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2019年7月4日
【米国は7月で過去最長の景気拡大期間を更新、なお記録更新は続く見通し】(7月4日配信)

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おはようございます。

 

【米国は7月で過去最長の景気拡大期間を更新、なお記録更新は続く見通し】

 

 

【3日の海外市場】  

 

世界的な金融緩和期待でNY市場主要3指数はそろって過去最高値更新

 

  • 3日の米金融市場は、世界的な金融緩和期待を背景にNYダウ平均は反発し、2018年10月3日以来、約9カ月ぶりに史上最高値を更新しました。ドイツの10年物国債利回りは一時マイナス0.39%台と過去最低を更新しました。米経済指標も市場予想を下回るものが多く、米長期金利は一時1.94%と2016年11月以来ほぼ2年8カ月ぶりの低水準を付けました。ドル円相場は1ドル=107.80円で取引を終了しました。
  • NYダウ平均は前日比179ドル(0.67%)高の26,966ドルと反発しました。引け値は2018年10月3日以来、約9カ月ぶりに史上最高値を更新しました。S&P500種指数は同22ポイント(0.77%)高の2,995ポイントと連日の史上最高値更新となりました。6月のADP全米雇用リポートで非農業部門の雇用者数(政府部門を除く)が市場予想をやや下回りました。6月の米ISM非製造業景況感指数も市場予想を下回り、FRBによる利下げ期待が株価を押し上げました。
  • 消費関連の上昇が目立ち、日用品大手の米プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)は史上最高値を更新、ジョンソンエンドジョンソン、マクドナルド、ホームデポなどがダウを押し上げました。S&P500種セクター別では11セクターすべてが上昇。配当利回りが相対的に高く金利低下で買われやすい不動産や公益事業、生活必需品、ヘルスケアなどが上昇率上位となりました。
  • ハイテク株の比率が高いナスダック総合指数は6日続伸し、前日比61ポイント(0.75%)高の8,170と5月3日以来2ヵ月ぶりに過去最高値を更新しました。アップルやアルファベット、フェイスブック、ネットフリックスなど主力株が軒並み上げました。半導体のブロードコムへの身売り報道が出たセキュリティーソフトのシマンテックが急伸し、ソフトウエア関連株全般に買いが広がりました。半導体関連は小幅に下落するものが多く、フィラデルフィア半導体指数(SOX指数)は前日比0.43%下落しました。
  • 投資家の不安心理を示す米VIX指数は12.57と前日の12.93からさらに低下、投資家のリスク許容度が高まっていることを示唆します。

 

 

米国金融市場の主な指標

 

金利・為替

  1. 米10年国債利回り:1.95%(前日2.02%)
  2. ドル円相場:1ドル=107.80-107.90円(前日107.85-107.95円)

 

株式相場

  1. ニューヨークダウ30種平均:26,966.00ドル(前日比+179.32ドル)
  2. ダウの主な上昇寄与:マクドナルド、ジョンソンエンドジョンソン、ホームデポなど
  3. ダウの主な下落寄与:JPモルガン・チェース、ダウ、キャタピラーなど
  4. S&P500種株価指数:2,995.82ポイント(前日比+22.81ポイント)
  5. S&P業種別上昇セクター:不動産、生活必需品、ヘルスケア、公益事業など
  6. S&P業種別下落セクター:なし
  7. ナスダック総合株価指数:8,170.23ポイント(前日比+61.14ポイント)
  8. フィラデルフィア半導体指数(SOX指数):1,470.49ポイント(前日1,476.83ポイント)
  9. 米VIX指数(恐怖指数):12.57(前日12.93)

 

商品

  1. ニューヨークWTI原油先物1バレル=57.34ドル(前日比+1.09ドル)
  2. ニューヨーク金先物1トロイオンス=1,420.9ドル(前日比+12.9ドル)

 

 

マーケットが注目したと思われる主な材料

 

