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2019年3月7日
【米ISM(供給管理協会)が発表する二つの景気指数】(3月7日配信)

おはようございます。

 

【米ISM(供給管理協会)が発表する二つの景気指数】

 

 

【ニューヨーク市場】 OECDが世界経済見通しを下方修正、6日の米国株は主要指数がそろって続落

 

  • 6日のニューヨークの金融市場は、OECDが世界経済見通しを下方修正したことや米国の弱い雇用関連指標を受け、米長期金利は低下(債券価格は上昇)、米株式市場は主要3指数がそろって下落しました。ドル/円相場は111.74円台で取引されました。為替市場では昨年10~12月期の実質GDP成長率が市場予想を下回った豪ドルが売られ、中銀のタカ派スタンスが維持されたトルコリラの上昇(対ドル)が目立ちました。
  • NYダウは前日比、133ドル安い25,673ドルと続落しました。朝方発表の12月の米貿易赤字は597億ドルと前月から19%増え、市場予想(573億ドル前後)を上回りました。米実質国内総生産(GDP)の下押し要因になるとの懸念が浮上し、株式の買い控えにつながっています。ダウ採用銘柄では航空機のボーイングやキャタピラーといった中国関連や医療保険のユナイテッドヘルス・グループ、原油価格の下落を受けてエクソンモービル、長期金利の低下を受けたゴールドマン・サックスなどがダウを押し下げました。
  • 債券市場は長期金利が2.69%と前日の2.71%からやや低下しました。ドル/円相場は111.74円と前日の111.86円からやや円高・ドル安で推移しました。為替市場で目立ったのは豪ドルとトルコリラです。豪州の第4・四半期国内総生産(GDP)が前期比で0.2%増、前年比で2.3%増と、いずれも市場の事前予想を下回ったことで豪ドル/円は79円前半から78円後半まで下落しました。トルコ中央銀行は6日、政策金利を予想通り24.00%に据え置きました。ただ中銀は声明で「インフレ見通しが著しく改善するまで、引き締め的な金融政策スタンスを維持することを決定した。必要に応じて一段の金融引き締めを実施する」と表明。6月の政策決定会合より前に利下げが実施される可能性があるとの市場の見方が緩和されたことで、トルコリラは対ドルで上昇しました。
  • ナスダック総合は70ポイント(0.9%)下落の7,505で引けました。AMDやザイリンクス、マイクロン・テクノロジ-など大手半導体関連が軒並み安く、フィラデルフィア半導体指数(SOX指数)は1.7%下落しました。投資家の不安心理を示す米VIX指数は15.74と前日の14.74から上昇しました。
  • 国際商品市場ではWTI原油先物は米エネルギー情報局が発表した米国の原油の在庫が市場予想よりも増えたことで1バレル56.22ドルと下落しました。
  • 米民間雇用サービス会社ADPが6日発表した2月の全米雇用リポートによると、非農業部門の雇用者数は前月から18万3,000人増えました。増加幅は前月の改定値(30万人)から鈍化しましたが、市場予測(18万5,000人程度)とほぼ一致しました。今週末に発表される米雇用統計で非農業部門雇用者数の市場予想は前月比で18万5,000人増と予想されていますが、堅調な雇用増が維持されているかが注目されます。
  • 米FRBが6日発表した地区連銀経済報告(ベージュブック)は、1月下旬から2月にかけて米経済は「拡大を続けた」と総括判断しました。12の地区連銀中10地区で経済活動が「わずか」もしくは「緩やか」に拡大し、2地区は横ばいでした。製造業はおおむね堅調でしたが、一部の半導体企業は中国からの受注が4割減り、新規雇用を凍結したと伝えたほか、政府閉鎖の影響で小売り、自動車販売、観光、不動産、製造業、人材派遣などの分野で活動の鈍化がみられたと指摘しました。
  • 2018年の貿易統計(通関ベース)は、モノの赤字が前年比10.4%増の8,787億となり、06年以来12年ぶりに過去最大を更新しました。堅調な米景気が輸入を押し上げました。貿易赤字は全体の半分弱を占める対中国が同11.6%増え2年連続で過去最大、対日本は1.8%減でした。対欧州連合(EU)の貿易赤字も拡大して過去最大を記録しました。
  • 米ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁は6日、米経済の減速は必ずしも懸念すべき要因ではなく、むしろ想定されるべき「新常態(ニューノーマル)」であるとの考えを示しました。ウィリアムズ総裁は金融政策の観点から見て米経済は「この上ない状況」に到達しており、中立水準にある現在の金利の根拠になっていると指摘。その上で「堅調な労働市場や穏やかな成長、目立ったインフレ圧力の兆候がない状態の中で、基本的な見通しは非常に良好と言える」と述べました。金融市場への影響は限定的でした。
  • OECDは世界経済見通し(改訂版)を発表、2019年の世界経済成長率見通しを3.5%から3.3%に引き下げました。OECDは「世界的な景気拡大は勢いを失い続けている」とし、20カ国・地域(G20)のほとんどについて経済見通しを下方修正しました。米国の長期金利に影響した可能性があります。

