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2019年7月19日
【4-6月期決算の悪材料を意識し始めたマーケット】(7月19日配信)

メルマガ 2019年7月19日(金)

 

おはようございます。

 

【4-6月期決算の悪材料を意識し始めたマーケット】

 

 

【18日の海外市場】  

 

利下げ期待が高まりNY市場の主要3株価指数は反発、半導体関連が堅調

 

  • 18日の米金融市場で、NY市場の主要3株価指数は小幅に反発しました。NY連銀総裁が利下げを支持する発言をしたことから米長期金利は2.02%と前日の2.04%からやや低下(債券相場は上昇)し、ドル円相場は1ドル=107.25円とやや円高・ドル安となりました。
  • NYダウ平均は小幅に3日ぶりに反発し、前日比3ドル高の27,222ドルで終えました。17日夕に発表した決算で契約者数が急速に伸び悩んだ動画配信のネットフリックスが前日比10%の急落となり、大型ハイテク株を中心に売りが先行しました。ダウ平均は一時150ドル安まで下げる場面がありました。午後にニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁が講演で早期利下げを強く示唆すると買いが優勢になり、急速に値を戻しました。
  • ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁は18日午後の講演で、政策金利の水準がゼロに近い環境下では「中央銀行は経済状態の悪化に直面した場合、速やかに行動すべきだ」と早期利下げに積極的な姿勢をみせました。「経済に予防注射をすることで、低すぎるインフレという潜在的な病から経済を守る効果が期待できる」と主張しました。
  • S&P500種指数は前日比10ポイント(0.36%)高く引けました。セクター別では金融、生活必需品、情報技術などが上昇し、コミュニケーション、一般消費財、不動産などが売られました。
  • ハイテク株の比率が高いナスダック総合指数は前日比22ポイント高と反発しました。世界最大の半導体製造装置のアプライドマテリアルズ(AMAT)が続伸し、前日比4.2%高で引けました。半導体受託生産の世界最大手、台湾TSMCが18日の決算発表で先行きの業績に前向きな見方を示し、市場が想定するほど事業環境は悪くないとの見方を誘いました。フィラデルフィア半導体指数(SOX指数)は前日比1.54%高く引けました。
  • オランダの半導体製造装置メーカー、ASMLも17日発表した4~6月期決算で1株利益が市場予想を上回り、演算を担うロジック半導体の需要が強いとの見方を示しました。欧米の半導体関連業界全体に悲観的な見方が後退しました。本日の、東京市場でも東京エレクなどの買い材料となる可能性があります。
  • 投資家の不安心理を示す米VIX指数は13.53と前日の13.97からやや改善しました。

 

 

米国金融市場の主な指標

 

金利・為替

  1. 米10年国債利回り:2.02%(前日2.04%)
  2. ドル円相場:1ドル=107.25-107.35円(前日107.90-108.00円)

 

株式相場

  1. ニューヨークダウ30種平均:27,222.97ドル(前日比+3.12ドル)
  2. ダウの主な上昇寄与:IBM、アップル、マクドナルド、ビザ、アメリカン・エキスプレスなど
  3. ダウの主な下落寄与:ボーイング、ユナイテッドヘルス・グループ、スリーエムなど
  4. S&P500種株価指数:2,995.11ポイント(前日比+10.69ポイント)
  5. S&P業種別上昇セクター:金融、生活必需品、情報技術、公益事業など
  6. S&P業種別下落セクター:コミュニケーション、一般消費財、不動産など
  7. ナスダック総合株価指数:8,207.24ポイント(前日比+22.04ポイント)
  8. フィラデルフィア半導体指数(SOX指数):1,526.97ポイント(前日1,503.87ポイント)
  9. 米VIX指数(恐怖指数):13.53(前日13.97)
  10.  

商品

  1. ニューヨークWTI原油先物1バレル=55.3ドル(前日比-1.48ドル)
  2. ニューヨーク金先物1トロイオンス=1,428.1ドル(前日比+4.8ドル)

 

 

マーケットが注目したと思われる主な材料

 

