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2018年12月7日
【6日の米国株は急落、ダウは79ドル安、一時800ドル近い下落から値を戻す】(12月7日配信)

マーケットコメント 2018年12月7日 

 

【6日の米国株は急落、ダウは79ドル安、一時800ドル近い下落から値を戻す】

 

12月6日(木)のニューヨーク金融市場

相場のポイント

  • 6日の米株式市場で主要3指数はまちまちの展開、ニューヨークダウは前日比79ドル安い24,947ドルで引けた。ナスダック総合は反発となった。カナダ当局による中国の通信大手、ファーウェイ幹部の逮捕を受け、米中貿易摩擦の悪化に対する懸念が広がった。ダウの下げ幅は一時800ドルに近づく場面もあったが引けにかけて急速に下げ幅を縮小するなど荒っぽい展開だった。投資家の不安心理を示す米VIX指数は一時24近くまで急騰した。
  • 6日のアジア市場やドイツ、フランス、英国など欧州市場も「ファーウェイ・ショック」で全面安となっており、米国市場もその流れを引き継いだ。ボーイングやアップルなど中国との関係が深い企業を中心に売りが膨らみダウを引き下げた。
  • 米ウォール・ストリート・ジャーナル紙(電子版)が「米FRBは18~19日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げをした後、(利上げを一時休止して)様子をみることを検討している」と報じたことが伝わり、買戻しが進んだ模様。
  • 金融市場では株を売って、債券を買う動きが強まっており、米長期金利の指標である10年物国債利回りは一時2.85%と、3カ月ぶりの低水準をつけた。利ざやが縮小するとの見方からJPモルガン・チェースなど金融株が下落した。
  • ナスダック総合は同29ポイント高と反発。アマゾン・ドット・コムやアルファベットなど主力銘柄が買われた

 

米長期金利

  • 10年国債利回り:2.89%(前日2.91%)

 

ニューヨーク為替相場

  • ドル円相場:1ドル=112.67-112.68円(前日112.75-112.76円)

 

米主要株価指数

  • ニューヨークダウ30種平均:24,947ドル(前日比-79ドル)
  • S&P500種株価指数:2,695ポイント(前日比-4)
  • ナスダック総合株価指数:7,188ポイント(前日比+29)
  • 米フィラデルフィア半導体指数(SOX指数):1,202ポイント(前営業日1,209ポイント)
  • 米VIX指数(恐怖指数):21.19(前営業日20.74)

 

S&P500種株価指数の主な上昇・下落業種

  • 上昇:不動産、コミュニケーション、一般消費財など
  • 下落:エネルギー、金融、素材など

 

ニューヨークダウ30種平均への主な上昇寄与度・下落寄与度銘柄

(ダウ平均変動幅への影響)

  • 上昇寄与:ビザ、IBM、ディズニーなど
  • 下落寄与:ボーイング、アップル、JPモルガン・チェースなど

 

国際商品市況

  • ニューヨークWTI原油先物1バレル=51.49ドル(前日比-1.4ドル)
  • ニューヨーク金先物1トロイオンス=1,243ドル(前日比+1.0ドル)

 

データを参照したサイト

ダウ平均変動に影響した銘柄はこちら↓

https://nikkei225jp.com/nasdaq/

 

金融市場に影響したと思われる材料

 

【中国ファーウェイ会長が違法な金融取引の疑い】

  • 米国の要請に応じてカナダ当局に逮捕された中国のファーウェイの孟晩舟・副会長兼最高財務責任者(CFO)を巡り、ロイター通信は6日、違法な金融取引の疑いで捜査されていると報じた。イランとの金融取引を禁じた米国の制裁を回避するための仕組みづくりに関った疑いがあるという→突然のニュースに6日の世界の金融市場は大きなリスク材料と認識した模様

 

【米家計の純資産が増加】

  • 米FRBが発表した第3・四半期の米家計の純資産は109兆ドルと、前年同期から約2兆1,000億ドル増加した。株価上昇が押し上げ要因となり、個人消費を支えるとみられている。第3・四半期の家計債務は前年比3.4%増。伸び率は第2・四半期の2.9%増から拡大した。家計が保有する株式の価値は第3・四半期に1兆2,000億ドル増加。一方、不動産資産の価値は2,450億ドル増加した→米GDPの70%は個人消費が支えるが、米家計のバランスシートは健全で多少のショックには十分耐えられるとみるエコノミストは多い

