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2019年5月17日
【東京株式市場はファーウエイ・ショック 】(5月17日配信)

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おはようございます。

 

 

【東京株式市場はファーウエイ・ショック 】

 

 

【16日の海外市場】  

 

16日の米金融市場は債券売り・株式買い、米主要経済指標が市場予想を上回る

 

  • 16日の米金融市場は、米長期金利が上昇し、ドル円相場はややドル高、主要株価指数はそろって続伸しました。発表された米住宅着工件数や地区連銀が発表した製造業の景気指数が市場予想を上回り債券売り・株式買い要因となりました。
  • ダウ平均は前日比214ドル(0.84%)高と続伸しました。一時上昇幅は300ドルを超えました。ウォルマートが16日発表した2~4月期の決算が市場予想を上回り、米国の消費の強さが意識されました。同社株は前日比1.4%上昇しました。シスコシステムズが前日発表した決算も好調で株価は同6.6%上昇、1銘柄でダウを23ドル押し上げました。ボーイングは同2.4%高、マイクロソフトは同2.3%高、ゴールドマン・サックス同1.4%高、アメリカン・エキスプレスも1.4%上昇しました。この6銘柄でダウ平均を約138ドル押し上げました。半面、スリーエムやアップル、キャタピラーなどが下落しました。
  • 米国が発表したファーウェイに対する禁輸措置の影響は、基地局用半導体を手掛けるザイリンクスが前日比7%超の下落、クアルコムが同4%安となるなど一部の半導体関連は大幅下落。フィラデルフィア半導体指数(SOX指数)は同1.68%低下しました。ただし株式市場全体への影響は限られました。
  • ハイテク関連ではアルファベットやアマゾン・ドット・コム、ネットフリックスなど大型IT関連は1%超上昇。投資家の不安心理を示す米VIX指数は15.29と前日の16.44から低下しました。ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は同75ポイント(0.97%)高く引けました。

 

 

米国金融市場の主な指標

 

  1. 米10年国債利回り:2.39%(前日2.37%)
  2. ドル円相場:1ドル=109.84-109.85円(前日109.57-109.58円)
  3. ニューヨークダウ30種平均:25,862.68ドル(前日比+214.66ドル)
  4. ダウの主な上昇寄与:ボーイング、シスコシステムズ、マイクロソフト、ゴールドマン・サックスなど
  5. ダウの主な下落寄与:スリーエム、アップル、キャタピラー、シェブロンなど
  6. S&P500種株価指数:2,876.32ポイント(前日比+25.36ポイント)
  7. S&P業種別上昇セクター:素材、金融、一般消費財、情報技術、コミュニケーションなど
  8. S&P業種別下落セクター:なし
  9. ナスダック総合株価指数:7,898.05ポイント(前日比+75.90ポイント)
  10. フィラデルフィア半導体指数(SOX指数):1,430.11ポイント(前日1,454.50ポイント)
  11. 米VIX指数(恐怖指数):15.29(前日16.44)
  12. ニューヨークWTI原油先物1バレル=62.87ドル(前日比+0.85ドル)
  13. ニューヨーク金先物1トロイオンス=1,286.2ドル(前日比-11.6ドル)

 

 

米国市場に影響したと思われる主な材料

 

米経済指標は総じて市場予想を上回る好調なものが目立ちました。

 

  • 米国の4月の住宅着工件数は年率換算で前月比5.7%増の123.5万戸と市場予想の120.5万戸を上回った。一戸建てと集合住宅がともに増えた。3月分は当初発表の113.9万戸から116.8万戸へ上方改定された。連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)によると、30年住宅ローンの固定金利は11月のピーク水準(約4.94%)から4.10%に低下、住宅ローン金利の低下が住宅取得を刺激している模様。
  • 11日終了週の米新規失業保険申請件数は、前週比1万6,000件減の21.2万件と、市場予想の22万件よりも少なかった。労働市場は底堅さを維持していることを示唆している。
  • 米フィラデルフィア連銀5月の製造業景況指数は、前月から8.1ポイント上昇し16.6となった。2カ月ぶりの上昇で、市場予測(10.0程度)を上回って改善した。個別項目は「出荷」が9.2ポイント上昇し27.6となったほか、「雇用者数」は3.5ポイント上昇の18.2だった。一方「新規受注」は4.7ポイント低下し11.0。

