メルマガ
2019年4月16日
【いよいよ200日移動平均線を超えてきた日経平均株価】(4月16日配信)
おはようございます。
【いよいよ200日移動平均線を超えてきた日経平均株価】
【15日の海外市場】
15の米国株は小幅反落、決算発表控え様子見ムードが強まる
- 15日の米金融市場は、長期金利はやや低下、株価は小幅な値動きとなりました。米経済指標が改善したもののマーケットの反応は限定的でした。今週から本格化する決算発表を前に様子見ムードが強まっています。
- 欧州ではドイツ株式指数(DAX)が4日続伸、前週末と比べて20.35ポイント(0.17%)高の12,020.28と、終値ベースで2018年10月上旬以来、約6カ月半ぶりの高値で引けました。米中貿易協議に対する楽観的見方に加え、堅調な中国の経済指標を受けて、欧州各国株式相場が上昇しました。
- NYダウは前週末比27ドル(0.1%)安の26,384ドルと反落しました。S&P500種は同1.8ポイント(0.06%)安で引けました。5四半期ぶりの減益決算を公表したゴールドマン・サックスが同3.8%の大幅安となり、1銘柄でダウ平均を53ドル引き下げました。JPモルガン・チェースも下落しボーイングやキャタピラー、スリーエムといった中国関連も安く引けました。
- 一方、米民主党議員が提出した「国民皆健康保険制度(メディケア・フォー・オール)」法案への警戒感から売り込まれていたユナイテッドヘルス・グループは同3.1%上昇し、ダウを47ドル押し上げました。ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)などヘルスケア関連株が上げ、相場を支えました。スポンサー契約を結んでいるタイガー・ウッズが米プロゴルフのマスターズトーナメントで14年ぶりに優勝したのを受け、スポーツ用品のナイキも買われました。
- ナスダック総合は前週末比8ポイント(0.1%)安の7,976で引けました。フィラデルフィア半導体指数(SOX指数)は同0.75%安く引けました。投資家の不安心理を示す米VIX指数は12.32と前週末の12.01から上昇しました。
- 債券市場は長期金利が2.55%(前週末の2.56%)、ドル円相場は1ドル=112.00円と前週末(111.62-111.63円)からややドル高・円安で推移しました。
- 国際商品市場ではニューヨークWTI原油先物は前日比0.49ドル安い1バレル=63.40ドルで引けました。ニューヨーク金先物価格は同3.9ドル安の1トロイオンス=1,291ドルで引けました。
- 米4月のニューヨーク連銀製造業景況指数は10.1と、前月から6.4ポイント上昇しました。上昇は2カ月ぶりで市場予想(5.3)を上回りました。個別項目では「新規受注」が7.5で前月より4.5ポイント上昇しました。一方、「雇用者数」は11.9で1.9ポイント下落しました。ただし、今後6カ月の景況見通しは12.4で、前月より17.2ポイント下落し、約3年ぶりの低水準となりました。製造業のセンチメントは株価上昇などを受け、「短期的楽観・中長期警戒」と先行きに慎重なスタンスにある模様です。
【今日のポイント】
いよいよ200日移動平均線を超えてきた日経平均株価
- 15日の東京株式市場で日経平均は前週末比298円高の22,169円と3日続伸、昨年12月4日以来の22,000円の大台に乗せました。先週末のNY株式市場の上昇を好感したほか、中国の経済指標が改善しつつあることで投資家心理が改善しました。日経平均の上げ幅は一時400円を超えました。
- 業種別には機械や非鉄金属など景気敏感業種が買われTOPIX36業種すべてが値上がりとなる全面高の展開です。年初来高値銘柄数は250銘柄と1年3ヵ月ぶりに多い水準となりました。日経平均採用銘柄ではソフトバンクGやファーストリテイといった指数寄与度の高い値がさ常連組だけでなく、ファナックや京セラ、TDK、安川電、オムロン、太陽誘電、日東電、日産化といったFA・ロボット関連や電子部品、電子材料など世界を代表する銘柄が指数を押し上げる格好になっており、世界経済の回復を織り込みつつある相場と言えます。日本の株式市場が欧米と比べて出遅れているため、修正局面にあると思います。
- 15日、日経平均は200日移動平均線(21,886円)をついに上回ってきました。200日移動平均線は中長期トレンドを見るうえで最も重要な移動平均線です。過去200日間(約10ヵ月)の売買コストが21,886円水準にあり、これを上回ってくると中長期スタンスで売買する投資家の買いコストを上回ってくるわけです。損失の状態から利益の状態に変化するわけで、投資家の心理に大きな影響を与えます。
- 実体線(日経平均)が200日移動平均線を上回るのは2018年11月8日と11月30日以来です。当時は、日経平均が10月2日に24,448円の高値(ザラ場)を付けたあと、下落する過程で一時的なリバウンド局面で実現したものですが、わずか1~2日で押し戻されました。その後は急落し12月26日の日経平均19,000円割れの安値に向かうわけです。
- 日経平均の200日移動平均線は現在、下向きの方向にあり、株価の中長期的な先行きは弱い方向を示唆しています。年初来の回復過程でも日経平均の上値を抑えてきました。しかし、今後200日移動平均線の上方で推移していれば、200日線はいずれ上向きます。200日移動平均線が上向いてくると今度は株価を支える格好になります。
- 次の上値のポイントは週足の一目均衡表の雲の部分に相当する先行スパン1(22,727円)~先行スパン(22,444円)が大変重要です。このゾーンを上抜けていくほど株価上昇に力があるのかが今後試されます。
- 一目均衡表には重要な日柄(9、17、26、33、42、65、76・・・ )があって、株価の変化日として重視しています。来週は昨年12月26日の安値を付けた週から17週目に当たります。また、昨年の10月の高値から急落した後の一番底である10月29日の安値の週から今週は26週目に当たります。ここで上抜けるか、押し戻されるかでその後の展開が変わってきます。
- 日米閣僚級による物品貿易協定交渉(TAG)がワシントンで始まるほか、日本の大型連休を前にして海外投資家が買いポジションを減らし中立に戻すなど、投資家のポジション調整が起きやすいため、反落となり易く注意が必要と考えます。
4月15日(月)
米国金融市場の主な指標
- 米10年国債利回り:2.55%(前日2.56%)
- ドル円相場:1ドル=112.00-112.01円(前日111.62-111.63円)
- ニューヨークダウ30種平均:26,384.77ドル(前日比-27.53ドル)
- ナスダック総合株価指数:7,976.01ポイント(前日比-8.15ポイント)
- S&P500種株価指数:2,905.58ポイント(前日比-1.83ポイント)
- フィラデルフィア半導体指数(SOX指数):1,485.82ポイント(前日1,497.12ポイント)
- 米VIX指数(恐怖指数):12.32(前日12.01)
- ニューヨークWTI原油先物1バレル=63.40ドル(前日比-0.49ドル)
- ニューヨーク金先物1トロイオンス=1,291.30ドル(前日比-3.9ドル)
東京株式市場
- 日経平均株価:22,169.11円(前日比+298.55円)
- TOPIX:1,627.93ポイント(前日比+22.53ポイント)
データを参照したサイト(ダウ30種銘柄の上昇・下落寄与度はこちら↓)
https://nikkei225jp.com/nasdaq/
(お願い)
海外市場のデータは取得時のものであり、速報値の可能性があります。
閲覧・購読者自身でご確認いただきますようお願いします。
以上
—–** アナリスト・トレーニング **—–