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2019年7月2日
【米中貿易摩擦は一旦休戦、中長期では中国の取り組み点検・評価の仕組みづくりがカギ】(7月2日配信)

メルマガ 2019年7月2日(火)

 

おはようございます。

 

【米中貿易摩擦は一旦休戦、中長期では中国の取り組み点検・評価の仕組みづくりがカギ】

 

 

【1日の海外市場】  

 

米中協議再開を好感しS&P500種は過去最高値更新、半導体が軒並み高

 

  • 1日の米金融市場は、米中貿易協議の再開で合意したことを受けて主要株価指数は続伸しました。多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数は3日続伸し、過去最高値を更新しました。米債券市場では米国債が売られ(長期金利は上昇)、ドル円相場は1ドル=108.40円のドル高・円安で終えました。
  • NYダウ平均は続伸し、前週末比117ドル(0.4%)高の26,717ドル引けました。米中首脳会談で貿易協議の再開で合意、米政府は追加関税「第4弾」の発動を見送ったほか、中国ファーウェイへの汎用品の輸出を認める方針を示したことで投資家心理が改善しました。半導体やIT(情報技術)関連、資本財の一角が買われ、ダウ平均は昨年10月につけた過去最高値を上回る場面がありました。
  • アップルが前週末比1.8%高と急伸しました。一時は前週末比3.3%高と、3週間ぶりの大幅上昇となりました。iPhone(アイフォーン)も課税対象となる関税第4弾がひとまず回避されたことを好感しました。投資家のリスク許容度が高まりアルファベット、アマゾン・ドット・コム、ネットフリックスなど大型IT関連も上昇しました。ハイテク株の比率が高いナスダック総合指数は4日続伸しました。
  • 中国ファーウェイへの一部制裁解除を好感し、ブロードコムは前週末比4.3%高、クアルコムは同1.9%高、ザイリンクスは同2.7%高。マイクロン・テクノロジーは同3.9%高となるなど、半導体関連は軒並み大幅上昇となりました。フィラデルフィア半導体指数(SOX指数)は同2.65%の大幅上昇となりました。
  • WTI原油先物は前週末比0.62ドル高の1バレル=59.09ドルで取引を終えました。一時60.28ドルと期近物として5月下旬以来の高値をつけました。ロイター通信が1日、OPECがウィーンで開いた定例総会で協調減産を9カ月延長することで合意したと伝えたことが材料視されました。

 

 

米国金融市場の主な指標

 

金利・為替

  1. 米10年国債利回り:2.02%(前日2.00%)
  2. ドル円相場:1ドル=108.40-108.50円(前日107.90-108.00円)

 

株式相場

  1. ニューヨークダウ30種平均:26,717.43ドル(前日比+117.47ドル)
  2. ダウの主な上昇寄与:アップル、ホームデポ、ゴールドマン・サックスなど
  3. ダウの主な下落寄与:ボーイング、マクドナルド、ユナイテッドヘルス・グループなど
  4. S&P500種株価指数:2,964.33ポイント(前日比+22.57ポイント)
  5. S&P業種別上昇セクター:情報技術、金融、一般消費財など
  6. S&P業種別下落セクター:公益事業、不動産
  7. ナスダック総合株価指数:8,091.16ポイント(前日比+84.92ポイント)
  8. フィラデルフィア半導体指数(SOX指数):1,497.55(前日1,458.96ポイント)
  9. 米VIX指数(恐怖指数):14.06(前日15.08)

 

商品

  1. ニューヨークWTI原油先物1バレル=59.09ドル(前日比+0.62ドル)
  2. ニューヨーク金先物1トロイオンス=1,389.3ドル(前日比-24.4ドル)

 

 

マーケットが注目したと思われる主な材料

 

  • 6月の米ISM製造業景気指数は51.7と、前月の52.1から低下し、2016年10月以来約2年半ぶりの低水準を記録した。ただし市場予想の51.0は上回った。同指数は50が判断の分かれ目となる。内訳では新規受注が2.7ポイント低下の50.0と、15年12月以来の低水準。価格指数は5.3ポイント低下の47.9だった。一方、雇用は0.8ポイント上昇の54.5となった。対中関税引き上げの影響に加え、米航空機大手ボーイング737MAX型機の運航停止に伴い同機の生産が縮小していることも活動全般を下押しした模様。
  • 米商務省が1日発表した5月の米建設支出は前月比0.8%減と、2018年11月以来の大幅な減少となった。市場予想は0.1%増だった。4月は当初発表の横ばいから0.4%増へ上方改定された。民間部門は前月比0.7%減った。民間部門のうち住宅が0.6%減ったほか、住宅以外も0.9%減った。5月の前年同月比は2.3%減だった。

