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2019年5月13日
【引き続きボラティリティの高い展開が予想される日米株式相場】(5月13日配信)

メルマガ 2019年5月13日(月)

 

おはようございます。

 

 

【引き続きボラティリティの高い展開が予想される日米株式相場】

 

 

【10日の海外市場】  

 

NYダウは一時前日比358ドル安からプラスに転じ大引けは同114ドル高

 

  • 10日の米金融市場は、長期金利がやや上昇し為替はドル高、主要株価指数はそろって反発しました。
  • 10日に終了した米中閣僚級貿易協議は合意には至らなかったものの、交渉決裂の事態も回避されました。トランプ大統領は同日、今後も交渉を続ける方針を表明しました。米政権は10日未明に2,000億ドル(約22兆円)分の中国製品に対する制裁関税を現在の10%から25%に引き上げました。
  • NYダウ平均は反発し、前日比114ドル(0.4%)高の25,942ドルで引けました。米中貿易交渉の先行き警戒感から売りが先行、NYダウ平均は一時前日比358ドル安まで下げる場面もあったものの、トランプ米大統領などの発言が伝わると上昇に転じました。
  • 4月の消費者物価指数(CPI)が市場予想をやや下回り、ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁は「現在の政策は維持可能だ」と述べたことから、金利据え置き期間の長期化が意識され相場を支えました。
  • ハイテク株の比率が高いナスダック総合指数は5営業日ぶりに反発し、6ポイント(0.1%)高の7,916で引けました。マイクロソフトが1%強上げるなど主力株の一角が買われました。半導体関連はAMDが2.7%高、クアルコム2.4%高と大幅高となり、インテル、エヌビディア、マイクロン・テクノロジーが下落しました。一方、中国でのiPhone販売回復への期待が後退したのを受けアップルが1.3%下落し、1銘柄でダウ平均を約18ドル引き下げる最大の下落寄与銘柄となりました。

 

 

米国金融市場の主な指標

 

  1. 米10年国債利回り:2.46%(前日2.44%)
  2. ドル円相場:1ドル=109.95-109.96(前日109.68-109.69円)
  3. ニューヨークダウ30種平均:25,942.37ドル(前日比+114.01ドル)
  4. ダウの主な上昇寄与:ユナイテッド・ヘルス・グループ、ウォルマート、マクドナルド、トラベラーズ、P&Gなど
  5. ダウの主な下落寄与:アップル、インテル、メルクなど
  6. S&P500種株価指数:2,881.40ポイント(前日比+10.68ポイント)
  7. S&P業種別上昇セクター:公益事業、素材、生活必需品、不動産、金融など
  8. S&P業種別下落セクター:ヘルスケア
  9. ナスダック総合株価指数:7,916.94ポイント(前日比+6.35ポイント)
  10. フィラデルフィア半導体指数(SOX指数):1,478.87ポイント(前日1,476.80ポイント)
  11. 米VIX指数(恐怖指数):16.04(前日19.10)
  12. ニューヨークWTI原油先物1バレル=61.66ドル(前日比-0.04ドル)
  13. ニューヨーク金先物1トロイオンス=1,287.4ドル(前日比+2.2ドル)

 

 

米国市場に影響したと思われる主な材料

 

