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2019年3月27日
【日経平均の乱高下は米債券市場の過剰な反応と日本の期末要因が影響】(3月27日配信)

おはようございます。

 

【日経平均の乱高下は米債券市場の過剰な反応と日本の期末要因が影響】

 

 

【26日の海外市場】  

 

26日の米国株はそろって反発

 

  • 26日の米金融市場は、長期金利はやや上昇しドル高、株価上昇となりました。発表された米経済指標は市場予想を下回ったものの、債券市場の反応は限定的でした。先週末の米国債券市場で起きた逆イールドによる株価急落はやや過剰反応だった可能性があります。ハイテク関連では半導体や大型IT株も堅調に推移しました。 
  • NYダウは前日比140ドル(0.6%)高の25,657ドルと続伸しました。原油先物の上昇を受けてシェブロンやエクソンモービルといった石油株が高く、ゴールドマン・サックスやJPモルガン・チェース、ビザなど金融株も買われました。工業製品・事務用品のスリーエム(3M)は同2%上昇し、ダウを約27ドル押し上げました。米中貿易協議が再開を前に合意に向けて前進しそうとの期待などが材料視されました。ディズニーが同2%高、ジョンソンエンドジョンソンは1.2%高となりダウ平均の上げ幅は一時280ドル近くまで拡大しました。S&P500種は同0.72%高で引けました。
  • 債券市場は長期金利が2.42%と前日の2.40%から上昇(債券相場は下落)しました。ドル円相場は110.58円と110円台を回復、前日比ドル高・円安となりました。
  • ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価は3営業日ぶりに反発し、前日比53ポイント(0.7%)高の7,691で引けました。クアルコムが買われ、証券会社が「買い」で投資判断を始めた画像処理半導体(GPU)のエヌビディアなどが上昇しました。フィラデルフィア半導体指数(SOX指数)は同1.01%高く引けました。投資家の不安心理を示す米VIX指数は14.68と前日の16.33から大きく低下、投資家心理は落ち着きを取り戻しました。先週末の逆イールドを受けた米株式市場はやや過剰反応だった可能性があります。
  • 国際商品市場ではWTI原油先物は前日比1.12ドル高で引けました。金先物価格は同7.6ドル安で引けました。
  • 米コンファレンス・ボード(CB)の3月消費者信頼感指数は124.1と前回の131.4、市場予想の132を下回りました。米中通商協議を巡る緊張の高まりのほか、英国の欧州連合(EU)離脱を巡る先行き不透明性などの影響で消費者の心理はやや下振れています。
  • 2月の住宅着工件数は年率換算で前月比8.7%減の116.2万戸と、市場予想の121.3万戸を下回りました。一戸建て住宅が2017年5月以来、約1年9カ月ぶりの低水準となり、全体水準を押し下げました。一方、住宅着工件数の先行指標となる建設許可件数は2月に1.6%減の129.6万戸となりました。2カ月連続で落ち込んだものの、住宅着工件数を上回っていることから向こう数カ月間で着工ペースが上がることを示唆しています。
  • 米連邦住宅金融庁(FHFA)が26日発表した1月の全米住宅価格指数(季節調整済み)は前月比0.6%上昇し、上昇率は前月(0.3%)から高まりました。前年同月比では5.6%上昇しました。地域別では、全9地域中、東海岸北部を除く8地域で上昇しました。住宅価格の上昇は若い世代の住宅取得に影響する可能性があります。
  • 米エネルギー情報局(EIA)は、2018年の米国の原油生産量が17年比17%増の日量平均1095万バレルと大きく増加したと発表しました。ロシア(1075万バレル)とサウジアラビア(1042万バレル)を抜いて、45年ぶりに世界首位になりました。EIAは米国の原油生産は27年まで拡大が続くと予測、ピーク時の生産は18年実績の3割増となる日量1400万バレル台まで増加すると見ています。原油先物の主導権はこれまでのOPEC諸国やロシアから、完全に米国のシェール業者が握ったと考えられます。

 

 

【今日のポイント】 

 

日経平均の乱高下は米債券市場の過剰な反応と日本の期末要因が影響

 

  • 26日の日経平均株価は前日比451円高の21,428円と前日の急落から一転して大幅反発となりました。25日の下落分の約70%を埋め戻した格好です。27日の3月期決算企業の配当落ちを前に、株価指数先物に連動して運用する機関投資家が受け取る配当金を再投資するために、大引けにかけて先物にまとまった買いが入るとの観測が強まり株価指数先物に先回りの買いが入りました。
  • 3月期決算の1株当たり配当金は日経平均ベースで約175円程度と試算されており、市場では再投資金額が6,000億円~7,000億円規模になるとの見方があります。実際に26日の東証一部売買代金は3兆2,338億円と前日よりも1兆円近く膨らんでいるほか、先物市場の売買高も増えております。
  • 興味深いのは日経平均銘柄の寄与度の顔ぶれです。25日の日経平均650円安の時の下落寄与上位はソフトバンクG(日経平均下落寄与度62円)、エーザイ(同55円)、ファーストリテイ(同48円)など値がさ株の常連組だったのに対して、26日の上昇寄与度はダイキン(同20円)、京セラ(同13円)、ファナック(同11円)と機械、電機セクターが上位に来ています。25日は海外投資家などによる裁定解消売りが影響したものの、26日は株価指数先物には国内機関投資家の配当再投資の買い、現物株には中長期の投資マネーが入った可能性があります。
  • 東京株式市場における25日の急落と26日の急騰は年度末に来て投資家が売買を手控える中で起きました。市場予想を大きく下回ったドイツの製造業PMIに米債券市場が過剰に反応(米長期金利低下、逆イールド)し、その後は国内の期末要因の買いで上昇しました。いわば相場のブレに過ぎず、トレンドを決定付けるものではないと見ています。トレンドは米国と日本の決算発表が始まる4月以降に明らかになると思われます。

 

 

3月26日(火)

 

米国金融市場の主な指標

 

  • 米10年国債利回り:2.42%(前日2.40%)
  • ニューヨーク市場ドル円相場:1ドル=110.58-110.59円(前日109.98-109.99円)
  • ニューヨークダウ30種平均:25,657.73ドル(前日比+140.90ドル)
  • ナスダック総合株価指数:7,691.52ポイント(前日比+53.98ポイント)
  • S&P500種株価指数:2,818.46ポイント(前日比+20.10ポイント)
  • 米フィラデルフィア半導体指数(SOX指数):1,396.75ポイント(前日1,382.75ポイント)
  • 米VIX指数(恐怖指数):14.68(前日16.33)
  • ニューヨークWTI原油先物1バレル=59.94ドル(前日比+1.12ドル)
  • ニューヨーク金先物1トロイオンス=1,315.0ドル(前日比-7.6ドル)

 

 

東京株式市場

 

  • 日経平均株価:21,428.39円(前日比+451.28円)
  • TOPIX:1,617.94ポイント(前日比+40.53ポイント)

 

データを参照したサイト(ダウ30種銘柄の上昇・下落寄与度はこちら↓)

https://nikkei225jp.com/nasdaq/

 

 

 

(お願い)

海外市場のデータは取得時のものであり、速報値の可能性があります。

閲覧・購読者自身でご確認いただきますようお願いします。

 

以上

 

 

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