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2019年5月22日
【利下げカードが景気を刺激し株価を支える一部の新興国】(5月22日配信)

メルマガ 2019年5月22日(水)

 

おはようございます。

 

 

【利下げカードが景気を刺激し株価を支える一部の新興国】

 

 

【21日の海外市場】  

 

米株式市場はファーウェイ・リスクがやや緩和し主要指数は反発

 

  • 21日の米金融市場は、長期金利がやや上昇し主要株価指数はそろって反発しました。米政府が中国通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)への輸出禁止について一部の取引に猶予期間を設けると発表。投資家心理がやや緩和し投資マネーが債券から株式にシフトした格好です。OCEDは21日、2019年の世界経済成長率見通しを下方修正したものの、材料視されませんでした。
  • 米株式市場でダウ工業株30種平均は3営業日ぶりに反発、前日比197ドル(0.8%)高の25,877ドルで終えました。中国と取引がある米ハイテク企業の業績懸念が和らぎ、ハイテクを中心に幅広い銘柄が買われました。ボーイングやアップル、ユナイテッド・テクノロジーズ、キャタピラーの上昇がダウを押し上げました。
  • 投資家の不安心理を示す米VIX指数は14.95と15を割り込みました。ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は前日比83ポイント(1.08%)高と反発しました。
  • 米政府の発表を受け、昨日大きく下落したザイリンクスやクアルコム、インテル、AMD、マイクロン・テクノロジーなど半導体関連が反発しました。フィラデルフィア半導体指数(SOX指数)は同2.13%上昇しました。ファーウェイへの基本ソフト「アンドロイド」のサポートを停止すると伝わっていたアルファベットも同1%近く反発しました。

 

 

米国金融市場の主な指標

 

 

金利・為替

  1. 米10年国債利回り:2.42%(前日2.41%)
  2. ドル円相場:1ドル=110.50-110.51円(前日110.06-110.07円)

 

株式相場

  1. ニューヨークダウ30種平均:25,877.33ドル(前日比+197.43ドル)
  2. ダウの主な上昇寄与:ボーイング、ユナイテッドヘルス・グループ、アップル、キャタピラー、ナイキなど
  3. ダウの主な下落寄与:P&G、トラベラーズ、ウォルマートなど
  4. S&P500種株価指数:2,864.36ポイント(前日比+24.13ポイント)
  5. S&P業種別上昇セクター:素材、情報技術、資本財・サービス、エネルギーなど
  6. S&P業種別下落セクター:生活必需品
  7. ナスダック総合株価指数:7,785.72ポイント(前日比+83.35ポイント)
  8. フィラデルフィア半導体指数(SOX指数):1,374.21ポイント(前日1,345.58ポイント)
  9. 米VIX指数(恐怖指数):14.95(前日16.31)

 

商品相場

  1. ニューヨークWTI原油先物1バレル=62.99ドル(前日比-0.11ドル)
  2. ニューヨーク金先物1トロイオンス=1,273.2ドル(前日比-4.1ドル)

 

 

米国市場に影響したと思われる主な材料

 

  • 米商務省は20日、ファーウェイへの禁輸措置の一部取引について3カ月間の猶予期間を設けると発表した。既存の通信ネットワークや携帯端末の保守やソフト更新にかかわる取引などを一時的に容認。16日付で発効した禁輸措置で米国の利用者に影響が及ぶのを回避する。米国の地方ではファーウェイの機器を使って通信網を運営する中小規模の通信会社が多く、混乱が指摘されていた。トランプ大統領への支持率への影響を意識した可能性がある。
  • 4月の米中古住宅販売戸数は年率換算で前月比0.4%減の519万戸と予想外に減少した。NARによると、10万ドル未満の住宅販売が前年同月比で10%減少した。在庫不足が深刻な低価格帯での販売低迷が続いている。4月の前年同月比は4.4%減。14ヵ月連続の減少となった。
  • 経済協力開発機構(OCED)は21日、2019年の世界経済成長率見通しを3月時点と比べ0.1ポイント低い前年比3.2%に引き下げた。米中による関税引き上げと中国経済の減速が主因。米国がさらなる対中関税を発動した場合、最悪のケースで世界の経済成長率が0.6ポイント下押しされるとの試算も公表し、国際協調の強化などを提言した。日本の19年の成長率見通しも、輸出・生産の減少を背景に小幅下方修正した。

