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2019年7月24日
【相次ぐ利下げで新興国債券に対する魅力が高まる】(7月24日配信)

メルマガ 2019年7月24日(水)

 

おはようございます。

 

【相次ぐ利下げで新興国債券に対する魅力が高まる】

 

 

【23日の海外市場】  

 

米中協議再開への期待と企業の好決算を受けダウ平均は最高値に迫る

 

  • 23日の米金融市場は、米中貿易協議の再開による交渉進展への期待や、米国企業の好決算を好感し投資資金は債券から株式に向かいました。米長期金利は2.08%と前日の2.04%から上昇(債券価格は低下)、ドル円相場は1ドル=108.15円で引けました。NY株式市場の主要3指数はそろって続伸しダウ平均は史上最高値にあと10ドル弱に迫りました。
  • NYダウ平均は前日比177ドル(0.7%)高の27,349ドルと7月15日に付けた過去最高値に10ドル弱まで迫りました。米ブルームバーグが23日午後、「米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表と政府高官が29日に訪中する」と報じ、米中貿易交渉進展への期待が広がりました。
  • コカ・コーラは市場予想を上回る増収増益決算と通期予想の上方修正を発表し、株価は前日比6.6%上昇、1銘柄でダウを21ドル押し上げました。航空機・機械のユナイテッド・テクノロジーズも通期見通しの引き上げを好感し、株価は同1.5%上昇しました。米長期金利が上昇し、ゴールドマン・サックスやJPモルガン・チェースなど金融株が買われ、2銘柄でダウ平均を50ドル押し上げました。
  • ハイテク株の比率が高いナスダック総合指数は前日比47ポイント(0.6%)高の8,251で引けました。中国のファーウェイへの制裁を巡り、米商務省が個別に出す輸出許可について適切な時期に決断してほしいとの米企業トップの要請に、トランプ大統領が22日夕に同意したと報じられたことを好感しました。通信用半導体のザイリンクス、ブロードコム、エヌビディアなどが買われました。フィラデルフィア半導体指数(SOX指数)は前日比1.2%上昇しました。投資家の不安心理を示す米VIX指数は12.61と再び12台に低下、投資家のリスク許容度が高まっています。

 

 

米国金融市場の主な指標

 

金利・為替

  1. 米10年国債利回り:2.08%(前日2.04%)
  2. ドル円相場:1ドル=108.15-108.25円(前日107.80-107.90円)

 

株式相場

  1. ニューヨークダウ30種平均:27,349.19ドル(前日比+177.29ドル)
  2. ダウの主な上昇寄与:ゴールドマン・サックス、コカ・コーラ、キャタピラーなど
  3. ダウの主な下落寄与:トラベラーズ、P&G、ウォルマートなど
  4. S&P500種株価指数:3,005.47ポイント(前日比+20.44ポイント)
  5. S&P業種別上昇セクター:素材、資本財・サービス、金融、不動産など
  6. S&P業種別下落セクター:公益事業
  7. ナスダック総合株価指数:8,251.40ポイント(前日比;+47.26ポイント)
  8. フィラデルフィア半導体指数(SOX指数):1,573.27ポイント(前日1,554.09ポイント)
  9. 米VIX指数(恐怖指数):12.61(前日13.53)

 

商品

  1. ニューヨークWTI原油先物1バレル=56.77ドル(前日比+0.55ドル)
  2. ニューヨーク金先物1トロイオンス=1,421.7ドル(前日比-5.2ドル)

 

マーケットが注目したと思われる主な材料

 

