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2019年1月21日
「米主要3指数は下落の半値戻しを達成、相場の下値抵抗力が試される日本株式市場】(1月21日配信)

おはようございます。

 

「米主要3指数は下落の半値戻しを達成、相場の下値抵抗力が試される日本株式市場】

 

 

【18日の米株式市場は4日続伸、NYダウは前日比336ドル高】

 

  • 18日の米株式相場は4日続伸。NYダウは前日比336ドル高の24,706ドルと昨年12月6日以来の高値水準で引けました。NYダウは昨年10月の史上最高値26,828ドルから12月24日の安値21,792ドルまで5,036ドルの下落となった後、安値から2,914ドル上昇しました。下落幅に対して約58%の回復率と半値戻りを達成しました。
  • 米中通商交渉の進展期待やFRB高官の金融政策について柔軟について対応する用意があるとの発言などが好感されました。投資家心理を示す米VIX指数は17.8と前日の18.06からさらに低下(改善)、投資マネーが債券から株式にシフトし米長期金利は2.78%台に上昇(相場は下落)、ドル円相場は109.70円台までドル高・円安となるなどリスクオンモードとなりました。
  • 前日にムニューシン米財務長官が関税の一部もしくは全部の撤回を提案していると報じられたほか、この日は中国が2024年までに対米貿易黒字をゼロにすることを提案したと報じられたことで米中関係改善期待が一段と高まりました。ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁から「FRBは慎重さと辛抱強さ、正しい判断が必要」、デイリー米サンフランシスコ連銀総裁からは「暫くは利上げ休止の方向へ傾く」などと、金融政策について柔軟な姿勢を示す発言が相次ぎました。
  • S&P500種セクターはすべてが値上がりするなど幅広い銘柄に買いが入りました。値上がり上位は原油先物の上昇を受けたエネルギー、航空機のボーイングや建機のキャタピラ-など中国向け売上高が多い資本財、金融、素材などがけん引しました。ハイテク銘柄が多いナスダック総合は1.3%上昇したほか、フィラデルフィア半導体指数(SOX指数)は同2.3%も上昇するなどハイテク関連もしっかりでした。

 

【米主要3指数は下落の半値戻しを達成、移動平均線が上向くまで値固めか】

 

  • NYダウは週間では4週連続の上昇と、昨年7月末までの5週連続以来、ほぼ半年ぶりの長期上昇となりました。米国の実体経済は減速傾向にあるものの、米雇用統計など多くの指標は依然として米景気拡大傾向を示しています。しかし、昨年末にかけて米株価が急激に下落したことによって市場心理が先に悪化してしまい、これが経営者心理や消費者心理の悪化を通じて実体景気を悪化させるリスクが高まったことが2人のキーマンに翻意を促したとの見方があります。
  • パウエル米FRB議長は新年早々の講演で金融政策を柔軟に見直すと発言。その後はFOMCメンバーから市場心理の鎮静化を最優先させる発言が相次いでいます。最もタカ派と言われたカンザスシティ連銀のジョージ総裁までが「過去の利上げ効果がまだ十分に表れていないことを意識しており、政策措置を検討する際には忍耐強さを呼び掛ける」と述べ、慎重な利上げを示唆しました。「今やFOMCメンバーにタカ派はいない」というエコノミストさえいます。またトランプ米大統領は来年に大統領選を控え、これ以上の株価下落や支持率低下を避けようと、中国に対する強硬姿勢を改め、通商協議の進展を模索し始めた可能性があります。
  • NY主要3指数の昨年付けた史上最高値からの下落幅に対する回復力をみると、NYダウは58%を取り戻し、S&P500種も55%を回復しました。ナスダック総合はちょうど50%です。相場の格言には「半値戻しは全値戻し」というものがあります。相場の下落が急激だったため、年明け以降の回復も早くなっています。しかし、S&P500の場合、25日移動平均線がまだ下向きにあります。相場が一段高するためには25日線が早晩横ばいになり、そして上向きになることが必要条件です。米政府機関の一部閉鎖や連邦政府の債務上限問題、ロシア疑惑など不透明要因も多く、これまでの上昇ピッチが早い分、今後は悪材料を織り込みながら値固めが必要な局面と考えます。