 

OECDの経済見通し(%、カッコは前回見通し)

  2019年     2020年

世界  3.2(3.3)  3.4(3.4) 

中国  6.2(6.2)  6.0(6.0) 

米国  2.8(2.6)  2.3(2.2)

ユーロ圏1.2(1.0)  1.4(1.2)   

日本  0.7(0.8)  0.6(0.7)

 

 

【今日のポイント】 

 

「利下げカード」が景気を刺激し株価を支える一部の新興国

 

  • 2018年と2019年の投資環境の最大の違いは各国の金融政策です。米国は2018年まで粛々と利上げを続けてきましたが、2019年は利上げが休止される状況となっています。NY株式市場はこれを好感して年初来順調に上昇してきました。
  • ユーロ圏では金利を現行水準に維持する時期を、従来は「少なくとも今夏まで」としていた文言を「少なくとも年内」に変更。事実上来年まで現状の低金利政策が維持される見通しです。日本もデフレ脱却が遅れており、低金利政策が維持されます。中国も内需拡大を目指して預金準備率を相次いで引き下げ景気を下支える政策を強化しています。
  • こうした中で主要な新興国は米利上げに伴う自国の通貨を防衛するため2018年は利上げを余儀なくされました。しかし、2019年は米利上げ休止を受けて通貨安のリスクが低下。インフレ率が落ち着いていることもあり景気刺激のために利下げを実施する国が出てきました。
  • インドはいち早く利下げに踏み切りましたが、5月に入りフィリピン、マレーシア、そしてニュージーランドが利下げを実施しました。「利下げカード」が景気を刺激することが期待され、グローバル投資家がこうした国の株価や通貨に投資する動きが出てきました。
  • 新興国では昨年、トルコが通貨危機に見舞われました。ブラジルとメキシコでは大統領選が実施され新しい大統領が誕生しました。今年は南ア、インド、インドネシア、資源国のオーストラリアで選挙が実施され、結果が着々と判明しつつあります。将来の経済政策を担うリーダーを決める選挙はマーケットにとって最大の不透明材料となります。不透明材料が後退すれば、投資家は新しいリーダーの政策を見極め投資魅力があると見れば投資を検討するはずです。
  • 米利上げ休止による通貨の安定、インフレ率の安定、選挙等不透明材料の後退を受けて利下げという景気刺激策が打てる新興国への投資が期待できると思われます。IMFの予測では米国やユーロ圏、日本と言った先進国の経済成長率は20~22年にかけて緩やかに減速すると予想されるのに対して、インドなど新興国全体の成長率は緩やかに高まっていく見通しです。経済成長率格差と通貨のパフォーマンスは連動することが多く、この点からも新興国への投資は注目されそうです。
  • 事前の出口調査で現政権の苦戦が伝えられていたオーストラリアの総選挙は与党・保守連合が勝利し、政権を担うことになりました。オーストラリアの代表的な株価指数は20日に約12年ぶりの高値まで上昇しました。インドの総選挙の結果は近く判明しますが、インド・センセックス指数は20日に過去最高値を更新しました。アルゼンチンやトルコなどリスクの高い国も存在するため国ごとの選別は重要ですが、中長期で新興国に目を向ける必要はありそうです。

 

 

東京株式市場

 

  • 日経平均株価:21,272.45円(前日比-29.28円)
  • TOPIX:1,550.30ポイント(前日比-4.62ポイント)

 

 

データを参照したサイト(ダウ30種銘柄の上昇・下落寄与度はこちら↓)

https://nikkei225jp.com/nasdaq/

 

 

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以上

 

 

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