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2019年7月10日
【日韓の政治的軋轢、インバウンド消費への影響は限定的か】(7月10日配信)

メルマガ 2019年7月10日(水)

 

おはようございます。

 

【日韓の政治的軋轢、インバウンド消費への影響は限定的か】

 

 

【9日の海外市場】  

 

米長期金利が上昇し1ドル=108円台後半までドル高・円安、米株式市場は主要株価指数が高安まちまち

 

  • 9日の米金融市場は、パウエルFRB議長による米議会証言を前に様子見姿勢が続き、主要株価指数は高安まちまちの展開でした。米長期金利は2.06%と前日の2.04%から上昇(債券価格は下落)しました。主要6通貨に対するドル指数は一時6月19日以来の高値まで買われ、ドル円相場は1ドル=108.80円と前日比ドル高・円安で引けました。
  • NYダウ平均は前日比22ドル安の26,783ドルと3日続落となりました。FRBによる大幅な利下げ観測が後退しており、朝方は売りが先行し下げ幅は一時140ドルを超えました。S&P500種とナスダック総合は反発しました。パウエルFRB議長の議会証言を10~11日に控えて様子見の投資家も多く、引けにかけて下げ幅を縮める展開となりました。
  • 航空機のボーイングや金融のゴールドマン・サックス、クレジットカードのビザ、アップルが買われダウを押し上げました。半面、工業製品・事務用品大手のスリーエム(3M)、大手医療保険のユナイテッドヘルス・グループ、P&Gなどヘルスケアも下落しました。スリーエムはアナリストの投資判断引き下げを受けて2%安で引け1銘柄でダウ平均を23ドル引き下げました。一時は前日比2.9%安まで売られる場面がありました。化学大手のダウも同1.3%下落しました。ドイツの化学大手BASFが需要の弱さを理由に8日に業績見通しを下方修正したのも収益懸念を誘いました。
  • S&P500種指数は前日比3ポイント(0.12%)高と反発しました。セクター別では不動産、金融、一般消費財、情報技術などが高く、素材、生活必需品、資本財・サービスが下落しました。
  • ハイテク株の比率が高いナスダック総合指数は前日比43ポイント(0.54%)高と反発しました。フェイスブックが前日比1.7%高、アマゾン・ドット・コムが同1.8%高、ネットフリックスが同1%高、アルファベットが同0.7%高と大型IT関連が堅調でした。半導体関連ではアドバンスト・マイクロ・デバイシスが前日比3.4%高、マイクロン・テクノロジーが同2.3%高、ザイリンクスが同1.2%高など総じて高く、フィラデルフィア半導体指数(SOX指数)は1,461と前日比0.74%上昇しました。

 

 

米国金融市場の主な指標

 

金利・為替

  1. 米10年国債利回り:2.06%(前日2.04%)
  2. ドル円相場:1ドル=108.80-108.90円(前日108.70-108.80円)

 

株式相場

  1. ニューヨークダウ30種平均:26,783.49ドル(前日比-22.65ドル)
  2. ダウの主な上昇寄与:ボーイング、ゴールドマン・サックス、ビザ、アップルなど
  3. ダウの主な下落寄与:スリーエム、ユナイテッドヘルス・グループ、IBMなど
  4. S&P500種株価指数:2,979.63ポイント(前日比+3.68ポイント)
  5. S&P業種別上昇セクター:不動産、金融、一般消費財、情報技術など
  6. S&P業種別下落セクター:素材、生活必需品、資本財・サービス
  7. ナスダック総合株価指数:8,141.73ポイント(前日比+43.35ポイント)
  8. フィラデルフィア半導体指数(SOX指数):1,461.21ポイント(前日1,450.41ポイント)
  9. 米VIX指数(恐怖指数):14.09(前日13.96)

 

商品

  1. ニューヨークWTI原油先物1バレル=57.83ドル(前日比+0.17ドル)
  2. ニューヨーク金先物1トロイオンス=1,400.5ドル(前日比+0.5ドル)

