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2019年1月11日
【米国株は5日続伸、NYダウは約1ヵ月ぶりに24,000ドル台を回復】(1月11日配信)

おはようございます。

 

【米国株は5日続伸、NYダウは約1ヵ月ぶりに24,000ドル台を回復】

 

  • 10日の米株式市場でNYダウは5日続伸、前日比122ドル高の24,001ドルで引けました。昨年12月14日以来、約1ヵ月ぶりに24,000ドル台を回復しました。米中協議の進展で投資家心理が改善しているうえ、米FRBのパウエル議長の講演が買い材料視されました。FRB議長は10日の講演で「米経済は堅調だが、懸念材料は海外景気だ。市場も不安視しており、金融政策も立ち止まって様子見する時期だ」と述べ、世界的な株安を受けて、利上げを一時停止する考えを改めて強調しました。米中協議の進展への期待からボーイングやキャタピラーなど中国向け売上高が大きい2銘柄でダウを約77ドル押し上げました。株高によるリスクオンからドル円相場は108.40円台とやや円安で推移しています。
  • 反面、米政府機関の一部閉鎖が長引いているのは相場の重荷となりました。トランプ米大統領は10日、1月下旬にスイスで開かれる世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)を欠席するとツイッターに投稿しました。長期閉鎖が米経済に及ぼす影響が懸念されダウは上げ幅を縮小する場面がありました。また、年末商戦期の既存店売上高が振るわず、10日朝に2019年1月期通期の業績下方修正を発表した百貨店大手のメーシーズ株が前日比20%安と急落しました。
  • 日本時間11日早朝の大阪取引所の夜間取引で日経平均先物は上昇しました。3月物は前日の日中取引の清算値に比べ240円高い2万0350円で終えました。本日の日経平均は堅調にスタートする見込みです。ただし、3連休前で午後は様子見ムードが広がりそうです。安川電機は10日大引け後に決算を発表、通期の連結経常利益を下方修正しました。本日の同社株への影響と中国関連銘柄の動向が注目されます。

 

【中国経済はこのまま不況に向かうのか】

  • 中国の経済減速が世界経済のリスクになると懸念されています。中国国家統計局が発表した12月の製造業景況感指数(PMI)は49.4と好不況の分岐点である50を2年5カ月ぶりに割り込みました。経済の先行きを比較的早く映す輸出受注は46.6と7ヵ月連続で50割れ。水準的には2015年のチャイナショック後に中国経済が減速感を強めた2016年前半並みに悪化しています。当時、中国経済と原油価格の暴落という2つのショックが世界を襲った「2015・16年ショック」です。米国はリーマンショック後の初の引き締め局面で、米FRBは2015年12月に約9年ぶりの利上げを実施したものの、16年に米経済はソフトパッチ(一時的減速)に陥り、2回目の利上げを2016年12月まで1年間遅らせた経緯があります。
  • 中国経済はこのままバブル崩壊に向かうのでしょうか。実は中国共産党はすでに財政面から景気支援策に着手しています。2018年5月から今年1月にかけて個人と法人の所得税や付加価値税の減税を行いました。過去のように貸し付けや投資の促進に頼っていないのは、過剰債務問題の再燃を避けるためです。また貸付基準金利の引き下げなど本格的な金融緩和に踏み切っていないのは、過剰債務問題への配慮と資本流出への警戒感が背景にあると考えらえます。
  • 中国共産党は昨年10月31日の政治局会議で、インフラ投資拡大を決めた7月末の会議でも残していた「金融リスク排除」という文言を削除しました。構造改革から景気へ政策を大きく転換したものと思われます。また12月の中央経済工作会議は景気安定化の必要性を指摘しさらなる減税を行うことを示唆しました。今後も法人税など追加的な減税が見込まれます。中国人民銀行は1月4日に銀行の預金準備率を累計1%引き下げると発表しました。今後も景気指標が悪化を続ける中で当局はさらなる景気刺激策の導入に追い込まれる可能性が高いと思われます。
  • 中国の景気対策はリーマンショック後の2009年に打ち出した「4兆元の景気対策」のような派手な景気刺激策ではないため、メディアの扱いも地味で上海総合株価指数の反応も大きいわけではありません。しかし一連の刺激策の効果が時間をかけて浸透するなかで、景気は今年半ばに底を打つと考えられます。中国経済は今年の大きなリスク要因の一つです。当面は株価の上値を抑制するものの、徐々に霧は晴れると考えられます。

 

 

1月10日(木)

 

米国金融市場の主な指標

 

  • 米10年国債利回り:2.74%(前日2.71%)
  • ニューヨーク市場ドル円相場:1ドル=108.42-108.43円(前日108.14-108.15円)
  • ニューヨークダウ30種平均:24,001ドル(前日比+122ドル)
  • ナスダック総合株価指数:6,986ポイント(前日比+28ポイント)
  • S&P500種株価指数:2,596ポイント(前日比+11ポイント)
  • 米フィラデルフィア半導体指数(SOX指数):1,201ポイント(前日1,189ポイント)
  • 米VIX指数(恐怖指数):19.50(前日19.98)
  • ニューヨークWTI原油先物1バレル=52.59ドル(前日比+0.23ドル)
  • ニューヨーク金先物1トロイオンス=1,287ドル(前日比-4.6ドル)

 

東京株式市場

 

  • 日経平均株価:20,163円(前日比-263円)
  • TOPIX:1,522ポイント(前日比-13ポイント)

 

データを参照したサイト(ダウ30種銘柄の上昇・下落寄与度はこちら↓)

https://nikkei225jp.com/nasdaq/

 

 

(お願い)

海外市場のデータは取得時のものであり、速報値の可能性があります。

閲覧・購読者自身でご確認いただきますようお願いします。

 

以上

 

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