  • 6月の中古住宅販売件数は前月比1.7%減の527万戸と前月から減少し、市場予想の534万件を下回った。前月は536万戸(速報値534万戸)に上方修正された。中古住宅価格(中央値)は前年同月比4.3%上昇の28万5700ドルとなった。低・中価格物件の供給不足が影響し、需要の低調な状況が続いた模様。
  • トランプ米大統領は22日、アルファベット(GOOGL.O)傘下のグーグルなどIT大手の首脳と会合を開き、中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)への販売再開を求める米企業の要請に関して「適時に」決断することに合意した。ハイテク関連の買い材料とされた。会合にはシスコ・システムズ、インテル、ブロードコム、クアルコム、マイクロン・テクノロジー、ウェスタンデジタルの各最高経営責任者(CEO)が出席した。
  • ブルームバーグの報道によると、米USTRのライトハイザー代表と複数の米政府高官は、中国に向けて29日に出発する予定。米中の通商交渉担当者による協議が5月に頓挫して以降、ハイレベルでの対面交渉は初めて。この報道を受け投資家心理の改善につながり、株価の一段高につながった模様。
  • IMFは世界経済見通し(改定値)を発表。世界の経済成長率は19年が3.2%、20年が3.5%の見込み。いずれも4月時点の予測から0.1ポイント下方修正された。米国の今年の予想は0.3ポイント上方修正し2.6%とした。英国については「秩序あるEU離脱」を前提として今年の成長率予想を0.1ポイント引き上げ1.3%とした。ユーロ圏の予想は1.3%で据え置き、日本は0.1ポイント下方修正して0.9%とした。

 

 

【今日のポイント】 

 

相次ぐ利下げで新興国債券に対する魅力が高まる

 

  • 米FRBの利下げ幅を巡り最近の金融市場では0.5%か0.25%で見方が揺れ動いています。先週、NY連銀のウイリアムズ総裁が「景気悪化のサインが出た時点で速やかに利下げを実施すべきだ」と発言し、市場では「0.5%の利下げを支持する発言」と受け止められましたが、NY連銀の当局者が「7月のFOMCの政策決定に関するものではない」とコメントし、火消しに走ると市場の大幅利下げ期待は後退しました。
  • 一方で、先週は韓国や南ア、インドネシアが利下げに踏み切っています。政策金利の水準が高い新興国は景気刺激策としての利下げに積極的で、新興国の景気を支えると期待されます。同時に新興国の株式や債券への資金流入も続きそうです。
  • 利下げに積極的なインドは今年2月、4月、6月に利下げを実施、5月はマレーシアとフィリピンが利下げを実施しました。先週、利下げした韓国は市場予想が「据え置き」だっため、予想外の利下げと捉えられ、サプライズとなりました。今週はトルコやロシアが利下げを実施すると市場では予想しています。ロシアは6月に続き2ヵ月連続の利下げとなります。
  • 新興国で利下げが相次ぐ背景は米国が昨年までの金融引き締めから、利下げをすることがほぼ確実となり、新興国からの資金流出懸念が和らいでいるためです。今年に入り新興国の株式や債券には海外から投資資金の純流入が確認されています。また新興国のインフレ率も安定しており、金利水準が高い新興国は景気刺激策としての利下げカードを切りやすくなっています。
  • 例えば、ブラジルは年金改革法案の年内成立の可能性が強まったことから、利下げが景気対策の一つとして政策の視野に入っています。ブラジル中銀が経済成長率見通しを下方修正したため、市場では早ければ今月31日の政策会合で利下げが決定されるとの見方も出ています。
  • 新興国投資は高金利のインカムゲインに加え、金利低下(債券価格上昇)のキャピタルゲイン狙いの資金流入が期待され、新興国債券は当面、堅調に推移すると見込まれます。
  • リスクは、強めの米経済指標が出た場合米長期金利が予想以上に上昇すること、欧州の政治リスクや中東などでの地政学リスクなどで市場がリスクオフの流れになることなどです。

 

 

東京株式市場

  • 日経平均株価:21,620.88円(前日比+204.09円)
  • TOPIX:1,568.82ポイント(前日比+12.45ポイント)

 

データを参照したサイト(ダウ30種銘柄の上昇・下落寄与度はこちら↓)

https://nikkei225jp.com/nasdaq/

 

 

(お願い)

海外市場のデータは取得時のものであり、速報値の可能性があります。

閲覧・購読者自身でご確認いただきますようお願いします。

 

以上

 

 

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