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2018年12月18日
【18-19日米FOMCの注目点】(12月18日配信)

おはようございます。

 

【18-19日米FOMCの注目点】

 

  • 今週の最大の注目イベントは18-19日に開催される米FOMCです。米FF金利は0.25%の利上げが実施されると見込まれます。今回の引き締め局面で9回目の利上げとなります。
  • 前回9月のFOMC会合ではメンバーのFF金利見通しは12月に追加利上げを実施した後も2019年に3回、2020年に1回の利上げをそれぞれ実施、2021年は政策金利を据え置くとの見方をしていました(すべて中央値)。しかし、11月以降、米FRB議長や副議長などの発言で、米国の中立金利(2.5~3.5%で中央値は3.0%)までの距離がわずかとの見方が急速に強まり、市場が予想する2019年の利上げ回数が急速に低下しました。
  • 前回9月のFOMC後と最近の経済指標や市況を比較すると、WTI原油先物が70ドル台から現在は50ドル前後に低下したことなどを受け、期待インフレ率は低下しています。米長期金利の低下が進み米長短金利差は縮小、米株価の下落やドル高傾向も今後の米経済には逆風で先行き不透明感を高めています。今回の会合では中立金利が見直され、それに伴って2019年、20年の利上げ回数が下方修正される可能性もあります。
  • 13日時点で市場が織り込む利上げ確率は12月FOMCが8割程度、2019年の利上げはわずか1回程度まで低下しています。これは市場にはある程度織り込まれていると思われます。一方、米エコノミストの間では19年の利上げ見通しを「2回」程度と予想しているところが多いようです。仮に「2回」程度の利上げ(中央値)が示された場合、大きく低下した米長期金利がやや修正され、為替はややド高・円安に振れる場面もありそうです。FRBがタカ派的と市場が判断すると一時的に株式市場に影響が出るかもしれません。
  • もう一つの注目点は、米FRBの金融政策はこれまでの段階的利上げの継続という利上げ一辺倒の政策が見直され、「経済データ次第」で金融政策を柔軟に進めるという姿勢が強調されるかどうかです。これは政策の進め方の見直しにつながります。経済データを重視した金融政策を柔軟に進めるということは、利上げのペースを鈍化させたり、一時的に停止するケースも考えられます。逆にデータが強ければ利上げペースの加速も考えられます。いわば景気の状況に応じて政策のフリーハンドを得るわけです。金融市場がFRBの政策に神経質になっているため、FRBはこれまで以上に市場との対話を重視すると考えられます。これは市場に安心感を与えると思われます。

以上

 

 

12月17日(月)のニューヨーク金融市場

 

「17日の米国株大幅続落、ダウ平均は前日比500ドル安」

 

  • 17日の米株式市場は大幅続落、ダウ工業株30種平均は前日比507ドル安で引けた。一時同643ドルまで下落する場面があった。先週末の前日比496ドル安に続く厳しい下落となり、3月に付けた今年の安値(23,533ドル)に迫った。S&P500種株価指数は同54ポイント下落し今年の安値を更新した。
  • 製造業の景況感や住宅関連指標など市場予想を下回る米景気指標の発表で経済の先行きに不透明感が広がったほか、18~19日に開かれる米FOMCを前に様子見ムードが強く、買いが入りにくい状況となっている。
  • テキサス州の連邦裁判所が14日に米医療保険制度改革(オバマケア)に違憲判決を下したのを受け、ヘルスケア関連株が軒並み下げた。これまでハイテク関連株売りの資金の受け皿になっていただけに、市場心理が一段と弱気に傾いた模様。
  • 製造業活動を測る指数が市場予想を下回ったことが材料視され米長期金利は2.85%と低下、ドル円相場は112.80円台と113円を下回ってきた。投資家の不安心理を示す米VIX指数は24台と先週末の21台から大きく上昇してきており、投資家の不安感を示している。

 

米長期金利

  • 10年国債利回り:2.85%(前日2.89%)

ニューヨーク為替相場

  • ドル円相場:1ドル=112.80-112.81円(前日113.33-113.34円)

 

