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2019年4月3日
【米国の逆イールドは6日間で解消】(4月3日配信)

おはようございます。

 

【米国の逆イールドは6日間で解消】

 

 

【2日の海外市場】  

 

2日の米国株は取引材料が不足し、主要指数は高安まちまちの展開

 

  • 2日の米金融市場は、長期金利は小動きで推移しましたが、ドルインデックスは一時3週ぶり高値を付けました。ドルインデックスはドルと他通貨の総合的な強弱を示す指標です。ドル円相場はほぼ横ばいだったものの、ユーロが対ドルで下落しました。株式市場は取引材料が不足し、NY株式市場の主要3指数はダウが反落、ナスダック総合とS&P500種が続伸となるなど高安まちまちの展開でした。 
  • NYダウは前日比79ドル(0.3が%)安の26,179ドルと4日ぶりに反落しました。S&P500種は同0.05ポイント高と4日続伸しました。前日に約半年ぶりの高値を付けており、利益を確定する動きが強まりました。2日の決算発表で通期見通しの下方修正などが嫌気された大手ドラッグストアが大幅安となりダウ平均の重石となりました。
  • 米ドラッグストア大手のウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンスが2日朝に発表した2018年12月~19年2月期決算で売上高や1株利益が市場予想を下回ったうえ、通期予想も下方修正し、失望売りが広がりました。株価は前日比12%安と大幅反落、1銘柄でNYダウを55ドル引き下げました。ジョンソンエンドジョンソン、ユナイテッドヘルス・グループなど医薬品やヘルスケア関連も下落しました。半面、アップルは同1.4%上昇しダウを18ドル押し上げたほか、マイクロソフト、シスコシステムズなど大手ハイテク銘柄は上昇しました。
  • 債券市場は長期金利が2.47%と前日の2.50%からやや低下(債券相場は上昇)しました。ドル円相場は111.32円と前日の111.36円からややドル安・円高で推移しました。世界貿易機関(WTO)は2日、2019年の世界貿易の成長率予想を3年ぶりの低水準に下方修正しました。米中の貿易摩擦や関税の影響を理由に挙げました。世界貿易停滞や経済成長への懸念が再燃し安全資産としてのドルに資金が向かいました。
  • ハイテク系ではフェイスブックが前日比3%を超す上昇となり、アルファベットやツイッターも上昇しました。大型IT関連は総じてしっかりで推移しました。ナスダック総合は19ポイント(0.25%)高の7,848と4日続伸しました。フィラデルフィア半導体指数(SOX指数)は0.1%高で引けました。投資家の不安心理を示す米VIX指数は13.36と前日の13.40からやや改善しました。
  • 国際商品市場ではWTI原油先物は同0.99ドル高の1バレル=62.58ドルで引けました。
  • 2日はオーストラリアの材料が多く出ています。豪州準備銀行は政策金利を1.5%で据え置きを決定しました。住宅建設の先行指標となる2月の住宅建設許可件数は前年同月比マイナス12.5%となったものの、先月(マイナス28.6%)や市場予想(マイナス27%)よりは落ち込みが低い結果となりました。
  • オーストラリア政府は2日、来年度(2019年7月~2020年6月)予算案を発表、来年度の財政黒字は71億豪ドル(50億米ドル)となる見通しを示しました。昨年12月時点の予測から30億豪ドル上方修正しました。これを受け、政府は減税と医療・教育・インフラ支出増額を発表しました。同国では5月中旬に総選挙が実施される予定で政権与党としては人気取りの政策を実施する構えです。
  • 同時にオーストラリア政府は今年度の経済成長予測を2.25%と発表し、景気後退のないプラス成長が30年目に突入するとの見通しを示しました。来年度と再来年度の経済成長予測はともに2.75%と回復を見込んでいます。輸出と個人消費がけん引役になる見通しを示しました。順調な経済成長は豪ドル相場を支えそうです。
  • 豪ドル相場は対ドルで0.70台、対円では1豪ドル=78.7円台で取引されており、特に材料視されていません。豪ドル相場は年初来の安値圏にあり引き続き物価動向と年後半の金融政策の方向が注目されています。