 

【米11月ISM非製造業景況指数は市場予想を上回る】

  • 11月の米ISM非製造業景況指数は60.7と前回の60.3、市場予想の59を上回った→米国のサービス業の景況感が極めて堅調に推移していることを示している。マーケットは米景気懸念に過剰反応している可能性もある

 

当面のマーケットのポイント

 

【ハイテク関連に二つの悪材料】

 

  • 中国の通信機器最大手、ファーウェイの副会長の逮捕をきっかけに6日の東京株式市場では株安・円高・債券高(金利低下)のリスク回避が進んだ。世界景気が不透明感を増す中、米中貿易戦争の激化への連想が投資家の不安心理を増幅させた。
  • もう一つの悪材料がアップルやファーウェイを顧客に持つスマホ向け光学レンズ大手、台湾の大立光電が5日に発表した11月の売上高の不振。同社の11月の売上高は前年同月比28.5%減となり需要期にもかかわらず前月比でも減少した。新型iPhoneをはじめとしたスマホ向け需要の減速感が再び意識された。
  • 二つの材料に関連する日本の半導体、電子部品、機械・FA、ハイテク素材、通信会社は株価が高い銘柄も多く日経平均への影響度が高い。通信は時価総額が大きくTOPIXに影響を与える。また海外投資家の保有比率が高い銘柄が多く、こうした悪材料を受けて、業績への影響が出る前に一気にウエイトを減らすことも多い。ヘッジファンドは報道と同時に売りを仕掛けるケースが多い。米国経済に対する過度な懸念が後退する期待が浮上しつつあったが、様子見ムードが広がりそうだ。特にファーウェイのニュースの展開次第では調整が長引く恐れもある。当面、11月の安値21,243円や10月の安値20,971円がポイントだが、この水準を維持できなければ年初来安値を試す展開も否定できない。

 


12月6日の東京株式市場

 

主要株価指数

  • 日経平均株価:21,501円 (前日比-417円)
  • TOPIX:1,610ポイント(前日比-29)

 

相場のポイント

  • 6日の東京株式市場は3日続落し、日経平均は前日比427円安の21,501円で引けた。10月30日以来およそ1カ月ぶりの安値水準となった。3日間合計で1,073円下落し、その前の7日連騰で上昇した1,067円分を吐き出した。日経平均は一時600円超下落する場面があった。東証1部の銘柄騰落数は値下がり銘柄数が1,828、値上がり銘柄数は253銘柄と圧倒的に売りが優勢だった。
  • 中国の通信機器最大手の最高幹部が、米司法省の要請で逮捕されたことを受け、米中貿易摩擦への警戒感が再燃した。中国景気の不透明感もあってコマツなど中国関連やTDK、村田製、アルプス電といった電子部品など幅広い銘柄に売りが広がった。
  • TOPIX33業種では値下がり上位は電気機器や精密、機械など。値上がりは電気ガス、陸運、小売り、倉庫などディフェンシブ関連が並んだ

 

主要な市場内指標

  • NT倍率(日経平均÷TOPIX):13.35倍(前日13.36倍)
  • 東証1部売買代金:27,165億円
  • 東証1部年初来高値銘柄数4 /年初来安値銘柄数228 
  • 東証1部値上がり銘柄数253 /値下がり銘柄数1,828
  • 東証1部騰落レシオ96.10(前日107.29)
  • TOPIX33業種

上昇上位:電気ガス、陸運、小売、倉庫など

下落上位:電気機器、医薬品、精密、機械、証券商品など

  • 日経平均寄与度(日経平均の変動幅に影響した値幅)

上昇寄与度:ユニー・ファミマ(+19円)、ヤマハ(+1円)、7&i-HD(+1円)など

下落寄与度:ソフトバンクG(‐52円)、東エレク(‐25円)、エーザイ(‐24円)など

 

(お願い)

海外市場のデータは取得時のものであり、速報値の可能性があります。

閲覧・購読者自身でご確認いただきますようお願いします。

 

以上

 

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