 

【相場の下値抵抗力が試される日本株式市場】

  • 先週の東京市場は英国のEU離脱案の否決や中国の新車販売の不振など懸念材料が相次いだものの、持ち直し基調が持続しました。今週は引き続き買い戻しが予想されますが、戻り売りも増えるとみられ、綱引きとなる可能性があります。18日の日経平均(20,666円)は25日移動平均線(20,576円を)をようやく上回ってきました。12月5日以来約1ヵ月半ぶりです。日足一目均衡表の転換線(20,301円)や同基準線(20,409円)を超えてきており、相場はようやく安定感を強めつつあるといえます。
  • 今週は米企業の決算が本格化するほか、来週から国内でも第3四半期決算発表が目白押しとなります。先週、業績見通しの下方修正を発表した日本電産の場合、株価は大幅安で寄り付いたものの引けにかけて急激に買い直されて、下げ幅を縮小。結果的に材料出尽くしの反応となりました。永守会長の経営手腕に対して投資家の信頼感が高い銘柄であるからこその反応といえます。ただし、日本電産の下方修正を受けて他の輸出関連企業が追随する可能性はあります。その際、業績下方修正銘柄の株価反応が「織り込み済み」かどうかが重要です。今週は引き続き、米中通商協議を巡るニュースフローや、英国のメイ首相「EU離脱」代替案の議会提示も控えており、材料に対して相場が打たれ強くなっているか試される週となります。

 

今週の重要イベント

(1月21~25日)

21日:米国はキング牧師誕生日の祝日

同  :メイ英首相「EU離脱」代替案議会提示

同  :中国の10-12月期実質GDP

22日:世界経済フォーラム年次会合(~25日、ダボス会議)

同  :独ZEW景況指数

同  :米12月中古住宅販売件数

同  :日銀金融政策決定会合(展望レポート)、黒田総裁会見

24日:米12月景気先行指数

同  ;豪州失業率

同  :ECB理事会

25日:米12月耐久財受注、12月新築住宅販売件数

同  :独ifo景況指数

 

(予定は変更される可能性があります)

 

企業決算(主要企業のみ)

22日:IBM、ジョンソン・エンド・ジョンソン、ハリバートン、東京製鉄

23日:プロクター&ギャンブル、ユナイテッド・テクノロジース、米フォード・モーター、日電産、

24日:インテル、ブリストル・マイヤーズ、KOA、富士通ゼネ、小糸製

(予定は変更される可能性があります)

 

 

1月18日(金)

 

米国金融市場の主な指標

 

  • 米10年国債利回り:2.78%(前日2.75%)
  • ニューヨーク市場ドル円相場:1ドル=109.73-109.74円(前日109.25-109.26円)
  • ニューヨークダウ30種平均:24,706ドル(前日比+336ドル)
  • ナスダック総合株価指数:7,157ポイント(前日比+72ポイント)
  • S&P500種株価指数:2,670ポイント(前日比+34ポイント)
  • 米フィラデルフィア半導体指数(SOX指数):1,228ポイント(前日1,200ポイント)
  • 米VIX指数(恐怖指数):17.80(前日18.06)
  • ニューヨークWTI原油先物1バレル=53.8ドル(前日比+1.73ドル)
  • ニューヨーク金先物1トロイオンス=1,282.6ドル(前日比-9.7ドル)

 

データを参照したサイト(ダウ30種銘柄の上昇・下落寄与度はこちら↓)

https://nikkei225jp.com/nasdaq/

 

東京株式市場

  • 日経平均株価:20,666円(前日比+263円)
  • TOPIX:1,557ポイント(前日比+14ポイント)

 

(お願い)

海外市場のデータは取得時のものであり、速報値の可能性があります。

閲覧・購読者自身でご確認いただきますようお願いします。

 

以上

 

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