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2019年1月10日
【9日の米国株は4日連騰、NYダウは91ドル高】(1月10日配信)

おはようございます。

 

【9日の米国株は4日連騰、NYダウは91ドル高】

 

  • 9日の米株式市場でダウ工業株30種平均は前日比91ドル高と4日続伸して引けました。米中の次官級の貿易協議が順調だったとの報道が相次ぎ、買い安心感につながりました。米中協議では米国農産物の輸入拡大や、米企業への積極的な市場開放など中国側が大きく譲歩した模様と報じられています。月内にも中国の劉鶴副首相が訪米し、米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表らとの閣僚級協議に臨む模様です。ボーイングなど中国売上高が大きい銘柄を中心に上昇しました。アップルは日本経済新聞で新型「iPhone」を減産すると報道されましたが、すでに織り込み済みとして株価は値がりしています。
  • 9日に公表された2018年12月18日~19日に開いた米FOMCの議事要旨も材料視された模様です。参加者の多くが株価下落を懸念して「インフレ圧力も落ち着いており、追加の政策判断を様子見できる」と表明していたことや、景気不安が払拭できなければ、利上げを当面見送る考えを共有していたことが分かりました。また参加者は「株価下落などで市場が不安定になり、金融環境も引き締まっている」との懸念も共有したとしています。株価下落の原因は「世界景気の先行きへの幅広い懸念」と分析。一部の参加者は「(市場の混乱が続けば)企業や家計の支出に間違いなく影響がでる」と実体経済を下押しするリスクも指摘していました。
  • 原油先物価格が8日続伸し約1ヵ月ぶりに50ドルを上回り、1バレル=52ドル台まで買われました。投資家の不安心理を示す米VIX指数は19.98と12月3日以来、初めて20を割り込むなどかなり安定してきました。VIX指数は12月24日に36まで急上昇していました。ただし、米FRBの利上げ観測の後退はドル円相場の上値を重くします。FOMC議事要旨の発表を受けてNY市場のドル円相場は108.1円台とやや円高で推移しており、本日の東京市場で日経平均はやや上値が追いづらくなりそうです。

 

【資産縮小ペースの緩和に向けて注目される米FRBのイベント】

 

  • 米FRBから景気配慮的な発言を受けて世界の金融市場は安定感を取り戻しています。しかし、先週発表された12月の米雇用統計を受けて再びFRBが自信を取り戻し、タカ派的な路線に復帰する可能性を指摘する専門家のコメントがありますが、可能性は低いと思います。
  • 確かに12月の米雇用統計は非農業部門の雇用者数が前月比31.2万人増と10ヵ月ぶりの増加幅を記録、強い内容となりました。時間当たり平均賃金上昇率は前月比0.4%増と先月や市場予想を上回りました。好調なクリスマス商戦向け需要拡大に伴う雇用者数の増加が背景と思われます。しかし、減税効果は今後徐々に薄れていくと考えられます。雇用者数の増加がこのペースで拡大するかどうかは疑問が残ります。
  • 利上げを急がなくて良い理由としてインフレ率の安定があげられます。これだけ労働市場の需給がひっ迫しているにもかかわらず、賃金上昇率は前年同月比3.2%上昇と緩やかです。また原油先物価格が昨年10月以来40%下落しました。原材料価格への下落圧力はこれから本格化します。インフレ懸念が高まりにくい経済状況であればFRBは利上げを急ぐ必要はありません。
  • 1月4日にパウエル米FRB議長が金融政策を柔軟に見直すとコメントした背景は、実体経済が要因ではなく金融市場の緊張が背景です。すなわち、実体経済が好調でも株価の急落やクレジット市場の急落など金融市場が緊張した状態を放置すると、それが企業経営者心理や消費者心理など実体経済に影響を与え、本当に経済が悪化する可能性が高まります。これは過去に経験済みです。米FRBはこうしたリスクを重視したためです。9日に発表された12月米FOMCの議事要旨ではこうした懸念が共有されていたことがわかります。
  • 米FRBはタカ派路線に復帰するどころか、逆に現在毎月500億ドル規模でのペースで進めているFRBのバランスシート縮小ペースを「緩める」と1~3月中にもアナウンスする可能性があります。政策は「一度きり」ではないことを証明するため「二の矢」を放つことが効果的だからです。
  • 9~10日に行われる2019年米FOMC投票権メンバーの講演や1月と3月の米FOMCは注目されます。10日はパウエルFRB議長、ブラード・セントルイス連銀総裁、エバンス・シカゴ連銀総裁、クラリダFRB副議長が講演を行います。今年から毎回の米FOMC会合後にFRB議長の記者会見が実施されることに変更されました。1月29・30日のFOMCは注目されます。

以上

 

1月9日(水)

 

米国金融市場の主な指標

 

  • 米10年国債利回り:2.71%(前日2.73%)
  • ニューヨーク市場ドル円相場:1ドル=108.14-108.15円(前日108.73-108.74円)
  • ニューヨークダウ30種平均:23,879ドル(前日比+91ドル)
  • ナスダック総合株価指数:6,957ポイント(前日比+60ポイント)
  • S&P500種株価指数:2,584ポイント(前日比+10ポイント)
  • 米フィラデルフィア半導体指数(SOX指数):1,189ポイント(前日1,160ポイント)
  • 米VIX指数(恐怖指数):19.98(前日20.47)
  • ニューヨークWTI原油先物1バレル=52.36ドル(前日比+2.58ドル)
  • ニューヨーク金先物1トロイオンス=1,292ドル(前日比+6.1ドル)

 

東京株式市場

 

  • 日経平均株価:20,427円(前日比+223円)
  • TOPIX:1,535ポイント(前日比+16ポイント)

 

データを参照したサイト(ダウ30種銘柄の上昇・下落寄与度はこちら↓)

https://nikkei225jp.com/nasdaq/

 

 

(お願い)

海外市場のデータは取得時のものであり、速報値の可能性があります。

閲覧・購読者自身でご確認いただきますようお願いします。

 

以上

 

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