・下落業種
- 上昇:電気通信サービス、一般消費財、ヘルスケアなど
- 下落: 金融、不動産、公益など
ニューヨークダウ30種平均への主な上昇寄与度・下落寄与度銘柄
(ダウ平均変動幅への影響)
- 上昇寄与:IBM、ウオルトディズニ-、ウオルグリーン・ブーツ・アライアンスなど
- 下落寄与:ゴールドマン・サックス、ボーイング、アメリカン・エキスプレス
参照したサイト
https://nikkei225jp.com/nasdaq/
金融市場に影響したと思われる材料
- 米FOMCで3カ月ぶりの0.25%の利上げを決定。FFレートは2.00~2.25%に。先行きの利上げが見通しは年内あと1回、19年は3回、20年は1回の見通しが維持された。初めて公表した21年分はゼロと、見通しの上では20年に利上げの停止を示唆→金利上昇抑制、株価上昇材料に
- 中国国務院は26日の常務会議で11月から関税を再び引き下げることを決定。引き下げ品目は機械類、紡績品、紙製品など1585品目→中国の内需拡大、輸入促進の政策とも受け止められ、米中貿易交渉の緩和材料
- 日米両政府、自動車関税回避で合意、二国間のモノの貿易を自由化する物品貿易協定(TAG)の締結に向けた交渉を始めることで正式合意→日本の自動車株の買戻し材料
当面の東京株式市場のポイント
- 米FOMCを受けたニューヨーク株式、米長期金利の反応を受けた海外投資家の反応。米株安で一旦下落する可能性があるが、自動車株の買戻しで切り返しも
- 中国株式市場の動向。米指数算出会社MSCIは25日、中国株の組み入れ比率を現在の5%から20%へ引き上げを検討すると明らかにした
- 為替相場の水準。来週以降の注目ポイントとして7月高値1ドル=113.70円、年初来高値113.40円を上抜けるか
- NT倍率と売買代金の動向。NT倍率は9月12日の13.36倍から25日は13.13倍に低下。この期間に東証一部売買代金は増加傾向にあり、物色の裾野の広がりを示している
- 信用取引の空売り筋の買戻しの持続性。JPX日本取引所グループが26日に発表した信用売り残(9月21日申し込み現在)は1兆673億円と2週連続増加。2週間では2,400億円以上の増加。足元の株価上昇は信用空売りの買戻しの要素も大きいと考えられる
参照したサイト:信用取引残高
https://www.jpx.co.jp/markets/statistics-equities/margin/tvdivq0000001rhv-att/mtgaisan2018092100.pdf
26日の東京株式市場の主要株価指数
- 日経平均株価 24,033円(前日比+93円)
- TOPIXポイント1,821ポイント(前日比-0.7)
相場のポイント
- 日経平均は前日比93円高と8日続伸し1月23日以来の24,000円台を回復
- 海外ヘッジファンドの買い観測や、一時1ドル=113円に乗せた円高・ドル安を背景に先高期待が強く、配当の権利落ち分(市場推定155円)を考慮すると実質200円以上の大幅上昇
- 中国、上海総合などアジア株が堅調に推移したことも投資家心理を強気に傾けた
参照したサイト:上海総合指数
http://finance.sina.com.cn/realstock/company/sh000001/ncp.shtml?from=wap
- TOPIXは8日ぶりに反落。ハイテクが買われる一方、欧米自動車株の下落を受けトヨタ、日産自など自動車とメガバンクが安い
主要な市場内指標
- NT倍率(日経平均÷TOPIX)13.19倍(前日13.14倍)
- 東証1部売買代金2兆9,670億円と依然として高水準
- 東証1部年初来高値銘柄数/年初来安値銘柄数131/2
- 東証1部値上がり銘柄数/値下がり銘柄数1049/918
- 東証1部騰落レシオ136.5(前日129.58)、一段と過熱感が強まる
- TOPIX33業種
上昇上位:石油石炭、水産農林、精密
下落上位:海運、銀行、その他金融
- 日経平均寄与度(日経平均の変動幅に影響した値幅)
上昇寄与度: ファーストリテイ+33円、ソフトバンクG+15円、TDK+11円
下落寄与度:スズキ-11円、東エレク-10円、ファナック-10円
国際商品市況
- ニューヨークWTI原油先物
1バレル=71.57ドル(前日比-0.71ドル)
- ニューヨーク金先物
1トロイオンス=1,199ドル(前日比-6ドル)
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