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2019年6月25日
【円高の背景に投機筋の円売りポジションの巻き戻し】(6月25日配信)

メルマガ 2019年6月25日(火)

 

おはようございます。

 

【円高の背景に投機筋の円売りポジションの巻き戻し】

【投機筋の金先物買い越しポジションが急増】

 

 

【24日の海外市場】  

 

NYダウは小幅反発、米中首脳会談に対する期待が支える

 

  • 24日の米金融市場は、債券が買われ(長期金利は低下)NY株式市場は小動きでした。イランの地政学リスクが意識され安全資産としての米債券市場に資金が入り長期金利は2.01%と前週末の2.05%から低下しました。株式市場は相場材料が少なくナスダック総合とS&P500種は続落しましたが、NYダウは中国関連の上昇がけん引し小幅に反発しました。
  • NYダウ平均は前週末比8ドル高の26,727ドルと小幅に反発しました。米中の貿易協議の事務レベル会合が再開したことが明らかになり、中国への収益依存度が高い航空機のボーイングや建機のキャタピラーなどが買われました。大手医療保険グループのユナイテッドヘルス・グループが前週末比1%下落し1銘柄でダウ平均を約26ドル引き下げました。トランプ大統領が保険会社や病院に対して事前に医療費を提示するように求めるなど、医療の透明性を高める大統領令を24日にも出すと伝わり、規制強化への懸念が広がりました。
  • ハイテク株の比率が高いナスダック総合指数は小幅に続落しました。フェイスブック、アマゾン・ドット・コム、ネットフリックスなど大型IT関連は堅調に推移しました。製薬大手のブリストル・マイヤーズスクイブが同業セルジーンの買収完了が遅れると発表し、再編期待が後退したバイオ薬関連の銘柄が売られ、指数を押し下げました。
  • 投資家の不安心理を示す米VIX指数は15.26と前週末の15.40からやや低下しました。インテルやブロードコム、クアルコム、アドバンスド・マイクロ・デバイシズ(AMD)、ザイリンクス、エヌビディアが上昇しフィラデルフィア半導体指数(SOX指数)は前週末比0.11%上昇しました。

 

 

米国金融市場の主な指標

 

金利・為替

  1. 米10年国債利回り:2.01%(前日2.05%)
  2. ドル円相場:1ドル=107.25-107.35円(前日107.25-107.35円)

 

株式相場

  1. ニューヨークダウ30種平均:26,727.54ドル(前日比+8.41ドル)
  2. ダウの主な上昇寄与:ボーイング、ゴールドマン・サックス、ユナイテッド・テクノロジーズなど
  3. ダウの主な下落寄与:ホームデポ、ユナイテッドヘルス・グループ、ナイキなど
  4. S&P500種株価指数:2,945.35ポイント(前日比-5.11ポイント)
  5. S&P業種別上昇セクター:素材、生活必需品、情報技術など
  6. S&P業種別下落セクター:エネルギー、一般消費財、ヘルスケアなど
  7. ナスダック総合株価指数:8,005.70ポイント(前日比-26.01ポイント)
  8. フィラデルフィア半導体指数(SOX指数):1,412.08ポイント(前日1410.5ポイント)
  9. 米VIX指数(恐怖指数):15.26(前日15.40)

 

商品

  1. ニューヨークWTI原油先物1バレル=57.90ドル(前日比+0.47ドル)
  2. ニューヨーク金先物1トロイオンス=1,418.2ドル(前日比+18.1ドル)

 

 

マーケットが注目したと思われる主な材料

 

