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2019年4月11日
【米国の1-3月期決算発表の注目点】(4月11日配信)

おはようございます。

 

【米国の1-3月期決算発表の注目点】

 

 

【10日の海外市場】  

 

10日の米国株は主要指数がそろって小幅に反発、ECB理事会を受け長期金利は低下

 

  • 10日の金融市場は、ECB理事会を受け欧州の長期金利が低下したことなどを受け、米債券市場に資金が入り長期金利は低下し、NY株式市場は小幅に反発しました。為替市場では日米金利差縮小観測からドル安・円高が進みました。株式市場ではハイテク系が堅調で来週からの決算発表に対する期待から買いが入りました。 
  • NYダウは前日比6ドル高の26,157ドルと3日ぶりに反発しました。アナリストによる格下げで航空機のボーイングが前日比1.1%下落し1銘柄でダウを27ドル引き下げました。ユナイテッドヘルス・グループやホームデポ、マクドナルドが下落しました。一方、ゴールドマン・サックスが同1%上昇しダウを約16ドル押し上げた他、アップルは約7ドル押し上げました。マイクロソフト、シスコシステムズなども上昇しダウを支えました。S&P500種は0.35%高と反発して引けました。
  • ナスダック総合は同54ポイント(0.69%)高の7,964と反発、上昇率はダウを上回りました。フィラデルフィア半導体指数(SOX指数)は0.86%高く引けました。投資家の不安心理を示す米VIX指数は13.31と前日の14.28から低下しました。来週から本格化する米企業決算発表を前に期待がやや高まっている模様です。
  • 債券市場は長期金利が2.46%と前日の2.50%から低下しました。10日に開いたECB理事会後の記者会見でドラギECB総裁はユーロ圏経済について「リスクはなお下方に傾いている」と指摘、「あらゆる政策調整の準備はできている」と述べました。10年物のドイツ国債がマイナス幅を拡大するなど欧州の金利が低下し、米国債にも買いが波及しました。ドル円相場は1ドル=110.95円と前日の111.13円からドル安・円高で推移しました。長期金利の低下が影響しました。
  • 国際商品市場ではニューヨークWTI原油先物は小幅に上昇し1バレル=64.61ドルで引けました。ニューヨーク金先物価格は4日続伸し1トロイオンス=1,313ドルで引けました。
  • FRBが10日公表したFOMC会合(3月19-20日分)の議事要旨では「フェデラルファンド(FF)金利誘導目標の適切なレンジに対する見解は、今後のデータや他の動向に基づいてどちらの方向にも変わり得るとの考えを幾人かの参加者が示した」と記されました。「経済見通しの動向と見通しへのリスクから判断すると、FF金利誘導目標レンジを年内変えずにいることが正当化される公算が大きいと、過半数の参加者が予想した」と議事要旨は指摘しています。内容にサプライズはなくFOMC議事録を受けたマーケットへの影響は限定的です。

 

 

【今日のポイント】 

 

米国の1-3月期決算発表の注目点

 

  • 今週末の米大手銀行決算を皮切りに、来週から米国の2019年1-3月期決算シーズンに入ります。マーケットの注目ポイントはマクロから個別企業のミクロに移行していくと思われます。米主要企業の19年1-3月期決算はS&P500種採用銘柄ベースで前年同期比2.3%の減益が予想されています(リフィニティブの集計)。年初時点は同5.3%増が予想されていましたが3ヵ月で大きく下方修正されました。前の四半期である18年10-12月期は同16.9%増だったので収益に急ブレーキがかかった格好です。四半期ベースの減益は16年4-6月期以来、およそ3年ぶりです。
  • 収益悪化の要因は、大型減税効果があった2018年1-3月期の利益水準が高く、前年同期比較のハードルが高いことや、12月の政府閉鎖の影響、天候不順、WTI原油急落の影響が遅行してエネルギー企業や素材企業の決算に影響している、など一時的要因、特殊要因が大きく影響していると思われます。セクター別ではエネルギー、情報技術、通信サービス、素材が減益に転じるほか、利益ウエイトの高いヘルスケアの伸び率も3%前後に鈍化すると予想されます。
  • 一時的な要因が考慮されていることもふまえた今回の決算は事前の予想が著しく低くなっていたため、4月に入って予想の上方修正がなされています。ただし、株式市場の決算に対する期待値が回復し株価に織り込まれたとは考えにくいと思います。先行きに回復が予想されているため、今回の決算で実績が良くなくても、ガイダンスが想定よりも悪くなければ、業績底打ちとの思惑から株価は好感する可能性があると思います。
  • リフィニティブによると19年4-6月期、7-9月期はともに2%台後半の伸びにとどまる見込みです。これは18年4-6月期、7-9月期はともに同25%前後の極めて高い増益率が続いたことにより、前年同期のハードルが高いことが影響しています。しかし、10-12月期は同9%増、20年1-3月期は同15.6%増と二ケタ増益が予想されています。
  • 米S&P500種の予想PERは16.8倍(4月4日時点)と18年9月につけた18.1倍と比べて低く、ほぼ適正な水準と考えられます。ニューヨークダウは18年10月の史上最高値を更新する可能性はあります。しかし、更に上値を伸ばすには米国の年後半の経済成長の回復と主要企業の二ケタ増益予想に投資家が確信を持つ必要があります。その時期はもう少し先になるのではないかと考えられます。

 

米主要企業の決算予定(変更の可能性があります)

 

12日:JPモルガン・チェース、ウェルズ・ファーゴ

15日:シティー・グループ、ゴールドマン・サックス

16日:ブラックロック、バンク・オブ・アメリカ、IBM、ネットフリックス、ユナイテッドヘルス・グループ、ジョンソンエンドジョンソン

17日:モルガン・スタンレー

18日:ゼネラル・エレクトリック、トラベラーズ

23日:ツイッター

24日:フェイスブック、キャタピラー

25日:アマゾン・ドット・コム、インテル、スリーエム

26日:マイクロソフト、シェブロン、エクソンモービル

29日:アルファベット

30日:アップル

 

 

4月10日(水)

 

米国金融市場の主な指標

 

  • 米10年国債利回り:2.46%(前日2.50%)
  • ドル円相場:1ドル=110.95-110.96円(前日111.13-111.14円)
  • ニューヨークダウ30種平均:26,157.16ドル(前日比+6.58ドル)
  • ナスダック総合株価指数:7,964.24ポイント(前日比+54.97ポイント)
  • S&P500種株価指数:2,881.21ポイント(前日比+10.01ポイント)
  • フィラデルフィア半導体指数(SOX指数):1,477.16ポイント(前日1,464.52ポイント)
  • 米VIX指数(恐怖指数):13.31(前日14.28)
  • ニューヨークWTI原油先物1バレル=64.61ドル(前日比+0.63ドル)
  • ニューヨーク金先物1トロイオンス=1,313.91ドル(前日比+5.6ドル)
  •  

 

東京株式市場

 

  • 日経平均株価:21,687.57円(前日比-115.02円)
  • TOPIX:1,607.66ポイント(前日比-11.10ポイント)

 

データを参照したサイト(ダウ30種銘柄の上昇・下落寄与度はこちら↓)

https://nikkei225jp.com/nasdaq/

 

 

 

(お願い)

海外市場のデータは取得時のものであり、速報値の可能性があります。

閲覧・購読者自身でご確認いただきますようお願いします。

 

以上

 

 

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