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2019年6月12日
【ドル/円相場:投機筋のポジションと日米実質金利差からは当面1ドル=105円程度までか】(6月12日配信)

メルマガ 2019年6月12日(水)

 

おはようございます。

 

【ドル/円相場:投機筋のポジションと日米実質金利差からは当面1ドル=105円程度までか】

 

 

【11日の海外市場】  

 

NYダウ平均は7営業日ぶりに小反落、防衛関連の下落がダウを引き下げ

 

  • 11日の米金融市場は、相場材料が少なく主要株価指数は小動きで推移しました。金利、為替市場もほぼ横ばいで取引されました。
  • アジアと欧州株式市場は堅調に推移しました。中国が10日に地方債の使途制限を緩めたのを受けて中国景気減速懸念が後退、上海総合指数は前日比2.58%上昇しました。ハンセン指数が同0.7%上昇するなどアジア株も総じて堅調に推移しました。中国と貿易面で関係が深いドイツの株式指数(DAX)は前営業日の7日と比べて0.92%高と続伸しました。英国のFTSE100種総合株価指数は7日続伸しました。
  • NYダウ平均は7営業日ぶりに小反落し、前日比14ドル安の26,048ドルで引けました。朝方はアジア、欧州株高を受けて買い先行で始まり一時前日比186ドル高まで買われる場面がありました。ダウ平均は前日までの6日続伸で1,247ドル上げており、徐々に利益を確定する売りに押されました。
  • 前日に発表した防衛大手レイセオンとの合併を巡る不透明感などから航空機・機械のユナイテッド・テクノロジーズが売られたのもダウ平均の重荷となりました。トランプ米大統領が10日に米CNBCのインタビューで合併について「少し心配している。競争を阻害しなければいいがと考えている」と述べたことが嫌気されました。再編が遅れるとの思惑でボーイングも下落し、防衛関連の2銘柄でダウを64ドル押し下げました。
  • 中国政府は10日、インフラ投資を目的にした地方債の使途制限を緩和し、地方政府の投資を促進する方針を示したことで、建機のキャタピラーなど中国事業の比率が高い銘柄などを中心に買いが入りました。アップルやスリーエム、マクドナルドがダウ上昇に寄与しました。
  • ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は前日比0.6ポイント安と小反落、フィラデルフィア半導体指数(SOX指数)は同0.2%高と小動きでした。

 

 

米国金融市場の主な指標

 

金利・為替

  1. 米10年国債利回り:2.14%(前日2.15%)
  2. ドル円相場:1ドル=108.50-108.51円(前日108.42-108.43円)

 

株式相場

  1. ニューヨークダウ30種平均:26,048.51ドル(前日比-14.17ドル)
  2. ダウの主な上昇寄与:アップル、マクドナルド、キャタピラーなど
  3. ダウの主な下落寄与:ユナイテッド・テクノロジーズ、ボーイング、ユナイテッドヘルス・グループなど
  4. S&P500種株価指数:2,885.72ポイント(前日比-1.01ポイント)
  5. S&P業種別上昇セクター:生活必需品、一般消費財、コミュニケーションなど
  6. S&P業種別下落セクター:資本財・サービス、公益事業、ヘルスケアなど
  7. ナスダック総合株価指数:7,822.57ポイント(前日比-0.60ポイント)
  8. フィラデルフィア半導体指数(SOX指数):1,418.02ポイント(前日1,413.89ポイント)
  9. 米VIX指数(恐怖指数):15.99(前日15.94)

 

商品

  1. ニューヨークWTI原油先物1バレル=53.27ドル(前日比+0.01ドル)
  2. ニューヨーク金先物1トロイオンス=1,331.2ドル(前日比+1.9ドル)

 

 

米国市場に影響したと思われる主な材料

 

 