 

 

【今日のポイント】 

 

米ISM(供給管理協会)が発表する二つの景気指数

 

  • ISM製造業景気指数は米ISM(供給管理協会)が発表する米国の製造業の購買担当役員へのアンケート結果をもとにした企業の景況感を示す指標です。前月の結果を翌月第1営業日に公表される速報性が特徴です。数日後にサービス業を対象にしたISM非製造業景気指数が発表されます。
  • 3月5日に発表された2月の米ISM非製造業景気指数は59.7と前月の56.7から上昇し、市場予想の57.4を上回りました。前月からの上昇幅(+3.0)はおよそ1年ぶりの大きさとなりました。指数を構成する4つの項目のうち3つが上昇。特に景況指数は2004年12月以来の高水準を回復したほか、新規受注指数は1997年以降の過去最高を記録するなど、先行きの堅調さを示す内容となっています。一方、雇用指数は低下したものの、依然として高い水準を維持しているほか、輸出受注や輸入の各指数の水準からみても、米中貿易摩擦が米国の非製造業全体に与える影響は限定的と見られます。
  • 一方、3月1日に発表された2月の米ISM製造業景気指数は54.2と市場予想の56.0を下回り、2016年11月以来の低水準となりました。もっとも、好・不況の境目とされる50は超えており、2016年のチャイナショック時のように、2015年11月から16年2月まで4ヵ月連続で50を割り込んだ局面と比べても比較的堅調に推移していると言えます。
  • 米国の名目GDPに占める製造業のシェアは12%程度しかなく、サービス業のシェアは約7割もあります。米国はサービス業の国なのです。ISM非製造業景気指数が高い水準を維持していることは、個人消費関連などサービス関連が引き続き米経済をしっかり支えていることを示しています。
  • 製造業の受注や生産、出荷、在庫などは景気に先行する傾向があります。その意味でISM製造業景気指数が悪化を示す場合、景気の先行きに警戒信号を発信している可能性が高く、十分に警戒する必要があります。2月のISM製造業景気指数は50を超えているため、今のところ政府機関の一部閉鎖やNY株価の急落が米製造業に与える影響は徐々に弱まりつつあるようです。
  • 足元のISM非製造業景気指数の堅調な推移を考えると、米国の企業景況感は今後、全体として底堅く推移する可能性が高いように思います。

 

 

3月6日(水)

 

米国金融市場の主な指標

 

  • 米10年国債利回り:2.69%(前日2.71%)
  • ニューヨーク市場ドル円相場:1ドル=111.74-111.75円(前日111.86-111.87円)
  • ニューヨークダウ30種平均:25,673.46ドル(前日比-133.17ドル)
  • ナスダック総合株価指数:7,505.92ポイント(前日比-70.44ポイント)
  • S&P500種株価指数:2,771.45ポイント(前日比-18.20ポイント)
  • 米フィラデルフィア半導体指数(SOX指数):1332.82ポイント(前日1356.9ポイント)
  • 米VIX指数(恐怖指数):15.74(前日14.74)
  • ニューヨークWTI原油先物1バレル=56.22ドル(前日比-0.34ドル)
  • ニューヨーク金先物1トロイオンス=1,287.6ドル(前日比+2.9ドル)

 

 

東京株式市場

 

  • 日経平均株価:21,596.81円(前日比-129.47円)
  • TOPIX:1,615.25ポイント(前日比-3.98ポイント)

 

データを参照したサイト(ダウ30種銘柄の上昇・下落寄与度はこちら↓)

https://nikkei225jp.com/nasdaq/

 

 

 

(お願い)

海外市場のデータは取得時のものであり、速報値の可能性があります。

閲覧・購読者自身でご確認いただきますようお願いします。

 

以上

 

 

 

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