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2019年7月17日
【ブラジル、年金改革で前進、今後は利下げで景気刺激策に注目】(7月17日配信)

メルマガ 2019年7月17日(水)

 

おはようございます。

 

【ブラジル、年金改革で前進、今後は利下げで景気刺激策に注目】

 

 

【16日の海外市場】  

 

市場予想を上回る米経済指標を受けて米長期金利が上昇しドル高、株価指数は小幅に反落

 

  • 16日の米金融市場は、発表された米経済指標が市場予想を上回り10年国債利回りは2.12%と再び2.1%台に乗せました。一時2.14%まで上昇する場面がありました。ドル円相場は1ドル=108.20円と前日(107.85円)と比べてドル高・円安で引けました。NY市場で主要3指数は小幅に下落しました。
  • NYダウ平均は前日比23ドル安の27,335ドルと小幅に5営業日ぶりに反落しました。決算説明会の内容で医薬品事業の業績下振れリスクが警戒されたジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)が前日比1.6%下落しました。マイクロソフトは同1.3%下落、原油相場の下落を受けてエクソンモービルやシェブロンが下落しダウ平均を引き下げました。
  • 半面、工業用材料のスリーエムが前日比2.1%高と大きく買われダウ平均を押し上げました。朝方発表した決算が市場予想を上回ったゴールドマン・サックスが前日比1.8%高と買われたほか、JPモルガン・チェースも同1.0%高とダウ平均を支えました。この3銘柄でダウ平均を約58ドル押し上げています。
  • S&P500種指数は前日比10ポイント(0.34%)安と6日ぶりに反落しました。セクター別では資本財・サービス、素材、生活必需品が高く、エネルギー、情報技術、公益事業などが下落しました。
  • ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は前日比35ポイント(0.43%)安と3日ぶりに反落しました。大型IT関連ではアルファベットやフェイスブックが高く、アマゾン・ドット・コムとネットフリックスが下落するなど高安まちまちでした。半導体関連はインテルが前日比1.9%下落したほか、ブロードコム、アドバイスド・マイクロ・デバイシズ、ザイリンクスなど総じて安く、フィラデルフィア半導体指数(SOX指数)は前日比1.07%下落しました。

 

 

米国金融市場の主な指標

 

金利・為替

  1. 米10年国債利回り:2.10%(前日2.09%)
  2. ドル円相場:1ドル=108.20-108.30円(前日107.85-107.95円)

 

株式相場

  1. ニューヨークダウ30種平均:27,335.63ドル(前日比-23.53ドル)
  2. ダウの主な上昇寄与:ゴールドマン・サックス、スリーエム、JPモルガン・チェースなど
  3. ダウの主な下落寄与:ジョンソンエンドジョンソン、マイクロソフト、ホームデポなど
  4. S&P500種株価指数:3,004.04ポイント(前日比-10.26ポイント)
  5. S&P業種別上昇セクター:資本財・サービス、素材、生活必需品
  6. S&P業種別下落セクター:エネルギー、情報技術、公益事業など
  7. ナスダック総合株価指数:8,222.80ポイント(前日比-35.39ポイント)
  8. フィラデルフィア半導体指数(SOX指数):1,499.64ポイント(前日1,515.92ポイント)
  9. 米VIX指数(恐怖指数):12.86(前日12.68)

 

商品

  1. ニューヨークWTI原油先物1バレル=57.62ドル(前日比-1.96ドル)
  2. ニューヨーク金先物1トロイオンス=1,411.2ドル(前日比-2.3ドル)

 

 

マーケットが注目したと思われる主な材料

 

