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2019年1月30日
【中国の新EC法がインバウンド消費に影響、強力な日本ブランドを持つインバウンド関連は安値を拾うチャンス】(1月30日配信)

おはようございます。

 

 

【中国の新EC法がインバウンド消費に影響、強力な日本ブランドを持つインバウンド関連は安値を拾うチャンス】

 

 

【ニューヨーク市場】  米国株は小動き、NYダウは前日比51ドル高

 

  • 29日の米株式市場で主要指数はまちまちの展開、NYダウは前日比51ドル高い24,579ドルで引けました。ハイテク株が多いナスダック総合は同57ポイント安と明暗を分けました。30~31日の米中閣僚級貿易協議や米FOMCを控え、株価は方向感が出にくい状況でした。米中協議への期待でキャタピラ-やボーイングが買われ、ダウを押し上げました。予想を上回る好決算発表を受けてスリーエムが上昇、売上高が予想を下回ったベライゾンは下落するなど決算発表が個別銘柄の株価に影響しました。
  • 米調査会社コンファレンス・ボードが発表した1月の消費者信頼感指数は120.2と前月から6.4ポイント低下、3カ月連続の低下で、2017年7月以来1年6ヵ月ぶりの低水準となりました(市場予測124.0程度)。NY株価の急落や政府閉鎖などが消費者の景況感を冷やしたとみられます。
  • 米S&Pダウ・ジョーンズ・インディシーズが29日発表した2018年11月のS&Pコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数(主要20都市)は前年同月比で4.7%上昇しました。伸び率は前月の5.0%から縮小し、15年1月(4.4%)以来、3年10カ月ぶりの低い伸びとなりました。弱い米経済指標の発表を受けて米長期金利は2.71%と前日の2.74%から低下しました。
  • 事務用品・工業製品のスリーエム(3M)の2018年10~12月期決算が売上高、利益ともに市場予想を上回り株価は上昇、1銘柄でNYダウを約25ドル押し上げました。米通信大手ベライゾン・コミュニケーションズが発表した2018年10~12月期の決算は、売上高が市場予想(344億ドル程度)を下回り、株価は下落しました。
  • 決算発表を控えるアップルは1%の下落、フェイスブックやアマゾン・ドット・コムは2%以上下落しました。ハイテク株が多く取引されるナスダック総合は0.8%の下落とダウ(0.2%の下落)を上回りました。先日決算を発表したエヌビディアは下落しフィラデルフィア半導体指数(SOX指数)は同1.4%下落しました。投資家の不安心理を示す米VIX指数は19.13と前日の18.87からやや上昇しています。

 

 

【今日のポイント】  中国の新EC法がインバウンド消費に影響、強力な日本ブランドを持つインバウンド関連は安値を拾うチャンス

 

  • 29日付けの日本経済新聞マーケット総合1面では米金融政策正常化の停止観測で投資家が円高シナリオを予想し、訪日外国人観光客(インバウンド)消費に影響するため、関連銘柄の株価が低迷していると解説しています。
  • ここ数年、訪日外国人観光客が増加した背景はビザの規制緩和に加えて、円安が進んだことで、海外から見た日本の商品やサービス価格が相対的に割安になったことが大きいと言われております。
  • 年初来のセクター別株価騰落率は小売や食品、鉄道などインバウンド関連銘柄が多く含まれる業種がマイナスとなっており、ドラッグストアも株価がさえない銘柄が目立ちます。昨年後半からの円高がインバウンド消費にブレーキをかけており、今後も円高リスクが強まれば、株価も期待できないという解説です。
  • インバウンド関連銘柄が低迷する理由の一つに、1月から中国で実施された新EC(電子商取引)法の施行が影響しています。規制の対象はECの運営者で具体的には、電子モールなどのプラットホーム運営者、モールへの出店業者、独自の通販サイト運営などを通じて販売する企業の3主体です。
  • いずれも政府に登録が義務付けられ、違反すれば制裁金などを科される可能性があります。同法の施行によって中国代購(並行輸入)業者が様子見姿勢を決め込んでいるほか、これまでの駆け込み需要の反動減などで、国内百貨店における化粧品などの売上高が1月に落ち込みました。
  • 中国のEC市場の伸び率はめざましいものの、個人で輸入代行サイトなどを運営する例も多く脱税や模倣品などによる知的財産侵害の問題が海外から批判されていました。同法は知財侵害に対してはプラットホーム運営者に細かな対応を求めています。
  • 中国がEC市場で知財侵害対応を強化した背景には、米国からの知財侵害批判をかわす中国政府の狙いもあります。「知的財産の保護」は昨年12月1日に米中首脳会談で合意した中国の構造改革を巡る5分野のなかの一つのテーマです。
  • 新EC法は中国企業だけでなく、中国でECを手掛ける海外企業も適用対象となります。日本企業も対応の事務的負担は重くなりますが、一方で違法業者と同じ土俵での商売を強いられてきた企業には法施行が中長期的に追い風になるという見方もあります。
  • 新EC法導入直後の混乱で、インバウンド消費の伸び率が一時的に鈍化する可能性はありますが、中国人が好む日本ブランドの化粧品や、サプリ、大衆薬、生活用品を得意とする企業は早めに需要が回復する可能性があります。これらの株式の安値を拾うタイミングが重要になります。

 

 

1月29日(火)

 

ニューヨーク市場の主な指標

 

  • 米10年国債利回り:2.71%(前日2.74%)
  • ニューヨーク市場ドル円相場:1ドル=109.33-109.34円(前日109.32-109.33円)
  • ニューヨークダウ30種平均:24,579ドル(前日比+51ドル)
  • ナスダック総合株価指数:7,028ポイント(前日比-57ポイント)
  • S&P500種株価指数:2,640ポイント(前日比-3ポイント)
  • 米フィラデルフィア半導体指数(SOX指数):1,236ポイント(前日1,254ポイント)
  • 米VIX指数(恐怖指数):19.13(前日18.87)
  • ニューヨークWTI原油先物1バレル=53.31ドル(前日比+1.32ドル)
  • ニューヨーク金先物1トロイオンス=1,308ドル(前日比+5.8ドル)

 

東京株式市場

 

  • 日経平均株価:20,664円(前日比+15円)
  • TOPIX:1,557ポイント(前日比+1ポイント)

 

データを参照したサイト(ダウ30種銘柄の上昇・下落寄与度はこちら↓)

https://nikkei225jp.com/nasdaq/

 

 

(お願い)

海外市場のデータは取得時のものであり、速報値の可能性があります。

閲覧・購読者自身でご確認いただきますようお願いします。

 

以上

 

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