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2019年2月27日
【中国の金融緩和効果が顕在化、全人代での「外商投資法案」採決が注目】(2月27日配信)

おはようございます。

 

【中国の金融緩和効果が顕在化、全人代での「外商投資法案」採決が注目】

 

 

【ニューヨーク市場】  26日の米国株は小幅反落、FRB議長発言で債券相場が反発

 

  • 26日のニューヨークの金融市場は長期金利が低下(相場は上昇)し、主要株価指数はそろって小幅に反落しました。昨年12月の住宅関連指標が弱かったことやパウエル米FRB議長の議会証言を受けて利上げ期待が後退しました。ただし、2月の消費者マインド指数は前月から大きく上昇し、政府閉鎖の影響は一時的なショックだったことが示唆されます。為替市場ではポンドの上昇が目立ちました。

  

  • NYダウは前日比33ドル安い26,057ドルで引けました。ホームセンターのホーム・デポが2018年11月~19年1月期決算を発表、既存店売上高などが市場予想に届かなかったことで下落しました。証券会社が投資判断を「買い」から「売り」に2段階引き下げた建機のキャタピラーも下げました。2銘柄でダウを約34ドル押し下げました。

 

  • パウエル米FRB議長は26日の米上院での議会証言で、米経済は今年底堅いペースで拡大するものの前年からは幾分減速するとし、FRBは引き続き「忍耐強く」利上げに対応すると表明しました。インフレは目標の2%近辺で安定する見通しを示しました。35日に及んだ政府機関一部閉鎖の影響については、経済への影響は限定的で、今後数週間で解消されるとの見通しを示しました。また、バランスシート縮小の終了については「適切な時期とアプローチ」を見極めると語りました。市場は利上げ期待が一段と後退すると読み、債券買い(金利低下)で反応しました。

 

  • 債券市場は長期金利が2.63%と前日の2.66%から低下しました。ドル円相場は110.54ドル台と前日の111.04ドルからややドル安・円高で推移しました。

 

  • ナスダック総合は同5ポイント安で引けました。投資家の不安心理を示す米VIX指数は15.17と前日の14.85からやや上昇しました。

 

  • 2018年12月のS&Pコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数(主要20都市)の上昇率は前年同期比+4.2%と、4年1カ月ぶりの低い伸びとなりました。住宅価格の上昇率は18年4月以降、9カ月連続で低下しています。

 

  • 12月の米住宅着工件数は前月比11.2%減の約107万8千戸と、15年10月以来3年2カ月ぶりの低水準に落ち込みました。市場予測124万戸を下回りました。

 

  • 一方、米2月の消費者信頼感指数は131.4(1985年=100)で、前月から9.7ポイント上昇しました。4カ月ぶりの上昇で、市場予測(124.0程度)を大きく上回りました。

 

  • ロイターの報道によると英国のメイ首相は26日に議会で演説し、議会の明確な同意がある場合にのみ、3月29日に合意なく離脱することになると表明しました。英国が合意のないままEUを離脱する可能性が6月末まで先延ばしされ、2016年の国民投票で決定されたEU離脱のプロセスは大きな転換点を迎えました。ドイツ銀行は26日、英国が離脱条件などで合意できないまま欧州連合(EU)を離脱する確率は10%とし、従来の15%から引き下げました。為替市場で英ポンドは対ドルで一時1.3%上昇する場面がありました。

 

 

【今日のポイント】 

 

【中国の金融緩和効果が顕在化、全人代での「外商投資法案」採決が注目】

 

  • 15日に発表された中国の1月分社会融資総量残高(新基準)は前年比+10.4%と前月の+9.7%から再加速に転じました。これまで債務削減策から伸び率の鈍化が続いてきましたが、当局が景気重視のスタンスに軸足を移しつつあるなか、非銀行部門による資金供給残高も再び伸び率を加速させてきたようです。

 

  • 社会融資総量残高は「実体経済のマネーの供給量」を示す中国独自の指標です。銀行を介さないオフバランス融資、いわゆるシャドウバンキングを経由した資金供給を捉えていることから、シャドウバンキングの存在が大きい中国ではM2よりもマネーの供給量を測るうえで適した指標と考えられています。

 

  • 同日発表された1月分人民元建て貸出残高も前年比+13.6%と伸び率がさらに加速するかたちとなっています。中国ではこうした金融の量的指標は実体経済の先行指標として有用なので、中国経済は4-6月期以降に上向く可能性が出ています。

 

  • こうしたなかで28日には中国の2月の製造業PMIが発表されます。市場予想は1月と同水準の49.5と見込んでいます。1月の製造業PMIは49.5と2ヵ月連続で好調・不調の境目となる50を割り込みました。特に「輸出受注」が46.9と全体の足を引っ張っており、2015年後半以来の低い水準となっています。2月は春節(4日~10日が春節休暇)が含まれるため、経済活動は低迷している可能性がある点は割引く必要があります。

 

  • 中国は3月5日、日本の国会に相当する全国人民代表大会(全人代)が開幕します。追加的な景気対策なども議論されると思われます。もうひとつ注目されるのは「外商投資法案」の採決です。同法案は外資の技術を中国側に強制移転させることを禁じる法律です。従来から技術の強制移転は米国などから厳しく批判され、米中通商協議の焦点の一つでした。中国政府はこれまで「強制的な技術移転はない」との立場でしたが、米国側に大きく譲歩した格好です。中国共産党機関紙・人民日報によると、草案では「外国企業の合法的な権益の保護を強める」としています。3月下旬に行われる米中通商協議に関する米中首脳会談の成果の目玉の一つになるかもしれません。

 

 

2月26日(火)

 

米国金融市場の主な指標

 

  • 米10年国債利回り:2.63%(前日2.66%)
  • ニューヨーク市場ドル円相場:1ドル=110.54-110.55円(前日111.04=111.05円)
  • ニューヨークダウ30種平均:26,057.98ドル(前日比-33.97ドル)
  • ナスダック総合株価指数:7,549.30ポイント(前日比-5.16ポイント)
  • S&P500種株価指数:2,793.90ポイント(前日比-2.21ポイント)
  • 米フィラデルフィア半導体指数(SOX指数):1,366.58ポイント(前日1,375.95ポイント)
  • 米VIX指数(恐怖指数):15.17(前日14.85)
  • ニューヨークWTI原油先物1バレル=55.50ドル(前日比+0.02ドル)
  • ニューヨーク金先物1トロイオンス=1,328.50ドル(前日比-1.0ドル)

 

 

東京株式市場

 

  • 日経平均株価:21,449.39円(前日比-78.84円)
  • TOPIX:1,617.20ポイント(前日比-3.67ポイント)

 

データを参照したサイト(ダウ30種銘柄の上昇・下落寄与度はこちら↓)

https://nikkei225jp.com/nasdaq/

 

 

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以上

 

 

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