  • 6月の米鉱工業生産は前月比変わらずと市場予想(0.1%上昇)を下回った。ただし内訳としての製造業生産は前月比0.4%上昇と市場予想の同0.3%上昇を上回った。自動車・同部品の生産は同2.9%上昇となり、堅調な自動車生産の伸びが寄与した。不安定な通商政策や世界的な景気減速にもかかわらず、米製造業が生産の基盤を再び強化している状況が示唆された。
  • 6月の米小売売上高は前月比0.4%増と市場予想の同0.2%増を大幅に上回った。前月は0.4%増に下方修正(速報値0.5%増)された。自動車とガソリンを除く小売売上高も0.7%増えた。引き続き米個人消費は堅調に推移しているといえる。米長期金利上昇の材料となった。
  • ロイターの報道によると中国の地方政府による債券の純発行高が6月は7,170億元(1,043億ドル)に急増し、年初来最高となったことが財政省当局者の話で16日、明らかになった。6月分だけで上半期の発行高の約3分の1に相当した。上半期の地方政府の純債券発行額は2兆1,765億元と、年間割当の70.7%に相当した。調達された資金のうち、60%超が都市再開発のほか、高速道路や鉄道の建設などのインフラ投資に振り向けられた。中国でインフラ投資が実際に動き始めたことが示唆される。

 

 

【今日のポイント】 

 

ブラジル、年金改革で前進、今後は利下げで景気刺激策に注目

 

  • ブラジル経済ならびに金融市場を見るうえで今年最大の注目材料だった年金制度改革法案が7月10日にブラジル議会下院で可決されました。賛成票は379票と可決に必要だった308票(総議席513の5分の3)を大幅に上回っており、下院での再採決、続く上院での2回目の採決を無難に可決し、年内に法案が成立するとの期待が高まっています。
  • 年金制度改革法案は年金の給付年齢の引き上げなどを通じて財政悪化に歯止めをかけ、金利低下と経済成長を促すことが狙いで、今年1月に発足したボルソナル政権の目玉となる政策です。ただし、国民に痛みを強いる政策であることや、議会工作が難航したことから審議は遅れがちになっていましたが、先週、ついに下院で可決されました。
  • 年金制度改革進展への期待によりブラジルの株価指数ボベスパは6月19日に100,000ポイントを突破(2018年末は87,887ポイント)、ブラジルの10年国債利回りは6月13日に8%(2018年末は9.212%)を割り込むほど大きく低下(債券価格は上昇)するなど、ブラジル市場は6月後半から株高・債券高となりました。今回の可決で不透明感が後退しさらなるブラジル資産市場への資金流入が期待されます。
  • 一方、ブラジル中銀は2019年のブラジルの経済成長率見通しを3月のプラス2%から6月にプラス0.8%へ引き下げるなど景気悪化懸念が強まっています。1-3月期の実質GDP成長率は前期比マイナス0.2%とマイナス成長に陥りました(前年同期比はプラス0.5%)。失業率が二桁台で推移するなど労働市場が弱く、GDPの約7割を占める消費の伸びが鈍化しました。
  • 米中の貿易摩擦や政権の政策不透明感から企業は投資に慎重になっています。1月に発生した死者134名という鉄鋼石ダムの決壊事故で鉱山企業が操業停止に追い込まれたことも鉱工業生産に響いた模様です。輸出に目を向けても景気悪化が著しいアルゼンチン向け自動車や、豚コレラによる中国向け大豆輸出の鈍化も影響しました。
  • 年金改革への不透明感が後退したことにより、今後は景気刺激策としての利下げが期待されます。5月のブラジルのインフレ率は前年同月比プラス4.66%と、中銀の目標である4.25%プラスマイナス1.5%(2.75~5.75%)の範囲内にあり、利下げカードが使える状況です。足元の相場展開はやや期待先行の不安定な面もありますが、中銀利下げにより景気回復無空けば、より安定感のある株高・債券高が期待できそうです。

 

 

東京株式市場

  • 日経平均株価:21,535.25(前日比-150.65円)
  • TOPIX:ポイント1,568.74(前日比-7.57ポイント)

 

データを参照したサイト(ダウ30種銘柄の上昇・下落寄与度はこちら↓)

https://nikkei225jp.com/nasdaq/

 

 

(お願い)

海外市場のデータは取得時のものであり、速報値の可能性があります。

閲覧・購読者自身でご確認いただきますようお願いします。

 

以上

 

 

 

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