  • 米4月の消費者物価指数(CPI)は前月比0.3%上昇、市場予想の同0.4%上昇をやや下回った。前年同月比は2.0%上昇と市場予想の同2.1%上昇を下回った。変動の大きい食品とエネルギーを除いたコアCPIは3カ月連続で前月比0.1%上昇となった。米連邦準備理事会(FRB)がしばらく金利を据え置くひとつの材料となる可能性がある。
  • 米通商代表部(USTR)は10日、中国からの輸入品すべてに制裁関税を課す準備を始めたと発表した。現在は対象外の約3,000億ドル(約33兆円)分に「第4弾」の関税発動を検討する。13日に詳細を公表する。近く官報に通知し、産業界の意見を踏まえて発動日や対象品目を決める。実際の発動まで2カ月以上かかるのが通例だ。第4弾には米アップルのスマートフォン(スマホ)「iPhone」など携帯電話やパソコン、おもちゃなど幅広い製品が含まれる見通し。10日のアップル株式の売り材料となった模様。
  • 米国の大豆、小麦、トウモロコシ農家でつくる農業3団体は10日、トランプ米政権が同日発動した2,000億ドル(約22兆円)分の中国製品への制裁関税引き上げに抗議する共同声明を出した。「追加関税は数十年にわたって我々が開拓してきた輸出市場を脅かす」(全米小麦生産者協会=NAWGのベン・ショルツ会長)と強調し、早期の解決を求めた。全米の農家はトランプ大統領の重要な票田であり、来年の大統領選挙に向けて何らかの対応が迫られる。

 

 

【今週のポイント】 (5月13日-5月17日)

 

引き続きボラティリティの高い展開が予想される日米株式相場

 

  • 大型連休明けの東京市場は、米国による突如の対中関税引き上げを受けて日経平均は週明けから大幅下落、5日連続安で週末には一時21,175円と連休前の26日から1,000円を超す大幅下落となりました。
  • 年初来の世界株式上昇の先導役だった上海総合指数は週末こそ反発したもの、大型連休中に大幅下落となり、5月8日には2,850ポイントと4月の高値(3,270)から420ポイント(12.7%)も下落。1月の安値以降の上昇幅(806ポイント)の約半値押しまで下落しました。今週は中国の工業生産や固定資産投資、新築住宅価格などの発表が予定されており、中国の実体経済の動向に注目が集まりそうです。
  • 今週の日経平均は引き続きボラティリティの高い展開が予想されます。急落後の自律反発も予想されますが、米国の対中関税引き上げが実行されており投資家心理の回復には時間がかかりそうです。ただし、実際の関税徴収には技術的な要因から2~3週間かかると見られ、当面は米中協議の材料に一喜一憂する展開となりそうです。
  • 国内では4月景気ウォッチャー調査、4月工作機械受注、米国では4月の小売売上高、4月鉱工業生産指数、4月景気先行指数など内外で重要な指標の発表が多く日米の景気動向が注目されます。
  • 日経平均(10日の引け値21,344円)は200日移動平均線21,880円や日足の基準線21,668円など重要なサポートラインを下回ってきたため、調整局面入りとなりました。一方、3月以降の上昇局面で空けた2つのマド(4月12日21,878円、3月29日21,267円)を先週埋めたことから急落の一巡感も浮上しそうです。日経平均の25日移動平均線はまだ上向きですが、TOPIXの25日線は下向きに転じたため、仮に反発しても相場全体は上値が抑えられやすくなります。
  • 騰落レシオ(25日移動平均)やストキャスティクスなどテクニカル指標は沈静化しており、自律反発も期待できそうですが、リスク回避姿勢の強まりからドル円相場は109円台で推移しており、反発も限られるかもしれません。
  • 当面の日経平均の下値ポイントは昨年12月安値から今年4月の高値までの上昇幅のフィボナッチ指数の38.2%押しとなる21,103円や先行スパン(雲)の下限である21,032円、3月に下値抵抗となった20,900円台など21,000円前後に重要な節目があります。一方、上値は25日移動平均線(21,871円)や200日移動平均線(21,880円)を回復できるかがポイントです。
  • 米国株式市場は年初来の株価上昇がひとまず一巡した可能性があります。投資家の不安心理を示す米VIX指数が再び動意付いており、先週7日には一時20を超え21.8と1月23日以来の高水準となりました。年初来の適温相場でヘッジファンドはVIX指数の先物売りポジションを拡大、4月末のVIX売り越しポジションは過去最高を記録しました。このポジションが巻き戻された場合、VIX指数が再び上昇し、2018年の2月や12月のように米国株式が下落する可能性があります。この際、為替市場ではリスク回避の円買いが誘発されやすく、円高の進行にも注意が必要です。
  • NYダウ平均(10日の引け値25,942ドル)の下値ポイントは75日移動平均線(25,852ドル)、200日移動平均線(25,422ドル)、日足一目均衡表のスパン(雲)25,844~25,321ドルのゾーンが重要です。
  • なお、中長期で見るとNYダウ平均は2018年から2019年に26,600~26,800ドル台で3回高値を付ける「三尊天井」(2018年1月26日26,616ドル、同10月3日26,828ドル、2019年4月23日26,656ドル)に近い形となっています。23,500ドルを下回ると「三尊天井」が確定し、2018年と19年が歴史的な高値となる可能性が出てきます。現時点ではそこまでの心配は必要ありませんが、米中貿易戦争が一段と悪化し、米企業収益に決定的な影響が出るようですとシナリオが変わってきます。注意したいところです。