  • 5月の製造業新規受注は前月比0.7%減った。2ヵ月連続でマイナスとなり、製造業が弱含み続けたことを示した。市場予想は0.5%減だった。4月分の減少率が当初公表の0.8%から1.2%に修正された。5月の前年同月比は0.9%増えた。
  • 6月の米ISM非製造業景況指数は55.1に低下し、前月の56.9から低下した。市場予想の中央値56.0をやや下回った。約2年ぶりの低水準となった。雇用指数の下げが大きく、全体の指数を押し下げた。
  • 米民間雇用サービス会社ADPが3日発表した6月の全米雇用リポートによると、非農業部門の雇用者数は前月から10万2,000人増にとどまった。増加幅は大幅に鈍化した前月(4万1,000人増)からは回復したが、市場予測(13万5,000人程度)にとどかなかった。

 

 

【今日のポイント】 

 

米国は7月で最長の景気拡大期間を更新、なお記録更新は続く見通し

 

  • 米景気は7月、2009年7月に始まった拡大局面が11年目に突入し記録が残る1850年以降で過去最長を更新した模様です。これまでの過去最長は1991年4月から2001年3月の丸10年でした。景気循環的には成熟期を迎えているのは事実であり、近い将来の景気後退を懸念する投資家は多いようです。しかし、すぐに失速する材料も見当たらず、なお米経済の拡大は続く見通しです。リスクは急増する企業の債務問題です。
  • 米国の景気サイクルが過去最長を更新したことは確かに節目ですが、景気サイクル期間自体は実際にそれほど重要ではありません。現在の景気サイクルは過去最長ですが、第二次世界大戦以降では最もぜい弱な伸び率にとどまっているためです。このサイクル中の米国の実質GDP成長率は累積で約20%、年率換算では約2%にとどまり、年率換算成長率は過去の景気回復局面では最も遅いペースとなっています。
  • 実質GDPの累積成長率が20%を超えたサイクル(1949年、1961年、1974年、1982年、1990年に始まったサイクル)は平均4年で景気サイクルは終了しています。つまり現在の景気サイクルは過去と比べて「細く、長い」という特徴があります。
  • 過去の景気後退の平均的なパターンは、低金利の長期化で企業や家計が債務を膨張させ、設備投資や住宅投資を拡大させる→資産市場では低金利を背景に資産価格が割高な水準まで買い進まれる→景気が過熱しインフレ率が徐々に上昇する→FRBが段階的な利上げを進める→長期金利上昇に耐えられなくなり投資が腰折れし、資産価格が下落する→景気後退、という経緯を辿ります。過去の景気後退は景気の行き過ぎと、急激な引き締めという政策の失敗がほとんどです。
  • 今回の景気サイクルは経済の7割を占める個人消費によって支えられています。完全雇用で所得が増加していることに加え、株式・不動産など資産価格の上昇で家計は負債以上に資産が増えていることが消費を押し上げています。所得に見合った消費なので貯蓄率も安定しています。
  • 経済成長への民間設備投資の寄与度は過去の成長局面ほど高くはなく、FRBが早いテンポで引き締めをする必要性が回避されています。過去の引き締め局面のFF金利のピークを見ると、1999年のケースで6.5%、2007年は5.25%まで引き上げられましたが、今回は2.50%をピークに早くも次回のFOMCで政策金利が引き下げる可能性が濃厚です。
  • 緩やかな経済成長と緩やかなインフレという制約の少ない政策環境下で、FRBの強い引き締めの必要性が長期的に低下し、多くの人が予想する以上に景気サイクルを長引かせている可能性があります。
  • ただし、金融緩和の長期化で米企業債務も膨張し、米GDP比で46%と2008年の金融危機を上回る高水準にあります。6月の米国の低格付け社債の発行が急増し250億ドル(約2兆7千億円)と1年9カ月ぶりの高水準になったという報道があります。米利下げ期待で社債の金利も下がり、信用力の低い企業も低利で資金調達しやすくなっているためです。何らかの材料でFRBが引き締めを再び強化した場合、企業の過剰債務問題が景気後退の引き金になる可能性があります。

 

 

東京株式市場

 

  • 日経平均株価:21,638.16円(前日比-116.11円)
  • TOPIX:1,579.54ポイント(前日比-10.30ポイント)

 

データを参照したサイト(ダウ30種銘柄の上昇・下落寄与度はこちら↓)

https://nikkei225jp.com/nasdaq/

 

 

(お願い)

海外市場のデータは取得時のものであり、速報値の可能性があります。

閲覧・購読者自身でご確認いただきますようお願いします。

 

以上

 

 

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