  • 5月の米卸売物価指数は前月比+0.1%と前回(+0.2%)を下回り、市場予想に一致した。コア指数(最終需要、除く食品・エネルギー)は前年比+2.3%と前回(+2.3%)を下回り、市場予想の+2.3%と一致した。コア指数は2018年1月以来の低い伸びとなった。関税引き上げの影響は卸売り段階の価格への影響は限定的で、米経済全般のインフレはなお比較的抑制されていると言える。
  • 米5月のNFIB中小企業楽観指数は105.0となった。市場予想の102.3や前回の103.5を上回るサプライズの結果となった。全米独立企業連盟(NFIB)が発表するNFIB中小企業楽観指数は、米国の経済動向を測定する指数であり、雇用、インフレ率、設備投資の統計などの10項目から構成される。同指数は米国の個人労働人口の約50%を占める小企業の健全性を示す。

 

 

【今日のポイント】 

 

ドル/円相場:投機筋のポジションと日米実質金利差からは当面1ドル=105円程度までか

 

  • 為替市場でドル/円相場が1ドル=108円台で神経質な値動きが続いています。米FRBによる利下げ観測が強まった6月第1週に一時108円台を割り込み、その後切り返したものの、6月FOMCを控えてドルの上値も重いように感じられます。
  • ドル/円相場は4月24日の1ドル=112円台から108円割れの円高となりましたが、投機筋のポジション調整が影響していると考えられます。米商品先物取引委員会(CFTC)が発表する投機筋の円ポジション(6月4日時点)によると、円の売り越しは4月30日に▲99,599枚と今年最大の売り越しとなった後は徐々に減少、6月4日には▲44,389枚と55,210枚も減少しました。
  • 日本の大型連休中に米国が中国からの輸入品2,000億ドルにかける関税を10%から25%に引き上げることを発表したことや、米長期金利の低下(4月30日の2.50%から6月3日には2.07%)を受けて日米金利差が縮小、投機筋の売り越しポジションの巻き戻し(円買い要因)が加速しました。
  • 過去のドル/円相場と投機筋のポジションの推移から推計すると、10,000枚のポジションの増減で1ドル=約60銭の影響(米ドル/円相場)と試算されます。4月30日の1ドル=111.42円から6月4日の安値107.83円まで3.59円のドル安・円高は、投機筋のポジションの巻き戻しで大方が説明できるわけです。なお、今年の円売り越しポジションの最低は▲30,742枚(2月12日)で、なお巻き戻される余地があると思われます。
  • メイ首相の保守党党首辞任に伴う後継者選びの本格化や、米FOMC、月末のG20首脳会議の期間中に米中首脳会談が行われるかなど、不透明要因が多く、リスクを警戒する状況が続く見通しです。投機筋のポジション解消の余地も考慮すれば1ドル=105円程度までの円高リスクは依然として残っていると考えられます。
  • 一方、日米の長期金利差からは円高も限定的と思われます。長期金利にインフレ率を加味した日米の実質金利差は0.256%となっています(6月7日)。2015年のチャイナショック後の2016年夏にドル/円相場が100円を切るドル安・円高となったのは、実質金利が日本よりも米国の方が低いマイナス0.4%まで逆転したことが影響しています。
  • 2012年以降の日米実質金利差とドル/円相場の相関関係を試算すると、現状の実質金利差(0.256%)であれば1ドル=109円程度が理論値となります。また実質金利差が0.0%のケースでは105.83円、逆に長期金利上昇により4月末の実質金利差レベルである0.4%まで開いた場合は110.77円までの余地があります。

 

 

東京株式市場

 

  • 日経平均株価:21,204.28円(前日比+69.86円)
  • TOPIX:1,561.32ポイント(前日比+8.38ポイント)

 

 

データを参照したサイト(ダウ30種銘柄の上昇・下落寄与度はこちら↓)

https://nikkei225jp.com/nasdaq/

 

 

(お願い)

海外市場のデータは取得時のものであり、速報値の可能性があります。

閲覧・購読者自身でご確認いただきますようお願いします。

 

以上

 

 

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