 

 

今週の重要イベント

(5月13日-5月17日)

 

13日(月)

・クラリダ米FRB議長の挨拶

・欧州経済会議

・OECD景気先行指数

・3月景気動向指数

・外貨準備高

・フィリピン中間選挙

・決算発表:大林組、エーザイ、大和ハ、ブリヂストン、太陽誘電、ユニ・チャーム、スク・エニHD

 

 

14日(火)

・米4月の輸入物価

・ウィリアムズNY連銀総裁の講演(チューリッヒ)

・独ZEW景況指数

・ユーロ圏鉱工業生産指数

・米ロ外相会談

・4月景気ウォッチャー調査

・3月経常収支

・OPEC月報

・MSCI〈中国A株〉ウェート〈3段階〉引き上げ(第3弾)

・決算発表:東レ、資生堂、アマダHD、THK、菱地所、セコム、武田、日産自、リクルートHD

 

15日(水)

・米4月の小売売上高

・5月ニューヨーク連銀製造業景気指数

・米4月の鉱工業生産、設備稼働率

・5月のNAHB住宅市場指数

・クオールズFRB副議長、上院銀行委で議会証言

・中国4月の固定資産投資、工業生産、社会消費品売上総額

・4月のマネーストック

・工作機械受注

・ボーイング〈737MAX〉に関し米下院委公聴会

・欧州議会選挙(5月23日‐26日)→主要候補者討論会

・3月期決算発表:鹿島、電通、日本郵政、かんぽ、みずほ、KDDI、三菱UFJ、第一生命

・海外企業決算:シスコシステムズ、アリババ、メーシーズ

 

16日(木)

・米4月住宅着工件数

・米4月の建設許可件数

・米5月フィラデルフィア連銀景気指数

・ユーロ圏財務相会合

・中国主要70都市の新築住宅価格

・豪州失業率

・決算発表:住友不、あおぞら

・海外企業決算:アプライド・マテリアルズ、エヌビディア、ウォルマート、バイドゥ

 

 

17日(金)

・米4月の景気先行指数総合指数

・米5月のミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)

・クラリダFRB副議長の講演

・ウィリアムズNY連銀総裁、地域会合に参加

・EU財務相理事会

・第3次産業活動指数

 

 

(注)太字は注目されるイベント

(予定であり変更の可能性があります)

 

 

10日の東京株式市場

 

  • 日経平均株価:21,344.92円(前日比-57.21円)
  • TOPIX:1,549.42ポイント(前日比-1.29ポイント)

 

データを参照したサイト(ダウ30種銘柄の上昇・下落寄与度はこちら↓)

https://nikkei225jp.com/nasdaq/

 

 

(お願い)

海外市場のデータは取得時のものであり、速報値の可能性があります。

閲覧・購読者自身でご確認いただきますようお願いします。

 

以上

 

 

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