  • 中国の王受文商務次官が24日の記者会見で、米中の貿易協議を事務レベルで再開したことを明らかにした。G20サミットに合わせて習近平国家主席とトランプ米大統領が会談するのに向けた事前の調整。
  • ドイツのIFO経済研究所が発表した6月の業況指数は97.4と、前月の97.9から低下した。低下は3ヵ月連続。2014年11月以来の低水準となった。ただし市場予想の97.2は上回った。
  • 米議会下院金融サービス委員会は24日、米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長の金融政策に関する議会証言を7月10日に予定していると発表した。FRBは通常2月と7月の年2回、金融政策報告書(通称ハンフリー・ホーキンス報告書)を議会に提出し、これに併せて上下両院で証言する。議会証言の日程は次回のFOMC(7月31日)より早く開催されることになった。7月5日に発表される米雇用統計やインフレ指標次第では利下げの可能性を示唆する可能性がある。

 

 

【今日のポイント】 

 

円高の背景に投機筋の円売りポジション巻き戻し

 

  • 米商品先物取引委員会(CFTC)によると、投機筋の円売り越しポジションが急激に縮小しています。5月まではドル円相場が1ドル=111円台を維持する中、投機筋は巨額の円売りを行っていましたが、5月の連休以降に円売りポジションを解消し、円買い(ドル売り)を行っています。これが107円台の円高・ドル安の背景です。
  • 投機筋の円売り越しポジションは4月30日に99,599枚(金額ベースでは1兆2,450億円)と年初来の最高になった後は縮小に転じ、6月18日時点では16,565枚(同2,071億円)まで縮小しました。ピークから見れば6分の1まで縮小したことになります。米景気減速懸念や米中貿易協議への失望などで米長期金利は4月30日の2.50%から6月には2.05%まで低下、日米金利差も縮小し投機筋は円売り越しポジションの解消を迫られました。為替市場では円買い・ドル売りとなり為替相場は1ドル=107円台まで円高・ドル安となりました。しかし、投機筋のポジション調整もピークを過ぎた感はあります。
  • 今後、投機筋のポジションが円の買い越しに転じるほどドルに弱気・円に強気となれば、円買い越しへのポジションの再構築の売買フローから、さらに円高に進む可能性は否定できません。しかし、現時点でそこまでの円買い・ドル売り材料は見当たりません。先週のFOMCを受け市場では年内2回以上の利下げを織り込みました。米中首脳会談は今週末に実現することになり、さすがに合意するとの見方はほとんどないものの、首脳同士が会うからには決裂もないとの見方が有力です。今後は米経済指標次第で、仮に少しでも強めの指標が出れば再び円売りポジションが積まれる可能性があります。

 

投機筋の円ポジション(米CFTCの建玉)

https://www.dai-ichi.co.jp/market/cftc.asp?cd=5070

 

投機筋の金先物買い越しポジションが急増

 

  • CFTCによると投機筋の金先物の買い越しは6月18日には204,323枚と遂に20万枚を超えました。最近のボトムである4月23日の37,395枚の買い越しから5.4倍に急増した格好です。FRBによる年内2回以上の利下げを市場が織り込むなかで24日の金先物価格は1トロイオンス=1,418ドルと2014年以降の上値抵抗ラインであった1,360~1,380ドルのゾーンを上回ってきました。金先物の月足一目均衡表では先行スパン(雲)を上放れしてきました。当面、金先物価格に注目です。

 

投機筋の金先物ポジション(米CFTCの建玉)

https://www.dai-ichi.co.jp/market/cftc.asp?cd=7180

 

金先物のチャート(期間を10年に変えてみる長期の値動きが良くわかります)

https://www.rakuten-sec.co.jp/web/market/data/gcc1.html

 

 

東京株式市場

  • 日経平均株価:21,285.99円(前日比+27.35円)
  • TOPIX:1,547.74ポイント(前日比+1.84ポイント)

 

データを参照したサイト(ダウ30種銘柄の上昇・下落寄与度はこちら↓)

https://nikkei225jp.com/nasdaq/

 

 

 

(お願い)

海外市場のデータは取得時のものであり、速報値の可能性があります。

閲覧・購読者自身でご確認いただきますようお願いします。

 

以上

 

 

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