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2019年4月26日
【4月30日に日程が決まった米中閣僚級貿易協議】(4月26日配信)

おはようございます。

 

 

【4月30日に日程が決まった米中閣僚級貿易協議】

【日銀が切ったガイダンス見直しカード】

 

 

【25日の海外市場】  

 

工業用品のスリーエムが急落しNYダウを192ドル引き下げ、引け後にはインテルが失望決算を発表

 

  • 25日の米金融市場は、ややドル安・円高が進みニューヨーク株式相場の主要指数は高安まちまちとなりました。英国のFTSE100は続落、ドイツ株式指数(DAX)は10営業日ぶりに反落しました。中国の景気刺激策への期待が後退し上海総合指数が前日比2.4%の下落となったことも投資家心理に影響しました。
  • 2019年1~3月期決算で売上高が市場予想を大きく下回り19年通期の見通しを下方修正した工業製品・事務用品のスリーエム(3M)が急落し、ダウ平均を押し下げました。ダウ平均は朝方に一時286ドル安まで下げましたが、前日夕に発表した決算が市場予想を上回ったマイクロソフトが同3.3%の大幅高、ボーイングが同1.9%高となったのが支えとなり下げ幅を縮めました。マイクロソフトは時価総額が初めて1兆ドルを超える場面がありました。昨年に一時1兆ドルを超えたアップル、アマゾン・ドット・コムに続き、米企業では史上3社目となります。
  • ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は反発し、前日比16ポイント高の8,118と過去最高値に迫る水準で終えました。マイクロソフトのほか前日夕発表の決算を受けてアナリストが目標株価を引き上げたフェイスブック、アマゾン・ドット・コムなど主力株が上げました。半導体関連は下落しました。
  • インテルが25日引け後に発表した1~3月期決算は純利益が前年同期比11%減となりました。利益率が高いデータセンター事業が振るわず、売上高総利益率が低下、同時に開示した4~6月期の売上高予想が市場予想より弱く、12月期通期の業績予想を引き下げました。下方修正が嫌気され、時間外取引で株価は7%超の大幅下落となっています。

 

 

米国金融市場の主な指標

 

  1. 米10年国債利回り:2.53%(前日2.52%)
  2. ドル円相場:1ドル=111.60-111.61円(前日112.16-112.17円)
  3.  ニューヨークダウ30種平均:26,462.08ドル(前日比-134.97ドル)
  4. ダウの主な上昇寄与:ボーイング、マイクロソフト、ウォルト・ディズニー、アメリカン・エキスプレスなど
  5. ダウの主な下落寄与:スリーエム、アップル、キャタピラー、インテルなど
  6. ナスダック総合株価指数:8,118.68ポイント(前日比+16.67ポイント)
  7. フィラデルフィア半導体指数(SOX指数):1,560.32ポイント(前日1,589.02ポイント)
  8. 米VIX指数(恐怖指数):13.25(前日13.14)
  9. S&P500種株価指数:2,926.17ポイント(前日比-1.08ポイント)
  10. S&P業種別上昇セクター:ヘルスケア、コミュニケーション、公益事業、金融など
  11. S&P業種別下落セクター:資本財・サービス、素材、生活必需品、一般消費財など
  12. ニューヨークWTI原油先物1バレル=65.21ドル(前日比-0.68ドル)
  13. ニューヨーク金先物1トロイオンス=1,279.70ドル(前日比+0.3ドル)

 

 

米国市場に影響したと思われる主な材料

 

米経済指標は、設備投資の先行指標は良好だったものの労働市場の統計は弱く、強弱まちまちでした。個別企業では市場予想を下回る決算を発表したスリーエムがダウを200ドル近く引き下げました。トルコ中銀がハト派スタンスに転じ、通貨が急落しました。

 

  • 3月の米耐久財受注額は前月比2.7%増と市場予想(0.8%程度の増加)を上回った。企業の設備投資の先行指標とされる「航空機を除く非国防資本財」の受注は1.3%増と8ヵ月ぶりの大きな伸びとなった。通商対立を巡る不透明感はあるものの、企業の投資が回復しつつあることが示唆された。
  • 米国の先週の新規失業保険申請件数は前週比3万7,000件増の23万件と、2017年9月上旬以来、1年7ヵ月ぶりの大幅な増加。前週の申請件数は19万3,000件と、1969年9月以来の低水準だった。復活祭(イースター)などの祝日のほか、春休みの影響で季節調整が難しいこの時期は申請件数が不安定になる傾向が強い。
  • 日用品・工業品メーカー、米スリーエムの1~3月期の決算は、特殊要因を除いたベースの1株利益が市場予想を下回った。自動車向け産業材や電子部品を中心に幅広い産業材が伸び悩み、全体の販売数量は2%縮小。2019年通期の利益見通しを引き下げ、従業員の2%に当たる2,000人の削減計画を発表。決算を受けて同社株は約13%下落、1銘柄でダウ平均を192ドル押し下げた。
  • トルコ中央銀行は25日、政策金利を24.00%に据え置きを発表。将来の引き締めに関する文言を撤回しハト派姿勢に転換。決定を受け、トルコリラは対ドルで1.4%急落。一時、1ドル=5.982リラと昨年10月12日以来の安値。国内のCPIの伸びは昨年10月に15年ぶりの高水準となる25.24%に達して以降、鈍化しているが、3月のCPIは前年比19.71%上昇した。

