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2019年5月7日
【米中閣僚級貿易協議の行方】(5月7日配信)

メルマガ 2019年5月7日(火)

 

おはようございます。

 

【米中閣僚級貿易協議の行方】

【GW中に発表となった米経済指標は良好】

【日経平均の価格ポイント】

 

 

【6日の海外市場】 

 

6日の米金融市場はリスクオフ、NYダウは最大470ドル安から引けにかけて下げ幅を縮小

 

  • 週明け6日米株式市場でダウ工業株30種平均は反落し、前週末比66ドル(0.25%)安の26,438ドルで引けました。5日にトランプ米大統領が突如、対中関税を10%から25%に引き上げるとツイッターに投稿。ダウ平均は朝方に一時471ドル(1.8%)安まで下落しました。ただ、その後は中国側が交渉継続の姿勢を見せているとの報道が伝わり、ダウ平均は引けにかけて下げ渋りました。上海総合指数は同5.5%と急落しました。ドイツDAX指数も1%超下げました。
  • 投資家の不安心理を示すVIX指数は15.49と前週末の12.87から急上昇しました。投資家のリスク回避姿勢が強まり、米長期金利は2.47%と前週末(2.52%)から低下(債券相場は上昇)。ドル円相場は1ドル=110.71円と111円を割り込んで取引されました。

 

5月6日(月)

米国金融市場の主な指標

 

  • 米10年国債利回り:2.47%(前日2.52%)
  • ドル円相場:1ドル=110.71-110.72(前日111.09-111.10円)
  • ニューヨークダウ30種平均:26,438.48ドル(前日比-66.47ドル)
  • ナスダック総合株価指数8,123.29ポイント(前日比-40.71ポイント)
  • S&P500種株価指数:2,932.47ポイント(前日比-13.17ポイント)
  • フィラデルフィア半導体指数(SOX指数):1,543.73ポイント(前日1,570.70ポイント)
  • 米VIX指数(恐怖指数):15.49(前日12.87)
  • ニューヨークWTI原油先物1バレル=62.25ドル(前日比+0.31ドル)
  • ニューヨーク金先物1トロイオンス=1,283.8ドル(前日比+2.5ドル)

 

米国市場に影響した主な材料

 

  • トランプ米大統領は5日、中国の知的財産権侵害などを理由に2,000億ドル分の同国製品に課す関税を、10日から現在の10%から25%に引き上げるとツイッターで表明しました。さらに関税を課していない3,250億ドル分の中国製品にも「速やかに25%の関税を課す」と主張しました。トランプ氏はこれまで「対中交渉は順調に進展しており、素晴らしい合意ができる」と繰り返し主張してきており、金融市場は早期に打開に向かうとの期待が高まっていました。6日の上海総合指数は前週末比5.5%下落しました。NYダウ平均は朝方に一時同470ドルあまり下落する場面がありましたが、引けにかけて下げ渋りました。
  • 財新/マークイットが発表した4月の中国サービス部門購買担当者景気指数(PMI)は54.5と、前月の54.4から小幅上昇し、2018年1月以来15ヵ月ぶりの高水準となりました。

 

 

【今週のポイント】 (5月7日-5月10日)

 

米中閣僚級貿易協議開催の行方

 

  • 今週のイベントで注目されるのは8日からワシントンで始まる予定の米中閣僚級貿易協議です。米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)によると、トランプ米大統領が米中貿易協議の進展の遅さを理由に中国製品に対する関税引き上げを警告したことへ対抗措置として、中国は今週に予定していた劉鶴副首相のワシントン訪問の中止を検討していると報じ、世界的に株価が急落しました。その後、6日午後3時頃(日本時間7日午前4時頃)、米CNBCが関係筋の話として「中国政府の代表団は今週、貿易協議のため訪米する計画だ」と報じたことで、株価は下げ渋りました。今週最大のイベントであるだけに、開催の行方が注目されます。

 

GW中に発表となった米経済指標は良好

 