  • 7月の米フィラデルフィア地区連銀業況指数は21.8と市場予想の5.0を大きく上回った。直近のリセッション(景気後退)が終わった2009年6月以来10年ぶりの大幅な改善となった。前月の0.3からも大幅に回復した。メキシコや中国製品への関税発動の見送りが決まったため、企業の景況感が回復したとみられる。6ヵ月先の見通し指数は、18年5月以来の高水準に上昇した。新規受注指数は18.9、と前月の8.3から改善。支払価格指数は16.1と前月の12.9から改善した。
  • 先週の新規失業保険申請件数は216,000件と市場予想の216,000件と一致した。 4週間移動平均は218,750件だった。米失業保険受給総数168.6万件と市場予想の170.0万件を下回った。労働市場は引き続き堅調に推移していることを示唆している。
  • 米調査会社コンファレンス・ボードが18日発表した6月の景気先行指数(2016年=100)は111.5となり、前月から0.3%低下した。2018年12月以来6ヵ月ぶりの低下で、横ばい程度を見込んだ市場予測を下回った。
  • 17-18日に行われた7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議は、世界経済を脅かすリスクが高まっているとの認識で一致、こうしたリスクが顕在化するようであれば財政面から経済を支えるべきだと総括した。議長国フランスがまとめた総括は、「財政政策は柔軟、かつ成長志向でありながら、必要なところで緩衝の余地を再び設けるものであるべきだ」と指摘。「金融政策は引き続き金融の安定に留意し、金融政策だけではすべての経済的課題に対処できないことを認識しながらも、経済活動を支え続ける」とした。金融政策に限界が見える中で、G7財務相会合で財政政策に言及したことは、今後の各国の政策はインフラ投資や減税など財政刺激策が選択肢として増えそうだ。

 

 

【今日のポイント】 

 

4-6月期決算の悪材料を意識し始めたマーケット

 

  • 日米株式市場で4-6月期決算発表に対する反応が目立ってきました。米国で貨物を運ぶ鉄道輸送大手のCSXが売上高見通しを引き下げ、17日のNY市場で同社株は約10%下落しました。米中貿易摩擦の影響が企業の物流に影響を与え始めたとの見方が強まり、景気への影響が懸念され株式市場の悪材料となりました。
  • 有料動画配信最大手の米ネットフリックスが17日発表した19年4-6月期の決算での新規有料会員数は3月末比で270万人の増加に留まり、会社予想の500万人の増加を下回ったとして、17日の時間外取引で株価は約13%下落しました。
  • 6月以降のNY株式市場はFRBの金融緩和が株価上昇のエンジンだったと考えられます。今回の四半期決算で企業実態が確認されるため、決算を受けたNY株式市場の下値抵抗力が試されると思います。
  • 18日の日経朝刊では、1面に精密大手のキヤノンの19年12月期の業績下方修正観測、決算面では自動車用ガラスの大手AGC(旧旭硝子)の1-6月期の連結営業利益の減益幅拡大観測、自動車部品やスマホ部材の大手NOKが発表した業績下方修正が報じられました。キヤノンは半導体業界の設備投資抑制、AGCは自動車用ガラスと液晶用ガラスの需要低迷、NOKは自動車部品とスマホ用部材の減少など米中貿易摩擦や世界的自動車生産の停滞といった影響を受けました。セクターの世界的企業の業績修正は他の企業の業績懸念の連想につながり、18日の東京株式市場で日経平均は400円を超す大幅下落となりました。
  • 海外市場と比べた日本株の出遅れの背景にあるのは、海外投資家の売買が細っていることが一つの理由です。景気減速を背景に海外企業と比べて日本企業の業績に対する期待値が低下していることが影響しています。10月の消費増税による消費への影響も意識され始めています。こうした観点から7、8月にかけての20年3月期第1四半期(4-6月期)決算は極めて重要です。先述の3銘柄のケースにあるように足元のマクロ環境からみれば、今回の決算は厳しい結果となることが想定されます。
  • 同様に厳しい環境にあったのが2015年8月のチャイナショック後の2016年度の上期(4-9月期)決算です。当時は大幅な業績予想の下方修正によってリビジョンインデックス(当初の業績予想から「上方修正された銘柄の比率」から「下方修正された銘柄の比率」を差し引いて算出した指数)が底打ちし、低迷していたバリュエーションも反転。不確実性の低下に伴う設備投資の再拡大も相俟って、日本株の出遅れは修正されました。足元の日本株の出遅れ環境についても、似たような条件を満たすことで反発に向かう公算が大きいと見られます。
  • 6月の日銀短観の売上・収益計画において、大企業・製造業の経常利益は19年上期に前年同期比マイナス15.1%と3月時点の計画から10.4%ポイントも下方修正されたものの、19年下期は同1.4%増と同0.4%ポイントの下方修正に留まっています。一方、非製造業は19年上期にマイナス4.2%と3月時点の予想2.9%ポイント下方修正されましたが、19年下期はプラス1.8%と3月時点から4.9%ポイントの上方修正となりました。第1四半期決算で業績の下方修正が相次げば、逆に業績の底入れを確認する格好となり、景気に先んじて株価が上昇に転じる可能性があります。

 

 

東京株式市場

  • 日経平均株価:21,046.24(前日比-422.94円)
  • TOPIX:1,534.27ポイント(前日比-33.14ポイント)

 

 

データを参照したサイト(ダウ30種銘柄の上昇・下落寄与度はこちら↓)

https://nikkei225jp.com/nasdaq/

 

 

(お願い)

海外市場のデータは取得時のものであり、速報値の可能性があります。

閲覧・購読者自身でご確認いただきますようお願いします。

 

以上

 

 

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