 

 

【今日のポイント】 

 

(1)4月30日に日程が決まった米中閣僚級貿易協議

 

  • 米ホワイトハウスは23日、中国との閣僚級貿易協議を4月30日から北京で開くと発表しました。閣僚協議は4月上旬以来となります。交渉責任者を務める米USTRのライトハイザー代表と、ムニューシン財務長官がまず北京を訪問、5月8日からは米ワシントンでも実施するため、中国の劉鶴副首相らがワシントンを訪問する予定です。
  • なぜ、4月30日か。実は翌5月1日は「ロシア疑惑・モラー報告書」に関する上院司法委員会の公聴会が開かれ、バー司法長官の証言が行われる予定です(下院委証言は2日)。4月18日に公表されたモラー特別検察官の報告書はトランプ氏による捜査妨害の試みについて新たな詳細を明らかになりました。うがった見方をすれば恐らく、国民の目をそらすために公聴会の直前に米中協議の日程が組まれたものと考えられます。
  • 米中貿易協議は、話し合いは進展しているものの米国が課した追加関税の扱いなどで依然として溝が残っている模様です。首脳会談での最終決着に向けて閣僚間で詰められるかが焦点となります。
  • トランプ大統領は4月上旬の閣僚協議の際、米中が合意できるか「今後4週間で分かる」と発言しました。もし閣僚間でまとまれば合意文書の詳細を詰めたうえで、5月中にも首脳会談を開いて署名する可能性があります。
  • 今年の夏~秋にかけて、2020年大統領選、予備選候補者による討論会がスタートします。米中協議の内容は正確には伝わってきませんが、米中合意のタイミングが非常に重要です。トランプ氏はこの成果を大統領選の重要なカードとして生かす可能性はかなり高いと思います。なぜなら、米中が合意すれば世界の景況感は回復することが予想されます。予備選候補者の討論会に向けて中国から譲歩を引き出し合意が実現できれば、有権者に対して立派な政治家として強力に実績をアピールできるためです。このシナリオでは、「合意なし」はあり得ないため、夏場に向けてのマーケットの好材料として注目されます。

 

 

(2)日銀が切ったガイダンス見直しカード

 

  • 日銀は25日の金融政策決定会合で、「少なくとも2020年春ごろまで」は現在の長短金利目標を維持することを約束し、同時に公表した新たな「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」で、2021年度も物価が目標の2%に届かないとの見通しを示しました。
  • 黒田東彦総裁は会見で、フォワードガイダンスを明確化した理由について「強力な緩和を粘り強く進めていく姿勢を明確に示すことが必要と判断した」とし、修正によって市場の一部の思惑よりも「(時間軸が)もっと長いということを明確にした」と語りました。黒田総裁は21年度中に物価が目標の2%に達する可能性は「低い」との見解を示しました。
  • 展望リポートによると実質成長率は2019年度0.8%、20年度0.9%と1月時点からそれぞれ0.1%下方修正され、今回初めて公表した21年度は1.2%と低い成長率にとどまります。消費者物価(生鮮食品除く、コアCPI)見通し(政策委員の大勢見通しの中央値)が19年度は前年比1.1%上昇と1月時点から変更しないものの、20年は1.4%上昇と下方修正されました。21年度は1.6%上昇を見込んでいます。
  • 日銀がハト派姿勢を強化したのは、FRBの利上げが打ち止めとなり、円高リスクが限定的になったと判断したことも大きいと思います。金融機関経営には引き続き逆風になると見られ銀行株には重石となりますが、日米欧の中央銀行がハト派姿勢を強めることはリスク資産全体を支える投資環境が続くと考えられます。

日銀のリリース

http://www.boj.or.jp

 

4月25日(木)

 

東京株式市場

 

  • 日経平均株価:22,307.58円(前日比+107.58円)
  • TOPIX:1,620.28ポイント(前日比+8.23ポイント)

 

データを参照したサイト(ダウ30種銘柄の上昇・下落寄与度はこちら↓)

https://nikkei225jp.com/nasdaq/

 

 

(お願い)

海外市場のデータは取得時のものであり、速報値の可能性があります。

閲覧・購読者自身でご確認いただきますようお願いします。

 

以上

 

 

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