 

 

マーケットが注目したと思われる主な材料

  • 5月の米求人労働移動調査(JOLTS)は、求人件数(季節調整済み)が前月比4万9,000件減の732万3,000件となった。求人率は4.6%と、前月の4.7%から低下した。採用件数は26万6,000件減の570万件。専門職やビジネスサービス部門の減少が目立った。労働省発表の米5月雇用統計では、非農業部門雇用者数の伸びが大幅に鈍化した背景には、採用件数の減少があったと考えられる。なお、6月の米雇用者数は大幅に増加しており、米労働市場がなお堅調な状況にあることが示唆されている。
  • 欧州中央銀行(ECB)専務理事兼首席エコノミストのフィリップ・レーン氏は9日、ECBには必要に応じて行動を起こす用意があり、インフレ率の目標達成に向けた手段を有していると述べた。レーン氏はECBの金融政策の司令塔となる人物といわれる。レーン氏は「インフレ率をECBの目標に向けた軌道に維持するために、必要に応じて行動を起こす用意がある」とし、「ECBは政策ツールを有しており、これまでも様々なリスクの根源にうまく対応してきた」と述べた。
  • 国際半導体製造装置材料協会(SEMI)は9日、半導体製造装置の2019年の世界販売額が前年比18%減の527億ドル(約5兆7,380億円)になるとの見通しを発表した。メモリー市況の悪化や貿易摩擦を受けて半導体メーカーが設備投資を抑えており、18年末時点の予想(596億ドル)から引き下げた。マイナスは4年ぶり。半導体関連銘柄にとって悪材料出尽くしの材料となるか注目される。

 

 

【今日のポイント】 

 

日韓の政治的軋轢、インバウンド消費への影響は限定的か

 

  • 日韓の政治的関係悪化による報復合戦が連日報道されています。日本政府が韓国向け半導体材料の輸出管理を強化したことに対して、8日には韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領が「日本側の措置撤回と両国間の誠意ある協議を促す」と発言し、この問題に初めて言及しました。
  • 最近、韓国のオンライン掲示板などで「日本製品不買」、「日本旅行中止」の民間での呼びかけが始まっている模様です。8日のNHKニュースでは、韓国のスーパーで日本製品が陳列棚から撤去されている場面が放映され、インタビューされたオーナーらしき韓国人が日本政府に抗議するという趣旨の発言をしていました。
  • 2018年に日本を訪れた外国人観光客は3,119万人、このうち韓国人は前年比5.6%増の754万人と中国人(同13.9%増の838万人)に次ぐ2位を占めます。逆に韓国を訪れた日本人観光客は294万人と同27.6%も増えました。日韓双方の旅行需要は大きく拡大しています。特に対中関係の悪化で中国人観光客が減少し、経済の停滞に苦しむ韓国からすれば日本人の観光客を大事にしたいはずです。
  • 日本と韓国は以前からこうした政治的軋轢の中で、双方とも旅行需要は伸びてきた経緯があります。インバウンド消費への実際の影響は限られると考えられます。例えばインバウンド消費の代表である化粧品業界では、日本政府観光局(JNTO)の統計から推測されるインバウンドの化粧品需要の85%は中国人の需要によるものです(2018年度)。韓国人の需要は6%しかありません。お土産などモノへの需要という点では圧倒的に中国人の影響が大きいと考えられます。もっとも人口で見ても中国の14.1億人(2016年)に対して韓国は5,079万人と27分の1です。過度な心配は不要ではないかと考えます。

 

東京株式市場

  • 日経平均株価:21,565.15円(前日比+30.80円)
  • TOPIX:1,574.89ポイント(前日比-3.51ポイント)

 

データを参照したサイト(ダウ30種銘柄の上昇・下落寄与度はこちら↓)

https://nikkei225jp.com/nasdaq/

 

 

 

(お願い)

海外市場のデータは取得時のものであり、速報値の可能性があります。

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以上

 

 

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