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2019年6月18日
【上昇する金先物価格~ただしヘッジファンドによる投機の買いの可能性~】(6月18日配信)

メルマガ 2019年6月18日(火)

 

おはようございます。

 

 

【上昇する金先物価格~ただしヘッジファンドによる投機の買いの可能性~】

 

 

【17日の海外市場】  

 

NY連銀製造業指数が市場予想を下回り債券市場に買い、主要株価指数は小幅上昇

 

  • 17日の米金融市場は、弱い米経済指標を受け債券市場には買いが入り、主要株価指数は小幅に上昇しました。NY連銀製造業景況指数が市場予想を下回ったことを受け、米長期金利は2.09%と引き続き2.1%を割り込みました。株式市場はボーイングやアップルが個別に買われました。FOMCを控え全体的には様子見ムードが広がりました。
  • NYダウ平均は前週末比22ドル(0.1%)高の26,112ドルで引けました。17日朝発表の6月のニューヨーク連銀製造業景況指数が低調だったことから、早期利下げ観測が株式相場の買い材料となりました。
  • CNBCテレビが17日、ロス米商務長官が6月末の20カ国・地域首脳会議(G20大阪サミット)での米中合意に懐疑的な見方を示しました。ロス商務長官が「大統領は中国製品への追加関税に満足している」と述べた、と報じたられたことで株式の上値を追う動きも限定的でした。
  • S&P500種指数セクター別では不動産、コミュニケーション、エネルギーが買われ、素材、禁輸、公益事業が下落しました。
  • 仮想通貨の発表が近いと報じられたフェイスブックが前週末比4.2%高となった他、ネットフリックスが同3.2%高、アマゾン・ドット・コムが同0.8%高、アルファベットが同0.6%高となり大型IT関連は総じて堅調に推移しました。ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は同48ポイント(0.6%)高と反発しました。
  • 半導体関連はクアルコムやブロードコム、エヌビディアが上昇したものの、AMDが同3.8%下落となったことが影響し、フィラデルフィア半導体指数(SOX指数)は同0.6%と下落しました。

 

 

米国金融市場の主な指標

 

金利・為替

  1. 米10年国債利回り:2.09%(前日2.08%)
  2. ドル円相場:1ドル=108.45-108.55円(前日108.52-108.53円)

 

株式相場

  1. ニューヨークダウ30種平均:26,112.53ドル(前日比+22.92ドル)
  2. ダウの主な上昇寄与:ボーイング、ホームデポ、アップルなど
  3. ダウの主な下落寄与:ダウ、マクドナルド、ナイキ、ユナイテッド・テクノロジーズなど
  4. S&P500種株価指数:2,889.67ポイント(前日比+2.69ポイント)
  5. S&P業種別上昇セクター:不動産、コミュニケーション、エネルギーなど
  6. S&P業種別下落セクター:素材、金融、公益事業など
  7. ナスダック総合株価指数:7,845.02ポイント(前日比+48.37ポイント)
  8. フィラデルフィア半導体指数(SOX指数):1,347.86ポイント(前日1,356.55ポイント)
  9. 米VIX指数(恐怖指数):15.35(前日15.28)

商品

  1. ニューヨークWTI原油先物1バレル=51.93ドル(前日比+0.58ドル)
  2. ニューヨーク金先物1トロイオンス=1,342.9ドル(前日比-1.60ドル)

 

 

マーケットが注目したと思われる主な材料

 

  • 全米住宅建設業者協会(NAHB)が発表した6月のNAHB/ウエルズ・ファーゴ住宅建設業者指数は64と、5月の66から低下した。市場予想は67だった。住宅ローン金利(30年)は2017年9月以来の低水準に低下しているが、住宅価格が高い水準にあることで消費者が購入に慎重になっており、住宅建設業者の心理の回復が遅れていることを示唆している。
  • 6月のNY連銀製造業景況指数はマイナス8.6と市場予想のプラス12を下回り予想外のマイナスとなった。2016年10月以来の低水準となった。前月(プラス17.8)からの低下幅は26.4ポイントと1ヵ月の下げとしては過去最大となった。指数を構成する項目ほぼ全てが低下し、特に新規受注と受注残の低下が目立った。統計に関する調査の期間が、対メキシコ関税への懸念が最も強かった時期と重なったことも影響しているとみられる。マーケットでは債券の買い材料となり利下げ期待を高める材料と受け止めた模様。

 

 

【今日のポイント】 

 

上昇する金先物価格~ただしヘッジファンドによる投機の買いの可能性~

 

  • NY市場の金先物価格が最近急上昇しています。金先物価格は18年末の1,285米ドル/トロイオンスから2月に1,347ドルまで買われた後、下落に転じ4月23日、5月2日、5月21日に1,270ドル台の安値を3回つけました。ところが5月下旬から急上昇し6月7日には1,346ドルまで買われ、先週末時点でも1,344ドルと今年の高値圏で推移しています。
  • 買いの主体はヘッジファンドと見られます。米商品先物取引委員会(CFTC)の投機筋の金先物のポジションは4月23日の37,395枚の買い越しから、6月11日には184,238枚の買い越しへと4.9倍に急増しました。一方、代表的な商品先物であるWTI原油先物の同ポジションは4月23日の547,359枚の買い越しから、6月11日には351,655枚の買い越しへ36%も減少しました。投機筋は原油先物の買い越しポジションを減らし、金先物の買い越しポジションを急増させているわけです。
  • 良く知られるように、金価格は株式市場で経済見通しなどに不透明感が強まった時に上昇する傾向があります。NYダウは年初から回復し4月には今年の高値を付けた後に反落し、6月3日にかけて急落しました。その後、急上昇しましたが、FRBの利下げ期待を織り込んだ上昇であり、裏を返せば実体経済への懸念や米中貿易協議への警戒感はむしろ高まっています。金先物が注目される状況が継続しているわけです。一方、IMFやOECDなど国際機関は世界経済見通しの下方修正を発表しました。経済減速見通しを受けて国際エネルギー機関(IEA)やOPECは原油の需要見通しを引き下げました。原油の売り材料となります。
  • 4月以降、株式市場から債券市場に投資マネーが急激にシフトしていることから、リスクを回避するために、安全資産の代表格である金先物に資金が入るのは当然と思われます。同じ投資家グループが手掛けているか不明ですが、株価指数や債券相場、商品の価格の変化をみると「金先物買い・債券先物買い/原油先物売り・株式売り」のロング/ショートポジション(買いと売りポジションの同時保有)が組まれている可能性があります。
  • 金価格の上昇が持続するかは、今後の世界経済動向や米中貿易交渉などリスクイベントがカギとなります。今回の金価格の急騰がヘッジファンドのポジションが原因だと仮定し、注目イベントが無難に通過するのであればポジションの巻き戻しで金価格は下落する可能性があります。先ほどのロング/ショートが巻き戻った場合、株式、債券、原油先物、金先物価格は今と逆の方向に動く可能性には注意が必要です。

 

 

NY金先物と原油の投機筋のポジションはこちら

https://www.dai-ichi.co.jp/market/cftc.asp?cd=7180

 

 

東京株式市場

 

  • 日経平均株価:21,124.00円(前日比+7.11円)
  • TOPIX:1,539.74ポイント(前日比-6.97ポイント)

 

 

データを参照したサイト(ダウ30種銘柄の上昇・下落寄与度はこちら↓)

https://nikkei225jp.com/nasdaq/

 

 

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以上

 

 

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