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2019年6月26日
【2020年大統領選から逆算したベストな米中貿易協議合意のタイミング】(6月26日配信)

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おはようございます。

 

【2020年大統領選から逆算したベストな米中貿易協議合意のタイミング】

 

 

【25日の海外市場】  

 

パウエル議長の発言や弱い米経済指標を受けNYダウは前日比180ドル安

 

  • 25日の米金融市場は、弱い米経済指標の発表を受けて債券が買われ(長期金利は低下)、NY株式市場では主要株価指数が下落しました。マイクロソフトが前日比3%超下落したほかアルファベット、アップルなど大型IT関連の下落を受けナスダック総合はダウ平均を上回る下落率となりました。
  • NYダウ平均は前日比179ドル(0.67%)安の26,548ドルと反落しました。消費者信頼感指数や新築一戸建て住宅販売など25日発表の米経済指標が軒並み振るわず、米景気の減速懸念が強まりました。米FRBのパウエル議長が25日の講演で「(貿易摩擦などの)不確実性に対応して利下げが必要か精査している」と述べ、発言のトーンが慎重だったとして利下げ期待がやや後退しました。
  • S&P500種指数は前日比27ポイント(0.95%)下落しました。セクター別では情報技術が最大の下落率となり、コミュニケーション、不動産、一般消費財などが下落しました。素材が変わらずで引けました。
  • ハイテク株の比率が高いナスダック総合指数は前日比120ポイント(1.51%)安と、下落率はダウ平均やS&P500種を上回りました。アナリストが「株価水準が高すぎる」と指摘したマイクロソフトが同3.1%下落しました。アルファベットは同2.6%下落、ネットフリックスは2.8%下落、フェイスブックは同2%下落、アップルも同1.5%下落しました。
  • インテル、ブロードコム、クアルコム、ザイリンクスなど半導体関連も総じて安くフィラデルフィア半導体指数(SOX指数)は前日比1.48%下落しました。投資家の不安心理を示す米VIX指数は16.28と前日の15.26からやや悪化しました。
  • ニューヨーク金先物相場は米国とイランの緊張の高まりを受け小幅に4日続伸、前日比0.5ドル高の1トロイオンス1418.7ドルで引けました。一時1442.9ドルと中心限月としてほぼ6年ぶりの高値をつけました。

 

 

米国金融市場の主な指標

 

金利・為替

  1. 米10年国債利回り:1.98%(前日2.01%)
  2. ドル円相場:1ドル=107.15-107.25円(前日107.25-107.35円)

 

株式相場

  1. ニューヨークダウ30種平均:26,548.22ドル(前日比-179.32ドル)
  2. ダウの主な上昇寄与:マクドナルド、ジョンソンエンドジョンソン、トラベラーズなど
  3. ダウの主な下落寄与:ボーイング、マイクロソフト、アップル、ビザなど
  4. S&P500種株価指数:2,917.38ポイント(前日比-27.97ポイント)
  5. S&P業種別上昇セクター:なし
  6. S&P業種別下落セクター:情報技術、コミュニケーション、不動産、一般消費財など
  7. ナスダック総合株価指数:7,884.72ポイント(前日比-120.98ポイント)
  8. フィラデルフィア半導体指数(SOX指数):1,391.12ポイント(前日1,412.08ポイント)
  9. 米VIX指数(恐怖指数):16.28(前日15.26)

 

商品

  1. ニューヨークWTI原油先物1バレル=57.83ドル(前日比-0.07ドル)
  2. ニューヨーク金先物1トロイオンス=1,418.7ドル(前日比+0.5ドル)

 

 

マーケットが注目したと思われる主な材料

 

  • 6月の米消費者信頼感指数は121.5と、前月から9.8ポイント低下し、17年9月以来の低水準を付けた。予想の131.1も下回った。低下幅は15年7月以来最大。前月の指数は131.3と、134.1から下方修正された。現況指数が162.6と、前月の170.7から低下。期待指数も94.1と、前月の105.0から低下した。米中貿易戦争を巡る懸念が重石となり、労働市場などを巡る消費者の見方がこれまでよりも悲観的になっていることが示された。
  • 米商務省が発表した5月の新築一戸建て住宅の販売戸数(季節調整済み)は年率換算で前月比7.8%減の62.6万戸と、市場の増加予想に反し、昨年12月以来の水準に落ち込んだ。減少は2カ月連続で、住宅ローン金利の低下が住宅販売の支えとなっていない様子が浮き彫りになった。アナリスト予想は前月比1.9%増の68万戸だった。
  • 米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は25日のニューヨークでの講演で「金融緩和の必然性は高まっているが、個別のデータや短期的な心理の振幅に過剰反応しないようにも注意している」と指摘した。市場ではFRBが7月末の次回会合で金融緩和に転じるとみているが、市場の過度な利下げ圧力をけん制したものだ。