  • GW(4月29日~5月3日)中のニューヨーク市場は大きなサプライズもなく終わってみれば小動きでした。1-3月期の米GDP成長率は前期比年率で3.2%増と予想以上に強い内容となったほか、4月の米雇用統計で非農業部門の新規雇用者数がプラス26万人と市場予想を大きく上回り堅調な米経済を裏付けました。
  • 一方で物価の安定を示唆する指標が発表され、低金利の長期化観測が高まりました。ただし1日のFOMC後の会見でパウエル議長が「金融政策を(利上げ・利下げの)どちらかに動かす強い証拠はない」と述べたことが早期の利下げ観測をけん制する発言と受け止められました。米経済が良好なうえに、NYダウ工業株30種平均は史上最高値に迫る水準まで回復していたことから、トランプ氏にとっては中国に一段の譲歩を迫る余地が生まれていたとも言えます。5日のトランプ氏の発言にはこうした背景もあると思われます。
  • ハイテク企業決算ではアルファベット(グーグル)が市場予想より弱かったものの、アップルが市場予想を上回る好決算となり市場のセンチメントを好転させました。

 

ニューヨークダウの推移(ドル)

日付       終値    前日比

2019/4/29(月)26,554.39 11.06

2019/4/30(火)26,592.91 38.52

2019/5/1 (水)26,430.14 ▲ 162.77

2019/5/2 (木)26,307.79 ▲ 122.35

2019/5/3 (金)26,504.95 197.16

 

日経平均の価格ポイント

 

  • 週明けのNY市場の下落を受け、7日の日経平均は4月26日の引け値と比べて続落すると予想されます。4月に200日移動平均線を上回って以来、22,500円台を試しにいくと期待されましたが、週足の一目均衡表の先行スパン(雲、22,444~22,710円)を手前に押し戻されました。再度仕切り直しとなりそうです。
  • 当面の日経平均(4月26日終値、22,258円)の下値メドは、マド埋め(4月12日、21,878円)、200日移動平均線(21,884円)、25日移動平均線(21,812円)など21,800円台に重要なポイントがあります。なお、今週は10日に3月期の国内企業決算発表のピークを迎えます。2020年3月期業績(会社予想ベース)の全体像も明らかになります。8日のトヨタ、9日のソフトバンクG、10日のNTTなどの決算が注目されます。

 

今週の重要イベント

(5月7日-5月10日)

 

7日(火)

・米3月求人労働異動調査(JOLT)

・EU春季経済予測発表

・中国外貨準備高

・豪州金融政策決定会合

・4月国内自動車販売

・独BMW1-3月期決算

・3月期決算:HOYA、オリックス、カプコン、ヤマハ発

 

 

8日(水)

・米中閣僚級貿易協議開始(ワシントン)

・【米英貿易交渉】→ITC、米経済影響報告書をUSTRに提出

・4月中国貿易収支

・ブラジル金融政策決定会合

・マネタリーベース

・日銀金融政策決定会合議事要旨(3月14-15日分)

・ゆうちょ銀行がスマホを使った決済サービス「ゆうちょPAY」を開始

・3月期決算:トヨタ、ローム、SUMCO、富士フイルム、ディスコ、ソフトバンク

 

9日(木)

・米4月のPPI

・米3月の貿易収支

・米FRB主催リサーチ会合(~10日、ワシントン)→パウエル議長の開催挨拶

・菅官房長長官訪米(~12日)、米要人との会談

・EU〈非公式〉首脳会合(ルーマニア・シビウ)

・中国CPI

・4月の消費動向調査

・オフィスビル市況

・3月期決算:塩野義、三菱重、三菱商、丸紅、テルモ、ダイキン、ニコン、パナソニック、シャープ、ソフトバンクG

 

10日(金)

・米4月CPI 

・英1-3月期GDP

・英鉱工業生産

・3月家計調査

・3月毎月勤労統計

・オプションSQ

・1-3月期国内企業決算発表ピーク

・3月期決算:大成建、清水建、旭化成、マツモトキヨシ、クボタ、スズキ、SUBARU、ダイフク、NTT

 

 

(注)ゴシックは注目されるイベント

(予定であり変更の可能性があります)

 

5月6日(月)

東京株式市場

(祝日のため休場)

 

データを参照したサイト(ダウ30種銘柄の上昇・下落寄与度はこちら↓)

https://nikkei225jp.com/nasdaq/

 

 

 

(お願い)

海外市場のデータは取得時のものであり、速報値の可能性があります。

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