アナリスト・トレーニング

お気軽にお問い合わせください!

TEL 03-3518-9611

受付:土日祝祭日以外の9:00~18:00まで

会員ニックネーム:ゲスト  状態:ログアウト
会員種別:不明  ログインする
会員ID:ゲスト  状態:ログアウト 
会員種別:不明  ログインする 

メルマガ

HOME >メルマガ

メルマガ

2018年11月29日
【28日のニューヨークダウは前日比600ドル高、米FRB議長の講演を好感】(11月29日配信)

マーケットコメント 2018年11月29日(木) 

【28日のニューヨークダウは前日比600ドル高、米FRB議長の講演を好感】

 

11月28日(水)のニューヨーク金融市場

 

相場のポイント

  • 28日の米株式市場で主要3指数は大幅続伸、ニューヨークダウは前日比617ドル高い25,366ドルで引けた。
  • 米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が28日の講演で政策金利の水準について、景気を過熱も冷やしもしない中立金利を「わずかに下回る水準にある」との認識を示した。FRBの利上げ打ち止めが近いとの思惑から米景気減速への警戒感が後退、幅広い銘柄に買いが入った
  • 米ニューヨーク・タイムズ(電子版)は27日、複数の政府関係者の発言として米中首脳会談が「停戦の舞台になる」と報じた。トランプ米大統領は貿易戦争が金融市場や経済に与える影響を懸念しているという。問題解決に向け米中が交渉する数カ月間は新たな関税を遅らせる可能性があるという思惑から、中国ビジネスに強いボーイングやキャタピラーに買い戻しが入り大幅高、アップルも含めた3銘柄でダウを190ドル押し上げた
  • 予想よりも早い利上げ打ち止め期待の高まりから、ハイテク全般に買戻しが入りアマゾン・ドット・コムが6%高、アルファベットが4%高となり、ナスダック総合は3%近い上昇となった
  • 投資家の不安心理を示す米VIX指数は18.49と節目の20を下回り、投資家のリスク許容度がやや高まった
  • 米10年国債利回りはほぼ横ばいだが、政策金利に敏感に反応する米2年国債利回りは低下した。為替相場は1ドル=113.60円台と前日比でややドル安・円高となった。

 

米長期金利

  • 10年国債利回り:3.05%(前日3.05%)

 

ニューヨーク為替相場

  • ドル円相場:1ドル=113.64-113.65円(前日113.76-113.77円)

 

米主要株価指数

  • ニューヨークダウ30種平均:25,366ドル(前日比+617ドル)
  • S&P500種株価指数:2,743ポイント(前日比+61)
  • ナスダック総合株価指数:7,291ポイント(前日比+208)
  • 米フィラデルフィア半導体指数(SOX指数):1,231ポイント(前日1,204ポイント)
  • 米VIX指数(恐怖指数):18.49(前日19.02)

 

S&P500種株価指数の主な上昇・下落業種

  • 上昇:情報技術、一般消費財、ヘルスケアなど
  • 下落:公益

 

ニューヨークダウ30種平均への主な上昇寄与度・下落寄与度銘柄

(ダウ平均変動幅への影響)

  • 上昇寄与:ボーイング、ユナイテッドヘルス・グループ、アップル、キャタピラーなど
  • 下落寄与:ベライゾン

 

国際商品市況

  • ニューヨークWTI原油先物1バレル=50.29ドル(前日比-1.2ドル)、一時50.07ドルまで下落、米週間在庫の大幅増を受け需給緩和観測が強まった

 

  • ニューヨーク金先物1トロイオンス=1,223ドル(前日比+10ドル)

 

データを参照したサイト

https://nikkei225jp.com/nasdaq/

 

マーケットが注目したと思われる材料

  • 米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は28日、政策金利は中立金利を「若干下回る」水準にあるとの認識を示した。10月3日時点の講演では、中立水準にはおそらく「程遠い」との見方を示しており、利上げ終了時期が早まった可能性を示唆したもようだ。パウエル議長は、物価安定と最大雇用のFRBの二大責務の達成に「近い」と述べ、米経済見通しには「多くの好材料」が存在するとの見解を示した。パウエル議長はハイリスクとされる企業向け融資が高水準の場合、景気減速を加速させる恐れがあるとの懸念も示した。株式相場が危険なほど行き過ぎているとFRBはみていないとも説明した→28日の米株式市場の大幅上昇は利上げサイクルの終了時期の前倒しを織り込み始めた模様。政策金利に敏感な米2年債利回りは低下した

 

  • 米連邦準備理事会(FRB)は28日に公表した「金融安定報告書」で「金融資産の価格は歴史的水準に比べて高く、投資家のリスク選好の強まりを示している」と指摘した。米企業の負債増加に警戒感も示し、貿易摩擦や地政学リスクなどを巡る警戒感が高まれば「資産価格の下落がかなり大きくなる可能性がある」との認識を示した。半面、金融機関の資本状況は「金融危機後の規制改革の影響もあり、レバレッジ(借金による投資)が歴史的水準に比べて低い」と前向きな評価を示した→最近の金融市場のリスクについて警戒感を示した。先行き市場の警戒材料となる可能性がある