 

【今日のポイント】 

 

米中貿易摩擦は一旦休戦、中長期では中国の取り組み点検・評価の仕組みづくりがカギ

 

  • 6月29日の米中首脳会談で、米中首脳が貿易協議の再開で合意したことを受け、1日の東京株式市場では売り方の買い戻しの動きが加速しました。米国は関税第4弾の発動を先送りしただけでなく、トランプ大統領は中国ファーウェイへの制裁解除に言及したことがサプライズとなりました。1日の上海総合指数が前週末比2.2%高と大幅に上昇したことも投資家心理を改善させました。電子部品や半導体関連に加えFA・工作機械など設備投資関連株の好材料となりました。
  • 中国国家統計局が6月30日に発表した中国の6月の製造業PMIは49.4と連続で景況判断の分岐点となる50を割り込みました。なかでも輸出受注指数は46.3と2015~16年のチャイナショック時を下回る悪化となりました。5月以降の米中貿易摩擦の再燃で設備投資マインドの悪化が続いていた模様です。貿易摩擦の休戦により中国企業の景況感が底入れするかが注目されます。ファーウェイへの制裁解除が実現すれば中国企業の設備投資マインドは緩やかに改善すると考えられます。
  • 1日の東京市場で日経平均は前週末比454円(2.13%)高の21,729円と大きく反発しました。TOPIX33業種では海運、金属、電機、機械など景気敏感業種が上昇率上位となりました。日経平均採用銘柄では東京エレク、ファナック、TDK、ダイキンなど半導体関連、電子部品、FA・設備投資関連が上昇寄与度の上位を占めました。なお世界的空調機器メーカーのダイキンは、28日にフランスで気温が観測史上最高の45.9度を記録するなど欧州で熱波が到来、南欧で普及が遅れている家庭用エアコンの普及拡大を材料にしている模様です。
  • 日経平均は日足一目均衡表の先行スパン(雲)の上限21,557円を上回りました。さらにより強い抵抗ラインといわれる週足一目均衡表の先行スパンの上限21,713円もわずかに上回って引けました。2日以降、明確に21,713円を上回れば22,000円台へのキャッチアップも期待できると思います。
  • ちなみに、中長期トレンドを見るうえで最も重要といわれる200日移動平均線を本日上回りました。日経平均が200日線を下から上にブレイクするのは4月15日以来です。日経平均が持続的な上昇トレンドに回帰するためには、この水準を維持し下値を切り上げる強さが必要です。
  • 米中貿易協議に対する楽観姿勢はまだ早いと考えられます。今回の合意は交渉のテーブルに戻ったに過ぎません。中国の人権問題を批判する内容のペンス副大統領の演説が6月に2回も延期されたことは、トランプ大統領が今回の米中首脳会談で一時的な停戦を模索していた可能性が濃厚です。
  • 米中の根本的な対立は覇権国家の相克の印象が強く、「米国に追い付き、追い越せ」の中国と、中国を押さえ込みたい米国の国家戦略の衝突です。来年11月の米大統領選前までには一定の合意を見ると思いますが、両国が相互に発動したこれまでの制裁関税措置が解除されて初めて貿易協議が合意したと判断されるでしょう。
  • 今後の米中貿易交渉は協議再開のスケジュールや中国の対応が焦点となります。特に米国が問題視する中国の取り組みを点検・評価する仕組みづくりが重要です。今後の交渉次第では米国が再び追加制裁関税を持ち出す可能性はあります。米中協議は長期化することを前提にマーケットを見ることが重要と思われます。

  

 

東京株式市場

 

  • 日経平均株価:21,729.97円(前日比+454.05円)
  • TOPIX:1,584.85ポイント(前日比+33.71ポイント)

 

データを参照したサイト(ダウ30種銘柄の上昇・下落寄与度はこちら↓)

https://nikkei225jp.com/nasdaq/

 

 

(お願い)

海外市場のデータは取得時のものであり、速報値の可能性があります。

閲覧・購読者自身でご確認いただきますようお願いします。

 

以上

 

 

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