 

【今日のポイント】 

 

米国の逆イールドは6日間で解消

 

  • 米国の長期金利(10年国債利回り)と短期金利(TB3ヵ月物金利)が逆転する逆イールドは3月22日から始まりましたが、4月1日には逆転が解消しました。逆イールドは経験則的にはリセッション(景気後退)の前触れといわれ、NY市場では株価が急落するなどマーケットで警戒されました。
  • 逆イールドの原因はTB3ヵ月物金利が年明け以降ほぼ横ばいで推移する中で、10年国債利回りが下落基調(債券価格は上昇基調)を強めた結果生じたものです。米国の経済指標は強弱あるものの総じて回復を示しており、景気懸念を背景とした利下げ期待の高まりというよりも、米国債に対する買い需要が強いことによる需給の影響が大きいと見ています。
  • 需給の影響はユーロ圏、特にドイツと見ています。ドイツの3月の製造業PMIが市場予想を下回る悪化となったことや、中国経済の減速、英ブレグジットを巡る懸念などを受け、3月22日にドイツの長期金利が2016年10月以来約2年5ヵ月ぶりにマイナス金利となりました。日本の長期金利も3月中旬以降、マイナス幅を拡大していましたので、利回りを求めるグローバルな投資マネーが米国の長期債に集中、米10年国債利回りは3月27日にかけて2.37%まで低下しました。
  • 3月31日に発表された中国の3月製造業PMIが5ヵ月ぶりに50を超えてきたことや、米3月のISM製造業景況指数が市場予想を上回るデータを示したことで、4月1日の米10年国債利回りは2.5%に上昇しました。ここでTB3ヵ月物金利との逆転が解消したわけです。言い換えれば米国とドイツの長期金利差による裁定取引で米債券市場が買われ(金利が低下)、米国と中国の明るい経済指標で米国債が売られる(金利が上昇)展開と言えます。
  • 引き続き、ドイツの長期金利はドイツ国内の製造業の景況感と、中国の経済状況、英ブレグジットなどに影響されます。米国の長期金利は経済指標に影響を受けます。特に週末の米雇用統計には十分な注意を払いたいと思います。意外に強い指標となると下がり過ぎた長期金利は急反騰するリスクもあるので注意が必要です。

 

4月2日(火)

 

米国金融市場の主な指標

 

  • 米10年国債利回り:2.47%(前日2.50%)
  • ニューヨーク市場ドル円相場:1ドル=111.32円(前日111.36-111.37円)
  • ニューヨークダウ30種平均:26,179.13ドル(前日比-79.29ドル)
  • ナスダック総合株価指数:7,848.69ポイント(前日比+19.78ポイント)
  • S&P500種株価指数:2,867.24ポイント(前日比+0.05ポイント)
  • フィラデルフィア半導体指数(SOX指数):1,431.63ポイント(前日1,430.24ポイント)
  • 米VIX指数(恐怖指数):13.36(前日13.40)
  • ニューヨークWTI原油先物1バレル=62.58ドル(前日比+0.99ドル)
  • ニューヨーク金先物1トロイオンス=1,295.4ドル(前日比+1.2ドル)

 

 

東京株式市場

 

  • 日経平均株価:21,505.31円(前日比-3.72円)
  • TOPIX:1,611.69ポイント(前日比-4.12ポイント)

 

データを参照したサイト(ダウ30種銘柄の上昇・下落寄与度はこちら↓)

https://nikkei225jp.com/nasdaq/

 

 

(お願い)

海外市場のデータは取得時のものであり、速報値の可能性があります。

閲覧・購読者自身でご確認いただきますようお願いします。

 

以上

 

 

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