 

  • 米10月の新築1戸建て住宅販売は前月比8.9%減の年率換算で54.4万戸と2016年3月以来、2年7ヵ月ぶり低水準となった。全地域で販売が減少。住宅ローン金利上昇が住宅販売の打撃となっていることを示した→景気の懸念材料として注視したい

 

  • 米EIA週間在庫統計によると、13日までの一週間の米原油在庫は前週比357.7万バレル増加した。市場予想の76.9万バレル増を大幅に上回った→28日のニューヨーク原油先物価格下落の材料となった

 

当面のマーケットのポイント

 

当面の日経平均の価格ポイント

  • 28日のニューヨークダウの大幅上昇を受け、29日の日経平均は大幅高でスタートすると予想される。シカゴの日経平均先物(円建て)が22,395円で戻ってきており、下落傾向の200日移動平均線(28日時点22,293円)を超えてくる可能性が高い。上抜ければ75日移動平均線の22,559円が意識される。週末の米中首脳会談の結果が注目される。

 

米中首脳会談と中国経済のポイント

  • 米国と中国は8月に互いに500億ドルずつの輸入関税を導入(第1弾)。トランプ政権は9月から2,000億ドルの追加関税(10%)を決定(第2弾)。2019年から関税率を25%に引き上げる予定(第3弾)。さらに、2,650億ドルの追加関税を計画中で、中国からの全輸入額に関税を課す準備を進めている。

 

  • 12月1日に開催される米中首脳会議のポイントは、この第3弾の追加関税の税率が予定通り19年から25%に引き上げられるか、さらなる追加関税の有無などが注目される。

 

  • 市場では交渉次第では追加関税の税率引き上げの延期または棚上げを期待しているが、トランプ大統領は27日、「予定通り実施する」と米メディアに語った、と伝わった。またトランプ政権周辺では「一時停戦」説も伝わるなど様々な情報が錯そうしている。当然、1回の会談ですべてが解決される可能性はほとんどないと思われるが、交渉が完全に決裂するシナリオも考えにくい。一時停戦や交渉継続などで合意する可能性はあるだろう。今週の為替相場のドル高や株式相場の上昇はこうした期待を反映している。残念ながら交渉決裂となれば来週の反動安は避けられまい。

 

  • 足元の中国経済は減速を示す指標が目立っているが、同時に景気テコ入れ策も実施されている。金融当局は5月から金融緩和に転じ、7月から預金準備率を2回引き下げ、中小企業向けの貸出金利も引き下げた。6月に大規模不動産開発を再開、8月には1兆元の高速道路整備計画、9月には3,200億元の所得減税(10月から実施)も報じられた。こうしたテコ入れ策の効果は年末頃から指標に反映される可能性が高い。今回の米中交渉で悪い方に向かった場合、さらに大規模な景気テコ入れ策が予想される。中国リスクで一旦失望してもそこは投資タイミングになるのではないか。

 


11月28日の東京株式市場

 

主要株価指数

  • 日経平均株価:22,177円 (前日比+224円)
  • TOPIX:1,653ポイント(前日比+9.5)

 

相場のポイント

  • 28日の東京株式市場は4日続伸、日経平均は前日比224円高い22,177円で引けた。22,000円台の回復は11月12日以来。東京外為市場では午後の取引で1ドル=113.90円台と半月ぶりのドル高・円安となり機械や電機、海運など外需関連がしっかり。
  • 週末のG20会議後に開催される米中首脳会談で、貿易交渉を巡りなんらかの合意がなされる可能性があるとの期待感から、海外投資家が株価指数先物に買いを入れた。
  • 日経平均上昇に寄与した銘柄ではファーストリテイ1銘柄で日経平均を75円押し上げたほか、大日住薬やダイキンなど上位5銘柄で140円押し上げるなど値がさ株が上昇を主導した。

 

主要な市場内指標

  • NT倍率(日経平均÷TOPIX):13.41倍(前日13.35倍)
  • 東証1部売買代金:25,511億円
  • 東証1部年初来高値銘柄数32 /年初来安値銘柄数25 
  • 東証1部値上がり銘柄数1,416 /値下がり銘柄数612
  • 東証1部騰落レシオ:102.6(前日92.1)
  • TOPIX33業種

上昇上位:サービス、機械、医薬品など

下落上位:空運、輸送機器、保険など

  • 日経平均寄与度(日経平均の変動幅に影響した値幅)

上昇寄与度:ファーストリテイ(+75円)、大日住薬(+18円)、ダイキン(+16円)など

下落寄与度:ユニー・ファミマ(‐47円)、スズキ(-5円)、ヤマハ(‐4円)など

 

(お願い)

海外市場のデータは取得時のものであり、速報値の可能性があります。

閲覧・購読者自身でご確認いただきますようお願いします。

 

以上

 

—– アナリスト・トレーニング —–

このページの先頭へ