 

 

【今日のポイント】 

 

東京市場はファーウェイ・ショック

 

  • 米商務省は15日、中国の通信機器最大手ファーウェイに対する米国製ハイテク部品などの事実上の禁輸措置を発表しました。同時にトランプ大統領は15日、同社を念頭に安全保障上の脅威がある外国企業から米企業が通信機器を調達することを禁じる大統領令に署名しました。米国製の電子部品に依存してきた同社の経営への打撃は避けられず、同社と取引のある日本企業にも影響が避けられないと思われます。
  • これに似たケースでは2018年4月、米商務省は当時通信機器2位のZTEがイランに違法に輸出していたとして、米企業との取引を7年間禁じる制裁を科しました。米国の半導体などを調達できなくなり同社は経営危機に陥りました。
  • 今回の米国の措置によりファーウェイを排除する動きが世界的に広がり、世界の取引先企業の業績に影響が及ぶ可能性があります。特に米国の半導体関連銘柄の悪材料となります。フィラデルフィア半導体指数(SOX指数)は年初から大きく切り返し、主要なセクター別株価指数のなかで最も早く昨年の高値を更新しましたが、株価水準が高いだけに悪材料として懸念されます。
  • 日本企業にも打撃となる可能性が強まります。メディアの報道によるとファーウェイの製品には多くの日本の部品メーカーの製品が使われており、調達企業数は80社にのぼると言われます。調達額は年々増えており2017年の日本での調達額は約4,900億円、2018年の年間見通しでは約6,800億円に達すると見込まれます。ファーウェイの生産に影響が出て、日本企業への発注が減れば業績への影響は避けられないと思われます。
  • ファーウェイはパナソニック、村田製、住友電、京セラ、ジャパンディスプレイ(JDI)の5社から部品・モジュールなどの供給を受けている模様です。安川電は「工場向けの産業用ロボット」を納入した実績があるほか、ソニー、TDKなどがスマホ向けの電子部品を納入しています。ソフトバンクは同社の基地局を使っています。
  • 16日の東京株式市場ではソフトバンクGが日経平均下落の最大の寄与度銘柄となりました。東京エレク、アドバンテストなど半導体製造装置、ファナック、安川電といったハイテク部品を製造するためのFA関連、京セラ、TDK、日東電、太陽誘電など日本を代表する電子部品会社の株価が大きく下落しました。ハイテク関連は日経平均株価指数寄与の面からも高い銘柄が多く、株価指数への影響にも注意が必要です。
  • マーケットにとって救いなのはファーウェイの悪材料は今回突然出てきたものではないことです。米国政府はすでに昨年8月から政府機関がファーウェイ製品の調達を禁止しています。12月にはカナダ当局が米国の要請に応じてファーウェイの副会長を逮捕しました。今年1月に米司法当局は同社をイラン制裁に違反したことなどで起訴しています。大手メディアは今回の件を大きく派手に報じていますが、マーケットではある程度織り込んでいる部分もあるかもしれません。
  • ハイテク関連は年初から株価が回復しましたが、改めて不透明要因が浮上した格好です。取引のある会社は今回の3月期決算で会社側が示した2020年3月期業績予想の見直しを迫られる可能性があり、ハイテク関連の波乱材料と見ておくべきです。

 

 

東京株式市場

 

  • 日経平均株価:21,062.98円(前日比-125.58円)
  • TOPIX:1,537.55ポイント(前日比-6.6ポイント)

 

データを参照したサイト(ダウ30種銘柄の上昇・下落寄与度はこちら↓)

https://nikkei225jp.com/nasdaq/

 

 

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以上

 

 

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