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2018年12月27日
【FRBが株式市場を注視していることが何よりも重要】(12月27日配信)
おはようございます。
【FRBが株式市場を注視していることが何よりも重要】
- クリスマス休暇明け26日の米国株式市場でNYダウは5日ぶりに急反発し、前営業日に比べて1,086ドル(4.98%)高で引けました。上げ幅としては2008年10月13日に記録した936ドルを上回り過去最大です。ナスダック総合や米SOX指数も6%近く上昇し、投資家の不安心理を示す米VIX指数は30.4と連休前の36から急低下しました。米年末商戦の伸び率が6年ぶりの大きさになったと伝わり、消費財・サービス関連株が上昇。景気の先行きに対する懸念も和らぎ、空売りの買い戻しが優勢となりました。
- 日米の株価は10月から大きく下落し、日経平均、S&P500種株価指数ともに今年の高値からの下落率は一時20%程度となりました。日経平均の株価チャートをみると10月の下げの第一波が来たあとに株価が一旦回復するものの、12月以降に再び急落するなど2段階の下落になっていることがわかります。
- 世界的な株価下落が始まった10月の下落は今年2月の米VIXショック時との類似性が指摘され、主に米長期金利上昇や米VIX指数の上昇に連動して機械的な売りを出す「リスク・パリティ」取引の存在が理由とされました。下落の直接的な理由が米長期金利の上昇で、米景気過熱やインフレリスクが背景でした。
- 次に11月の米中間選挙を過ぎると、一転して米長期金利が下がり始めました。中国など新興国を中心に世界経済の減速が市場コンセンサスとなり、将来の景気・業績悪化を織り込み始めたことが理由とされています。米中間選挙の結果を受け米追加減税が事実上困難になったことも金利低下の原因です。株価下落の理由が景気・企業業績懸念へ変化しました。下落理由が正しく認識されることは株価が下げ止まる一つの条件となります。
- 米S&P500企業の2019年EPS成長率(市場コンセンサス)は9月末時点の前年比10%増益予想から、21日時点では8%増益まで低下しましたが、依然として増益予想となっています。米国では賃金や原材料価格の上昇圧力もあり、先行き警戒も必要ですが、米経済成長率が2%台半ば(FRB予想)を維持している限り、主要企業の業績が減益というのは、過去のケースから考えにくいと思います。逆に言うと21日時点の株価はすでに19年のEPSが減益(=米経済が景気後退)となることを織り込んでいるわけです。投資家の悲観心理が行き過ぎていると思います。26日はこの反動が一部出たようです。
- 株価の大幅下落は景気後退の予兆とは必ずしも言えないものの、1980年代以降は、ほぼ一貫してFRBの金融緩和政策を引き出してきました。先週のNY連銀のウィリアムズ総裁の発言にあるように米FRBは株式市場を注視しています。FRBは時機を逸せず景気後退を防ぐ金融政策を講じると考えられます。
12月26日(木)
ニューヨークの主要指数・商品市況など
- 米10年国債利回り:2.81%(前日2.74%)
- ニューヨーク市場ドル円相場:1ドル=111.33-111.34円(前日110.27-110.28円)
- ニューヨークダウ30種平均:22,878ドル(前日比+1,086ドル)
- ナスダック総合株価指数:6,554ポイント(前日比+361ポイント)
- S&P500種株価指数:2,467ポイント(前日比+116ポイント)
- 米フィラデルフィア半導体指数(SOX指数):1,131ポイント(前日1,069ポイント)
- 米VIX指数(恐怖指数):30.41(前日36.07)
- ニューヨークWTI原油先物1バレル46.22ドル(前日比+3.6ドル)
- ニューヨーク金先物1トロイオンス=1,273ドル(前日比+1.2ドル)
東京株式市場
- 日経平均株価:19,327 (前日比+171円)
- TOPIX:1,431ポイント(前日比+15ポイント)
データを参照したサイト(ダウ30種銘柄の上昇・下落寄与度はこちら↓)
https://nikkei225jp.com/nasdaq/
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