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2019年2月22日
【中国の景気先行指数に底入れの動き】(2月22日配信)

おはようございます。

 

【中国の景気先行指数に底入れの動き】

 

 

【ニューヨーク市場】  21日の米国株は反落、弱い米経済指標が重石に

 

  • 21日のニューヨークの金融市場で米国株式相場は反落しました。米経済指標が下振れしたのを受け、米景気の先行き不透明感が改めて意識されました。半導体関連や大型IT株は利益確定売りに押されて下落しました。連続して上昇してきたナスダック総合指数は9日ぶりに反落しました。一方で米中通商協議の進展を示す報道は相場を支えました。米長期金利は上昇(国債相場は下落)しました。ドル円相場は小動きですが、豪ドルは中国との関係悪化を受けた報道が影響し、対ドル、対円とも1%を超す下落となりました。

 

  • NYダウは前日比103ドル安の25,850ドルで引けました。4日ぶりの反落です。ボーイングやユナイテッド・テクノロジーズ、ゴールドマン・サックスなど景気敏感株がダウを押し下げました。マクドナルド、コカ・コーラなどディフェンシブ株が買われました。ハイテクではマイクロソフトが買われました。

 

  • 債券市場は米長期金利が2.69%と前日の2.64%から上昇(国債相場は低下)しました。ドル円相場は110.65円台と前日からやや円高・ドル安で推移しました。

 

  • アルファベットやフェイスブック、アマゾン・ドット・コム、ネットフリックスなど大型IT関連に下落するものが多く、エヌビディア、ザイリンクス、マイクロンテクノロジーズなど半導体関連も下落しました。ナスダック総合は同29ポイント下落しました。フィラデルフィア半導体指数(SOX指数)は同0.7%安となりました。投資家の不安心理を示す米VIX指数は14.46と前日の14.02からやや上昇しました。

 

  • 米中の閣僚級協議の進展が買い材料視されました。知的財産権や人民元相場などを巡る構造問題についての「覚書」をまとめ、米中首脳会談での合意に向けて詰めの協議に入ると伝わりました。米メディアのブルームバーグは米中通商当局者らが合意を目指して交渉中の貿易協定の一環として、中国は大豆やトウモロコシ、小麦を含む米国からの農産品輸入額を年間300億ドル(約3兆3200億円)増やす計画を提案していると伝えました。

 

  • 米経済指標は弱いものが目立ちました。2月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数がマイナス4.1と市場予想(プラス14.0)を大幅に下回り、2016年5月以来初めてマイナス圏に落ち込みました。1月の米中古住宅販売戸数(季節調整済み)は年率換算で前月比1.2%減の494万戸と、2015年11月以来の低水準となりました。市場予想の500万戸も下回りました。住宅ローン金利上昇と住宅価格上昇で買い手控えの影響がでています。

 

  • 12月の米耐久財受注で、企業の設備投資の先行指標とされる航空機を除く非国防資本財は2カ月連続で減少しました。1月下旬までの米政府閉鎖が影響した可能性はあるものの、世界景気減速で設備投資需要が急速に伸び悩むとの警戒感につながった模様です。

 

  • JPモルガンは21日、第1・四半期の米経済成長率見通しを1.75%から1.50%に引き下げました。昨年12月の耐久財受注の伸びが予想を下回り、コア資本財の受注が予想外に減少したことが背景です。 18年第4・四半期については1.6%から1.4%に下方修正しました。ただ今年第2・四半期は消費と政府支出の増加が予想されるため成長率は2.25%に回復すると予想しています。

 

  • 2月のユーロ圏の製造業購買担当者景気指数(PMI)は好不況の境目の50を下回り、世界経済の減速懸念が強まりました。主要国の株式市場や国際商品相場など、景気の先行指標は回復を読み込んで上昇していますが、足元の欧米の経済指標は依然として減速を示す指標が優勢です。

 

 

【今日のポイント】 

 

中国の景気先行指数に底入れの動き

 

  • 中国株が堅調に推移しています。1月末を基準とした上海総合指数の上昇率は+6.8%となっており、NYダウの+3.1%やナスダック総合の+2.8%、日経平均の+3.1%、独DAXの+2.0%を大きく上回ります。人民元も対ドルでジリジリと上昇しており、明らかに1月頃のムードと変化してきています。中国経済リスクを盛んに強調していたメディアもおとなしくなりました。米中通商交渉が進展しているという報道が増えてきており、投資家が楽観姿勢を強めていることは事実です。実は中国の経済指標に底入れのサインが出ています。

 

  • OECD景気先行指数(CLI)の中国版によると、2018年12月の同指数は98.5と前月比0.08ポイント改善しました。前月比の改善は9月以降4カ月連続で、水準的にも底入れしつつあります。前月比を年率換算した値は同1.0%改善しました。

 

  • 中国のCLIは前年同期比伸び率でみると米国・ユーロ圏・日本のCLIに対して明らかに先行性があります。おそらく、中国がこれらの先進国、地域に比べて原材料により近い段階の製品・半製品を生産していることが影響していると考えられます。その中国のCLIの前年同月比はすでに18年8月に底入れをして、2番底を形成せずに浮上を続けています。これはユーロ圏、日本、米国のCLIも中国に遅れて底入れすることを示唆しています。

 

  • 中国の具体的な経済指標にも改善が表れ始めています。中国は最近の市中銀行向けの貸し出し金利の引き下げや、預金準備率引き下げ等の金融緩和政策のもとで、18年12月のマネタリーベースは前年同期比二ケタの伸び率となっています。これに伴って12月の住宅販売床面積の前年同期比は2.5%増と、11月の同3.7%減から拡大に転じています。減税や公共投資等の財政出動も始まりました。中国の景気底入れは今後乗用車販売の回復等を通じて、実体経済に波及し世界景気の底入れにつながる可能性があると考えられます。

 

 

2月21日(木)

 

米国金融市場の主な指標

 

  • 米10年国債利回り:2.69%(前日2.64%)
  • ニューヨーク市場ドル円相場:1ドル=110.65-110.66円(前日110.82-110.83円)
  • ニューヨークダウ30種平均:25,850.63ドル(前日比-103.81ドル)
  • ナスダック総合株価指数:7,459.71ポイント(前日比-29.36ポイント)
  • S&P500種株価指数:2,774.88ポイント(前日比-9.82ポイント)
  • 米フィラデルフィア半導体指数(SOX指数):1,350.25ポイント(前日1,360.28ポイント)
  • 米VIX指数(恐怖指数)14.46:(前日14.02)
  • ニューヨークWTI原油先物1バレル=56.96ドル(前日比-0.20ドル)
  • ニューヨーク金先物1トロイオンス=1327.8ドル(前日比-20.1ドル)

 

 

東京株式市場

 

  • 日経平均株価:21,464.23円(前日比+32.74円)
  • TOPIX:1,613.50ポイント(前日比+0.03ポイント)

 

データを参照したサイト(ダウ30種銘柄の上昇・下落寄与度はこちら↓)

https://nikkei225jp.com/nasdaq/

 

 

(お願い)

海外市場のデータは取得時のものであり、速報値の可能性があります。

閲覧・購読者自身でご確認いただきますようお願いします。

 

以上

 

 

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