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2018年12月25日
【米VIX指数が2月上旬以来の水準に急騰、投資家の不安心理が悪化】(12月25日配信)
おはようございます。
【米VIX指数が2月上旬以来の水準に急騰、投資家の不安心理が悪化】
- 21日の米国株式市場でNYダウ30種平均は続落し、前日比414ドル安となりました。そして週明け24日のNYダウ30種平均は先週末比653ドル安と4日続落、21,792ドルと昨年9月上旬以来ほぼ1年3カ月ぶりの安値となりました。
- 先週1週間のNYダウ30種平均の下落幅は前週末比1,654ドルとなり、下落率は同6.9%とリーマンショック後の2008年10月以来、10年ぶりの大きさとなりました。マティス米国防長官の辞任問題や、メキシコとの壁建設を巡る共和党と民主党の対立で政府機関の一部閉鎖の可能性が意識され悪材料となりました。実際に一部の米国立史跡などは閉鎖されました。さらにムニューシン米財務長官が22日にツイッターで否定しましたが、複数の米メディアが21日、トランプ米大統領がパウエル米FRB議長の解任を議論していると報道したことも影響した模様です。
- 24日はクリスマスの半日立ち合いでした。市場参加者が少ないため、ちょっとした材料でも価格変動が大きくなりやすい市場です。下落の理由とされたのが、ムニューシン米財務長官が23日、JPモルガンチェースなど米大手6金融機関の首脳と電話会談し「潤沢な資金供給を続けることを確認した」と発表したことでした。決済などに問題がないことを確認しましたが、かえって年末を控えて金融市場が混乱するとの警戒感を誘ったと解説されています。またトランプ米大統領は24日にもツイッターで米FRBやパウエルFRB議長への批判を繰り返しており、先行きの政策運営への不透明感を強めました。
- 投資家の不安心理を示す米VIX指数が36.07(24日)と今年2月上旬のVIXショック以来の高さになっており、 NYの株価は激しく乱高下することを示唆しています。投資資金は安全資産に向かい米長期金利は2.74%に低下しています。
- 一部の政府機関の閉鎖の米経済の影響は現時点ではそれほどではないと思われますが、2019年第1四半期の米GDPはさすがに若干の下方修正要因となる可能性があります。ひょっとすると米経済統計の発表が遅延しエコノミストの分析に影響が出る可能性があります。今週の週間失業保険申請件数や11月新築住宅販売件数などに発表の遅延リスクがあります。来週には米雇用統計の発表を控えます。
- 24日のシカゴの日経平均先物(円建て)は19,250円と先週末の東証の引け値から916円の急落です。日経平均は先週1週間で1,208円(5.6%)下落しており、週明けも厳しい展開です。ただし、21日の東証1部の騰落レシオが68.9%と70%を割り込んできたこと、松井証券の信用取引買い方の信用評価益率が▲20%となったこと、24日のシカゴの日経平均(円建て)の水準は25日移動平均との乖離がマイナス10%に達するなど、底打ちのサインも点滅しています。クリスマス休暇明けにNY株式市場が下げ止まるかがカギです。
12月24日(月)
主なニューヨークの金融市場(クリスマスのためNYSE、ナスダックは半日立ち合い)
- 米10年国債利回り:2.74%(前日2.79%)
- ニューヨーク市場ドル円相場:1ドル=110.43-110.44円(前日111.29-111.30円)
- ニューヨークダウ30種平均:21,792ドル(前日比-653ドル)
- ナスダック総合株価指数:6,192ポイント(前日比-140ポイント)
- S&P500種株価指数:2,351ポイント(前日比-65ポイント)
- 米フィラデルフィア半導体指数(SOX指数):1,069ポイント(前日1,117ポイント)
- 米VIX指数(恐怖指数):36.07(前日28.38)
- ニューヨークWTI原油先物1バレル=42.53ドル(前日比-3.06ドル)
- ニューヨーク金先物1トロイオンス=1,271ドル(前日比+13.7ドル)
データを参照したサイト(ダウ30種銘柄の上昇・下落寄与度はこちら↓)
https://nikkei225jp.com/nasdaq/
12月21日(金)の東証
- 日経平均株価:20,166円 (前日比-226円)
- TOPIX:1,488ポイント(前日比-28ポイント)
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