 

 

【今日のポイント】 

 

2020年11月の米大統領選から逆算したベストな米中貿易協議合意のタイミング

 

  • 先週の米FOMCでは政策金利は据え置かれたものの、前回まで声明文に盛り込まれていた「忍耐強くなれる」との表現が削除された一方、「景気拡大維持のため適切に行動する」との文言が新たに盛り込まれました。同時に公開されたFOMC参加者の政策金利見通し(ドットチャート)では、前回まで0人だった年内の利下げ予想が一気に8人に増加、うち7人が「年内2回」を示唆する0.5%の利下げを想定していたことが判明すると、ドル安・円高が加速しました。
  • 今回のFOMCを受けて、FF金利先物市場では「年内2回」の利下げを96%、「年内3回」を67%の高い確率で織り込みました。現在のFF金利(2.25~2.50%)からみて、0.25%ずつ2回の利下げか、利下げ打ち止め感を出すために7月に一気に0.5%の利下げを予想する米系エコノミストもいます。
  • 今年後半のFOMCは7月、9月、10月、12月の4回しかありません。現在の米失業率は50年ぶりに低い水準(5月は3.6%)にあります。米10年国債利回り(24日時点で2.01%)や2年債利回り(同1.75%程度)との逆イールド解消を狙い2回程度ならともかく、本当に3回も利下げをしなければならないほど米景気に下振れリスクがあるとは思えません。今後の指標を注意深く見る必要はあるものの、経済指標やグローバルな政治情勢次第で参加者の金利観も為替相場も揺り戻しが十分に考えられます。
  • 当面の注目材料は週末の米中首脳会談です。米中首脳が直接会うからには「交渉決裂」のシナリオは回避される可能性はあると考えられます。5月に対中製品2,000億ドルにかける制裁関税を25%に引き上げた後、想定以上に中国が態度を硬化したことも踏まえ、今回はひとまずの停戦や交渉継続合意といった落とし所が考えられます。中国は北朝鮮カードを交渉の駆け引きに使う可能性もあります。
  • 2020年の米国の大統領選は11月ですが、有権者が最も重視するのは当然経済です。先週米大統領選への出馬を早々に表明したトランプ大統領にとって、選挙前の景気失速は絶対に回避する必要があり、景気のムードを保つためには株価に対する配慮はこれから一段と強くなると見られます。
  • 11月の大統領選から逆算して、有権者の投票行動から考えると景気(または株価のモメンタム=上昇の勢い)のピークは2020年の4-6月期に迎えることがベストだと言われます。つまり、今年の早い段階で米中貿易協議がまとまって、現在減速基調にある製造業が早い段階で息を吹き返すと、途中で息切れし来年4-6期まで持続できない可能性があるわけです。
  • 逆説的ですが今回の米中首脳会談でもタイミングとしては早すぎで、むしろ、秋口(10-12月頃)に米中間で一定の合意がなされることがベストです。10月1日は中国の建国70周年です。最大の祝福になります。秋口には恐らくトランプ政権としては景気対策としてインフラ投資の政策が浮上していると思われます。米国もここから製造業が息を吹き返せば、来春頃にかなりいいムードになっているでしょう。あくまでも一つの仮説ですが、あり得るシナリオだと思います。

 

 

東京株式市場

 

  • 日経平均株価:21,193.81円(前日比-92.18円)
  • TOPIX:1,543.49ポイント(前日比-4.25ポイント)

 

データを参照したサイト(ダウ30種銘柄の上昇・下落寄与度はこちら↓)

https://nikkei225jp.com/nasdaq/

 

 

 

(お願い)

海外市場のデータは取得時のものであり、速報値の可能性があります。

閲覧・購読者自身でご確認いただきますようお願いします。

 

 

以上

 

 

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