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2019年2月12日
【株価の回復に一巡感、今週の重要イベント、投機筋の円売り越しポジションは急減】(2月12日配信)

おはようございます。

 

 

【株価の回復に一巡感、今週の重要イベント、投機筋の円売り越しポジションは急減】

 

 

【ニューヨーク市場】 11日の米国株はまちまち、NYダウは53ドル安

 

  • 11日のニューヨークの金融市場は、先週末と比べて米長期金利は上昇(債券相場は下落)、株式市場はまちまちの動きとなりました。為替相場は1ドル=110.35円台と円安・ドル高で取引されました。
  • NYダウは先週末比53ドル安い25,053ドルで引けました。S&P500種は同1.9ポイント高、ナスダック総合は同9.7ポイント高となりました。
  • 米国と中国の次官級の貿易協議が11日に始まり、貿易摩擦の解消に向けた何らかの進展がみられるとの期待が相場を押し上げ、ダウは朝方に一時同90ドルあまり上昇する場面がありました。週末には一部報道で、3月中旬にもトランプ米大統領のフロリダの別荘で首脳会談を実施する方向で閣僚らが非公式に協議していると伝わりました。
  • ただ、米連邦政府の一部予算が15日に期限を迎えるのを前に、米政府機関が再び閉鎖しかねないとの懸念もあって上値は限られました。
  • ドイツの長期金利が上昇したことを受け、米債券相場は長期金利が2.65%と前週末の2.63%からやや上昇しました。貿易摩擦の解消に向けた進展への期待から、春節明けの上海総合指数が上昇しています。中国株の上昇を受けてドル円相場は110.40円台に上昇しています。
  • 英政府が発表した2018年第4・四半期の国内総生産(GDP)速報値は、前期比0.2%増で、第3・四半期の0.6%増から伸びが鈍化しました。これにより、2018年の成長率は1.4%と17年の1.8%から低下し2012年以来の6年ぶりの低水準となりました。
  • 中国商務省が10日発表した春節(旧正月)期間中(2月4日~10日)の国内の小売・飲食業による売上高は1兆50億元(約16兆2,000億円)と2018年より8.5%増えました。昨年の伸び率を1.7ポイント下回りました。現行の統計を始めた05年以降で伸び率が2桁を割るのは初めてとなりました。中国経済の減速ぶりが年間で最大級の商戦期である春節の消費にも表れた格好です。
  • 中国人民銀行(中央銀行)が発表した1月の外貨準備高は3兆880億ドルで、前月から152億ドル増加しました。人民元の上昇が背景と見られます。増加幅は市場予想を上回り、過去1年で最大となります。

 

 

【今週の注目ポイント】

 

1.株価の回復に一巡感

  • 先週の東京株式市場は12月下旬からの日経平均株価の回復に戻りの限界が感じられました。日経平均は5日に一時20,981円と21,000円に接近する場面がありましたが、週後半に押し戻されました。
  • 7日にトランプ米大統領が交渉期限の3月1日までに米中首脳会談を開く可能性は(現時点で)ない」と発言し、米中協議進展への期待感が後退、投資家心理を冷やした格好です。欧州委員会がユーロ圏の経済見通しを大幅に下方修正したことを受けて世界経済懸念が改めて意識されました。ピークを迎えた決算発表ではIT関連の好調が目立ちましたが、ソニーやトヨタなど日本を代表する製造業の下方修正を受けた株価下落が影響しました。
  • 日経平均はテクニカル面の要素も大きいと思います。先週の日経平均の戻り高値は、昨年10月の高値から12月26日の安値までの下落幅のちょうど半値戻り水準となります。戻りの一巡感も意識されるところです。
  • 先週7日はドイツ、フランス、英国の長期金利がそろって過去52週間の安値を更新しました。欧州の長期金利が米国にも波及し、米長期金利は2.63%台と低水準にあり、ドル円相場も上値が重い状態が続いています。
  • 東京市場では資金が株式から債券にシフトしています。8日の市場では追加緩和を巡る思惑などで債券が買われ(金利が低下)、日本の長期金利はマイナス0.03%で取引を終えました。株価がもう一段上値を試すには新しい買い材料が必要と思われますが、月内を見通しても不透明材料が山積しています。株価は一旦仕切り直しとなりそうです。
  • 今週もやや調整色の強い展開が予想されます。日経平均が下値を試す場合は12月以降の上昇の半値押しレベルの20,000円前後が一つのメドとなります。

 