米主要株価指数

  • ニューヨークダウ30種平均:23,592ドル(前日比-507ドル)
  • S&P500種株価指数:2,545ポイント(前日比-54)
  • ナスダック総合株価指数:6,753ポイント(前日比-156)
  • 米フィラデルフィア半導体指数(SOX指数):1,162ポイント(前日1,177ポイント)
  • 米VIX指数(恐怖指数):24.52(前日21.63)

 

S&P500種株価指数の主な上昇・下落業種

  • 上昇:なし
  • 下落:不動産、公益事業、一般消費財など 

 

ニューヨークダウ30種平均への主な上昇寄与度・下落寄与度銘柄

(ダウ平均変動幅への影響)

  • 上昇寄与:なし
  • 下落寄与:ユナイテッドヘルス・グループ、ゴールドマン・サックス、アメリカン・エキスプレスなど

 

国際商品市況

  • ニューヨークWTI原油先物1バレル=49.88ドル(前日比-1.3ドル)、一時49.09ドルと2017年9月以来1年3カ月ぶり安値
  • ニューヨーク金先物1トロイオンス=1,251ドル(前日比+10.4ドル)

 

データを参照したサイト(ダウ30種銘柄の上昇・下落寄与度はこちら↓)

https://nikkei225jp.com/nasdaq/

 

マーケットが注目したと思われる材料

【12月のニューヨーク連銀景況指数、12.4ポイント低下】

  • 米ニューヨーク連邦準備銀行が12月の製造業景況指数(季節調整済み)は10.9で前月より12.4ポイント低下、市場予測(21程度)を大きく下回った。3カ月ぶりの低下で2017年5月以来1年7カ月ぶりの低水準となり、個別項目では「新規受注」は14.5で同5.9ポイント低下、「出荷」は21.0で同7.0ポイント低下した。米中貿易摩擦とドル高が影響か→米長期金利の低下やドル安の材料となった

 

【12月の米住宅建設業界景況感、3年7カ月ぶり低水準】

  • 全米住宅建設業協会(NAHB)が発表した12月の住宅市場指数は56で、前月の改定値から4ポイント低下した。2015年5月以来3年7カ月ぶりの低水準。前月の8ポイント低下に続く2カ月連続の大幅な低下で、市場予測(61程度)も大きく下回った→米長期金利の低下やドル安の材料となった

 

【米国の対中関税、協議不調なら3月2日に引き上げ 】

  • 米通商代表部(USTR)は17日までに、中国との協議で合意できなかった場合、2,000ドル(約23兆円)分の中国製品に対する追加関税の税率を3月2日に10%から25%に引き上げると公表した。米政府が具体的に日時を示したのは初めて→米中貿易摩擦問題が改めて意識された

 


12月17日の東京株式市場

相場のポイント~物色が定まらない指数主導の売買~

  • 17日の日経平均は反発し前日比132円高で引けた
  • 東証一部騰落銘柄数は値上がりが648に対して値下がりは1,420と圧倒的に多いため、一部の指数寄与度の高い銘柄の上昇による歪な値上がりと言える
  • TOPIX33業種では電気ガス、陸運、不動産、保険など内需関連やディフェンシブ関連が高い

主要な株価指標

  • 日経平均株価:21,506円 (前日比+132円)
  • TOPIX:1,594ポイント(前日比+2)
  • NT倍率(日経平均÷TOPIX):13.49倍(前日13.43倍)
  • 東証1部売買代金:20,651億円
  • 東証1部年初来高値銘柄数6 /年初来安値銘柄数334 
  • 東証1部値上がり銘柄数648 /値下がり銘柄数1,420
  • 東証1部騰落レシオ:79.36(前日82.04)
  • TOPIX33業種

上昇上位:電気ガス、陸運、不動産、保険、空運など

下落上位:石油石炭、鉱業、機械、水産農林、金属製品など

  • 日経平均寄与度(日経平均の変動幅に影響した値幅)

上昇寄与度:ユニー・ファミマ(+37円)、東エレク(+8円)、ファーストリテイ(+8円)など

下落寄与度:第一三共(‐4円)、リクルートHD(‐2円)、資生堂(‐2円)など

 

(お願い)

海外市場のデータは取得時のものであり、速報値の可能性があります。

閲覧・購読者自身でご確認いただきますようお願いします。

 

以上

 

 

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