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2019年1月24日
「米政府機関一部閉鎖の経済成長への影響、豪ドルの投資環境、ETF買い入れ政策は継続」(1月24日配信)

おはようございます。

 

「米政府機関一部閉鎖の経済成長への影響、豪ドルの投資環境、ETF買い入れ政策は継続」

 

 

【NYダウは反発、好決算を発表したIBMがけん引】

 

  • 23日の米株式市場でNYダウは反発、前日比171ドル高の24,575ドルで引けました。好決算を発表した企業が相次ぎ、投資家心理が強気に傾きました。IBMは2018年10~12月期決算と19年12月期通期予想が市場予想を大きく上回り、株価は前日比8.4%高、1銘柄でダウを約70ドル押し上げました。市場予想を上回る増収増益決算を発表した航空機・機械関連のユナイテッド・テクノロジーズ、日用品のプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)は19年6月期通期の売上高見通しを引き上げ、この3銘柄でダウを約139ドル押し上げました。もっとも政府機関の一部閉鎖など不透明要因も多く、市場全体の上値は重い印象です。ナスダック総合とS&P500種は小幅に上昇しました。
  • 昨日の海外市場では米政府機関の一部閉鎖による米経済への影響がいくつか報道されています。米CEA(大統領経済諮問委員会)のハセット委員長は3月末まで米政府機関の閉鎖が続いた場合、「1-3月期の米経済成長率がゼロになる可能性がある。しかし閉鎖がいったん解除されれば、その後4.5%に回復することを想定できる」と述べました。バークレイズは米政府機関の閉鎖が長引いていることを理由に、米国の第1Qの米経済成長率を年率2.5%と従来の3.0%から下方修正しました。ブルームバーグがエコノミストの予測を集計したところ、3月末まで閉鎖が続いた場合、1QのGDP成長率は0.8ポイント押し下げられ1.5%になると予測されています。

 

【豪ドルの投資環境:弱気材料が多いがサポート材料も意外と多い】

 

  • ドル円相場が1月3日のアジア時間早朝、104.70円まで瞬間的に急落した「フラッシュ・クラッシュ」の際、豪ドルは対ドルで0.6715、対円でも73円台まで売り込まれました。足元ではそれぞれ0.71台、78円台で推移しています。正月休暇中で売買参加者が少ない中、すでに取引が始まっていた為替証拠金取引(FX)投資家の売買が影響した模様です。米アップルの売上見通し下方修正が中国での売上不振を理由としていたことで、FX投資家が「中国景気懸念→豪ドル売り→資金逃避先としての円買い」の構図となった可能性が強いようです。投機筋のプログラム売買も下げを一時的に増幅させました。
  • 中国は豪州にとって鉄鉱石や石炭、天然ガスといった資源を中心に主たる通商相手国であり、豪ドルという通貨が先進国通貨であるがゆえに、投機筋の売買も活発で時として中国人民元を含むアジア通貨の代替としての役割を担わされることもあります。
  • 豪ドルを取り巻く強弱材料を考えてみましょう。2018年10月以降、豪ドルに対しては弱気材料が増えていました。第1に豪州の第3四半期の実質GDP成長率が市場予想を下回ったこと、第2にデベル準備銀副総裁がしばらく封印されていた「利下げ余地」の議論に言及したこと、第3に年末に中国の製造業PMIが境目とされる50を下回ったこと、第4に中国の資本流出規制で豪州に流入する中国マネーが減少、ここ数年間上昇傾向にあった豪州の住宅価格が昨年から下落基調に転じたこと、などです。そこに先述の「アップル・ショック」の材料が加わりました。
  • 一方、強気材料もあります。2016年のチャイナショックで中国経済は減速に見舞われましたが、豪州経済は2%前後の成長を維持しました。豪州は1991年以来、27年間に及ぶ長期の経済成長が続いています。最大の特徴は移民受け入れによる内需押し上げ効果が継続していることです。先進国のなかでは財政も健全で財政出動の余地もあります。輸出の面では、中国が環境問題から鉄の成分が高い高品位炭の輸入を増やしており、豪州がブラジルと並ぶ二大供給国となっています。ここ数年の通貨安は資源輸出の追い風になります。
  • 一方、仮に一段の利下げを実施すると、金融面で重い課題となっている家計債務の負担を増大させます。また住宅ローン金利の上昇を通じて住宅価格に下落圧力がかかります。総合すると、近い将来の利下げの可能性は低いと考えられます。さらに米長期金利が低下し、豪州との長期金利差の拡大が一服しています。米国の利上げは当面見送られる可能性が高く、豪ドル相場をサポートしそうです。ただし、中国経済の減速という弱材料が上値を抑えるため年前半の大きな値上がりも期待できそうにありません。当面低位の水準でもみ合いと考えられます。

 

【ETF買い入れ政策は継続】

 

  • 日銀は23日の金融政策決定会合で、金融政策の現状維持を決定しました。長期金利目標をゼロ%程度、マイナス金利幅をマイナス0.1%、長期国債買入ペースを年間80兆円めどに弾力的な買い入れを実施する方針をそれぞれ維持しました。日銀が同日公表した「経済・物価の見通し(展望リポート)」では、2018年度コアCPIが従来の+0.9%から+0.8%、19年度が従来の+1.4%から+0.9%、20年度が従来+1.5%から+1.4%にそれぞれ下方修正されました。
  • 注目されたETFおよびJ-REITについては、保有残高がそれぞれ年間約6兆円、年間900億円に相当するベースで買い入れを行うとことを決定しました。その際、資産価格のプレミアムへの働きかけを適切に行う観点から、市場の状況に応じて、買い入れは上下に変動しうるものとするとしています。
  • ETF買い入れに関して、市場では一部の銘柄の浮動株に影響が大きくなりつつあり、日経平均型のETFを売却して、TOPIX型を購入するETF版ツイストオペが決定されるとの見方から、株式市場ではNT倍率(日経平均÷TOPIX)が昨年12月21日の13.55倍から1月21日には13.23倍に急低下していました。最近ではETF購入額そのものを減額するとの見方も根強く、日本株の上値を抑える要因となっていました。デフレ脱却はまだ道半ばであるほか、今年は消費増税を控えていることで経済の先行き不透明感も強く、市場は今回の政策決定会合に注目しておりました。今回、ETF買い入れ継続が決定したことでひとまず安心感が広がる可能性があります。

 

以上

 

 

1月23日(水)

 

米国金融市場の主な指標

 

  • 米10年国債利回り:2.74%(前日2.74%)
  • ニューヨーク市場ドル円相場:1ドル=109.57-109.58円(前日109.37-109.38円)
  • ニューヨークダウ30種平均:24,575ドル(前日比+171ドル)
  • ナスダック総合株価指数:7,025ポイント(前日比+5ポイント)
  • S&P500種株価指数:2,638ポイント(前日比+5ポイント)
  • 米フィラデルフィア半導体指数(SOX指数):1,185ポイント(前日1,193ポイント)
  • 米VIX指数(恐怖指数):19.52(前日20.80)
  • ニューヨークWTI原油先物1バレル=52.62ドル(前日比-0.39ドル)
  • ニューヨーク金先物1トロイオンス=1284.0ドル(前日比+0.6ドル)

 

東京株式市場

 

  • 日経平均株価:20,593円(前日比-29円)
  • TOPIX:1,547ポイント(前日比-9ポイント)

 

データを参照したサイト(ダウ30種銘柄の上昇・下落寄与度はこちら↓)

https://nikkei225jp.com/nasdaq/

 

 

 

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以上

 

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