2.今週の重要イベント

  • 12日は1月の米NFIB中小企業楽観指数、13日は1月の米CPIの発表が予定されています。NFIB中小楽観指数は過去最高となった8月から12月まで4ヵ月連続で低下しており、米中小企業のマインドの冷え込みが警戒されます。1月の米CPIは市場予想で前年同月比+2.10%と12月(同+2.2%)から伸び率が鈍化すると予想されます。
  • 米中通商に関してはいよいよ14日、15日に米中閣僚級協議(北京)が開催されます。米USTRのライトハイザー代表とムニューシン米財務長官が訪問する予定です。米中交渉の先行きに展望が開かれるかが注目されます。
  • 英国のEU離脱修正案を巡る不透明感や、週末に控える米国の「つなぎ予算案」の期限で、再度政府閉鎖のリスクも意識されます。米政府機関の再閉鎖については現地に詳しい専門家の情報では今回は避けられると見ています。その際、トランプ大統領が国家非常事態を宣言することで、米議会を通さないで費用を捻出する案が考えられますが、先の専門家は、先日の一般教書演説での大統領の立ち振る舞いやパフォーマンスからはそのシナリオの確率は2割程度とかなり低いと見ていました。
  • UE離脱修正案の採決は14日と報道されています。英国下院は1月29日に「合意なし離脱」の回避、「バックストップ条項」の見直しを可決しています。しかし、EUは再交渉に応じない方針を示しています。市場では英国がUE離脱期限を延長する可能性を予測している模様ですが、ここは結果を見るまで分かりません。
  • 日本の統計では14日に10-12月期GDP(速報値)が公表されます。市場予想は前期比年率換算でプラス1.4%と7-9月期のマイナス2.5%からプラス成長が予想されます。

 

今週の重要イベント

(2月11日-2月15日)

 

11日 :英10-12月期GDP

12日 :パウエル米FRB議長の講演

:1月米NFIB中小企業楽観指数

:日本の工作機械受注

13日 :英、新「EU離脱案」議会提示期限(採決は14日、延期の可能性も)

:米1月のCPI

14日 :米中閣僚級協議(北京、~15日)

:日本の10-12月期GDP一時速報

:米12月小売り売上高

:中国貿易収支

:ユーロ圏10-12月期GDP(改定値)

15日 :米政府閉鎖解除「つなぎ予算」期限

:中国鉱工業生産、CPI

:2月NY連銀製造業景気指数

:1月の鉱工業生産指数、設備稼働率

:2月ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)

(予定であり変更の可能性があります)

 

3.投機筋の円売り越しポジションは急減

  • 米政府機関の一部閉鎖で公表が遅れていた米商品先物取引委員会(CFTC)の統計が発表されました(1月8日時点)。年末年始を挟んで急速な円高ドル安となったため投機筋の円ポジションが注目されていました。投機筋の円ポジションは▲61,314枚の売り越しと昨年9月11日以来の低水準となりました。前週(1月31日時点)の▲88,623枚から縮小、3週間連続で減少しました。円売りポジションの巻き戻しが大きく進んだこと(=円高要因)ことを示します。
  • 12月FOMC前の12月18日時点の▲102,771枚の売り越しからは40%減少しました。ドル円相場は当時の112.50円から年明けにはフラッシュクラッシュを受けて105円台まで円高・ドル安となった大きな要因に、投機筋の売りポジションの買い戻しが影響したと考えられます。ポジション調整の一巡で円高圧力の低下が予想されます。
  • 豪ドルの売り越しポジションが拡大しているのも目立ちます。1月8日時点で▲37,775枚の売り越しと前週の▲26,291枚から売り越しが拡大しています(豪ドルの下落要因)。オーストラリア準備銀行は2月8日に発表した四半期金融政策報告で、2019年の実質GDP成長率の予測を3.0%として、前回より0.25%引き下げました。住宅市場の変調が「重大な不確実性となっている」として住宅価格下落を受けた経済の先行きに慎重姿勢を示しました。先週以降、米ドルに対して豪ドルの下落が進み始めています。投機筋は早くから通貨安を読み始めていた模様です。
  • 米10年国債先物の売り越しポジションは急速に縮小しています。12月31日時点で▲308,287枚の売り越しから、1月8日時点は▲188,068枚まで縮小しました。売りポジションが買い戻され(=国債先物買い)、米長期金利の低下要因となりました。
  • 米CFTCの投機筋の通貨のポジション動向はこちら↓(IMMポジションダウンロードを開いてください。グラフとデータが表示されます。)

https://www.gaitame.com/markets/imm/

 

  • CFTCの投機筋の米10年国債先物のポジション動向はこちら↓

https://www.dai-ichi.co.jp/market/cftc.asp?cd=9105

 

 

2月11日(月)

 

米国金融市場の主な指標

 

  • 米10年国債利回り:2.65%(前日2.63%)
  • ニューヨーク市場ドル円相場:1ドル=110.35-110.36円(前日109.76-109.77円)
  • ニューヨークダウ30種平均:25,053ドル(前日比-53ドル)
  • ナスダック総合株価指数:7,307ポイント(前日比+9ポイント)
  • S&P500種株価指数:2,709ポイント(前日比+1ポイント)
  • 米フィラデルフィア半導体指数(SOX指数):1,308ポイント(前日1,302ポイント)
  • 米VIX指数(恐怖指数):15.97(前日15.2)
  • ニューヨークWTI原油先物1バレル=52.41ドル(前日比-0.31ドル)
  • ニューヨーク金先物1トロイオンス=1311.9ドル(前日比-0.6ドル)

 

 

東京株式市場(2月8日)

 

  • 日経平均株価:20,333円(前日比-418円)
  • TOPIX:1,539ポイント(前日比-29ポイント)

 

データを参照したサイト(ダウ30種銘柄の上昇・下落寄与度はこちら↓)

https://nikkei225jp.com/nasdaq/

 

 

 

(お願い)

海外市場のデータは取得時のものであり、速報値の可能性があります。

閲覧・購読者自身でご確認いただきますようお願いします。

 

以上

 

 

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